審査の心構えについて
審査の心構えは、「礼」の心構えを体配で行い、表現することです。礼を無視した体配は
弓道には、しつけ、慎み、和敬、克己、反省などの徳目を体得することが大切です。なぜなら、形や技だけにとらわれた弓道では、的中至上主義になってしまうため、そこに心は伴ってはいません。
日本の弓は儒教の影響をうけて「技」から「道」へ進みました。技術に倫理はありませんが、「道」には倫理が伴います。礼記射義に記された「射は進退周遷必ず礼にあたる」というのは、射法と礼が一体になったことを表しています。
現代弓道はスポーツの性格が強くなり、大衆的になり、楽しみ愛される弓道になることは当然であります。しかし、弓道の性格には、苦しみ、悩みつつ道を追求しようとする苦行道も存在します。このように、絶えず勉強に励むことは、弓道の道の面を経験し、自己の生活に役立つ心を構築することができます。
これらの正しい信念と勇気を持つためには、「礼」に即した体配を修練する必要があります。
そして、これらを表現した体配に近づけるに、いくつか決まりと方法があります。
体配は基本体とも言い換えられます。基本体には、基本の姿勢、基本の動作があります。立った、すわった、回った、これらの動作には正しい規矩があります。まず、身形を正しく学び、直になって、正しく規矩を守って修練を行うことが大切です。
それによって体の構えが崩れなくなり、動作に隙がなくなります。