・基本の動作
基本の動作8つを以下に記します。
立ち方、すわり方、歩き方、停止体の回り方、歩行中の回り方、座しての回り方(開き足)礼(坐礼、立礼)、揖
・立ち方
上体を正しく保ち、吸う息にて腰を伸ばしつつ一方の足を爪先を立て、次に他の足も爪立て、息を吐き、吸う息にて足を踏み出しつま先を軸として胴造りを崩さないように立ちつつ他方の足をそろえ、(項を伸ばし)息を吐く。
・座り方
すわり方は正座と跪坐に分かれます。
立った姿勢から吸う息にて足を約半足後方に真っ直ぐにひき息を吐きます。胴づくりを保ちつつ吸う息で腰を沈め、後方に引いた足の膝頭を床につけつつ、他方の足の膝頭をつけ両膝頭をそろえ(腰で送り込む)腰を決めます。片足ずつ両足のつま先を伏せ、両拇指を重ね、静に尻を両踵の上におき、息を吐きます。上体はまっすぐにすることを心がけます。
・跪坐
前述のとおり坐って両膝頭をそろえ、踵をつけ爪立った姿勢となり、物をもったときは、主たる物をもった方の膝を生かします。
・歩き方
立った姿勢で、眼づかいに注意し、「胴づくり」をくずさず、膝を曲げないように、足裏が見えないようにします、腰を軸として腰を送るように体を送るようにし、床を滑るようになめらかに、かつ静かに呼吸に合わせて上体を運びます。執り弓の姿勢で歩く場合、弓の裏弭を床につかないように床上10センチ位の高さに保ちます。
・停止体の回り方
立ったまま停止して向きをかえるときは、まず目的の方向に意を注ぎます。次に腰を回しつつ向きを変えようとする足の爪先に、他方の足を直角にT字形をかけて、ついで両足をそろえます。
後方に回る場合、一方の足(A)を他方の足(B)の爪先に直角にT字形をかけて、ついでBの足を(A)の足のかかとに直角にT字形をかけ、(A)の足を(B)の足にそろえる。
・歩行中の歩き方
歩行しつつ右に向きを変えるときは、左足を踏みすえ、右足の向きを変える方向に小足にL字形に踏み出し、ついで左足を常のごとく踏み出して進む。左に向きを変えるよきはその反対に運ぶ。
・坐しての回り方
跪坐の姿勢から、吸う息で腰をまっすぐ伸ばし息を吐く。ついで回る方向に意を注ぎ、息を吸いつつ腰を回しながら左に回る方向に意を注ぎ、息を吸いつつ腰を回ります。例えば、左に回るときは右ひざを左の膝頭に九十度に運びます。ついで、右踵に尻をつけるように腰を深く回して向きを変えます。これによって足は自然によりそろいます。
・礼
礼は坐礼、立礼に分かれます。
坐った姿勢のまま背筋を正しく伸ばし、上体を屈しながら両手を下していきます。両手を下す位置によって礼の様式(指健礼、折手礼、たくしゅ礼、双手礼、合手礼)が変わります。これは身分によって使い分けます。弓矢を持った場合は弓を持った方の手は動かさず、矢を持った手のみ前述のようにおろします。
立礼は深い礼、弓矢を持ったときの立礼があります。深い礼は背筋を伸ばして、腰を軸として上体を屈するに従い、自然に下がる両手の指先が両膝頭に接する位置で屈体をとどめ、静かに体を起こします。両手は元の位置に戻ります。これも身分によって屈する角度を変えます。
弓矢を持った場合は取り弓の姿勢で、上体のみを受礼者の身分に応じて規矩に従って屈します。両手は下げないようにします。深い礼以外はふつう屈する角度は45度以上を基準とします。礼の動作は相手に共敬、親愛の心を形に表すことであり、形だけの礼になってはいけません。
・揖(ゆう)
揖の動作は立った姿勢、または座った姿勢から礼のときと同じく呼吸に合わせて上体を10センチ屈し、揖を終えたのち、上体を上に伸ばすようにして起こします。揖においても、礼節、感謝の念を表すものでなければいけません。