この三つを行うと、少し強い弓を使って楽に稽古できる

楽に弓を押し開くためには、「少し強い弓」を用いて稽古することが必須となります。ただ、せっかく強い弓を購入したとしても、力任せに引いてなかなか思うように引けないことがありますよね。

少し強い弓を用いての稽古は、称号者を含め、多くの方が教えられない分野でもあります。ただ、少しの工夫を行えば、弓のkg数が上がったとしても、楽に押し開くことができます。

そのように、少し関節の位置を変えたり、押す方向を変えることで、楽に大きく引けることを学べるのも「少し強い弓を引く」のも魅力でもあります。以下に、少しの工夫で弓を楽に引ける具体的手法を解説していきます。

大三→引き分けからの動作をなるべく「止めない」ようにする

まず、少し強い弓を用いた場合、今まで以上に弓の反発力が身体に強くかかります。そのため、腕や肩の筋肉が緊張しやすく、引きにくく感じます。特に、大三から引き分けにかけての動作で腕や肩の筋肉が緊張しやすいです。

そこで、対策方法として「大三から引き分け」において動きを止めないようにします。

通常、弓を引くときは大三から引き分けに移るときに、一度「止める」ように指導されると思います。しかし、大三から引き分けに移るときに、静止させると、腕と肩が強く緊張します。弓手は打ち起こしから大三に入ったら、止めたりせずに引き分け、会と映ってください。
すると、先ほどに比べて弓を引きやすく感じると思います。大三動作は、両腕を上に上げている状態です。両腕の筋肉や神経の細胞を活動させるためには、「血液」の中にある酸素や栄養素が流れる必要があります。しかし、腕を上に上げた状態は、比重を持った血液が下に落ちやすいです。そのため、腕の筋肉や神経にいきわたる血液量が少なくなり、筋肉の収縮がしにくいです。

もし、この大三動作で静止すると、力の入れにくい腕の状態に対して、弓の反発力がかかってしまうため、余計に無駄な力みがはいってしまいます。そのため、大三では、腕に負担をかけすぎないためにも、静止せずに引き分けに行くようにするのが正解です。

教本にも、大三動作で止めないように示唆される文章がある

ちなみに、教本を読めば、大三動作は止めないように示唆した文章があります。それは、「射法八節では、連続性をもって」という文章です。

射法八節の基礎の文章において、「射法八節、これらは終始関連して一巻をなし、その間分離断絶することがあってはならない・たとえば、一射は一本の竹のようなもので、この一貫した竹に八つの節があると同じである」 (教本一巻から引用)

このように、射の動作は途中で止めたり、分離することはあってはいけないと説明しています。現代では、大三から引き分けに入るときに「左右対称に押し引き、つり合いを確認するために」という理由で静止するように指導されます。しかし、少し強い弓で引いた場合、そのような気持ちで弓を引いたしまうと、かえって腕や肩に負担が強くなる危険があります。

大三で弓手を止めるのは、リスクがあります。もし、両腕を上げた状態で弓手の動きを止めてしまうと、力んでしまう可能性が高いです。それに加えて、少し強い弓によって強い反発力を受けてしまうと、意識や注意が「手」にいきすぎてしまいます。これによって、引いている最中での「胴体」への意識がおろそかになってしまうため、胴づくりの崩れを招く危険もあります。

少し強い弓を引けば、大三の射型はキレイになる

ただ、少し強い弓を引けば、大三動作が今よりも楽に行えることは確実に言えます。実際に、このことは強い弓を持って稽古することで確認できます。

まず、少し強い弓をもって稽古してみましょう。3~5本程度引いたら、元の弓を戻してみてください。すると、先ほどに比べて楽に大三がとれるのがわかります。

少し強い弓で引けば、大三動作で静止させることができないかもしれません。しかし、少し強い弓で数本稽古すれば、今の弓で大三の射型がきれいになるのが間違いありません。矢の線をそろえることも、両肩の線をそろえることも容易にできます。

もし、同じ弓で同じように稽古しても大三動作をキレイに行えるようにはなりません。射型がキレイにするのも非常に困難です。しかし、少し強い弓をもって、多少の負荷を身体にかければ、今よりも大三を楽に取ることができるのは間違いありません。

大三を少し広く取るようにする

次に、少し強い弓を楽に引くための工夫として、大三を広く取るようにしましょう。

この理由は、大三で弓手を入れておいた方が、次の引き分けで弓手にかかる負担が少なくて済むからです。

大三では、矢束を3分の1~半分程度取ります。つまり、20kgの弓を引いていたとしても、大三の過程で身体にかかる負担は10kg程度で計算されます。この計算が合わないにしても、少なくとも大三で身体にかかる弓の反発力は全体の弓力の半分かその程度であると推測できます。

この段階で弓手を入れておきます。すると、次の引き分けでは、弓手を強く押しやすいです。

八節動作の中で、最も難しいのが大三での弓手の入れ方です。弓手を入れる際に、左手首を外側に曲げすぎたり、弓が手のひらの中を回る際に指先に力がかかったり、あらゆる失を犯してしまいます。

もし、大三で弓手を入れる際に、「矢束3分の1程度にしよう」と思い、大三を小さくしたとします。すると、次の引き分けで弓手を襲うとすると、左手首が外側に曲がりすぎてしまうため、押しずらいです。かといって、完全に大三で弓手が入れなかった場合であっておも、引き分けで弓手を入れようとするときに、指先に力みが発生しやすいです。

そこで、少し強い弓を引くときは、はじめは矢束一杯引けるようにするため、大三を広く取るようにしてください。もし、大三の段階で弓手を入れて、大きく取るようにすれば、次の引き分けで「押し動作」に集中できます。おそらく、少し強い弓の場合、大三を広くとった方が、次の引き分けを押しやすく感じることでしょう。

右ひじが引かれないようにしてください
ただ、大三で弓手を深く入れる際に注意していただきたいことがあります。それは、弓手を深く入れようとすると、右ひじが引かれてかえって右ひじに負担がきてしまうことです。

少し強い弓手を引いて最初は、弓手を深く入れて、引き分けで右手を目いっぱい引いて、肩より後方に回るように

ここで簡単な実験をしましょう。

あなたが15kgの弓を持っている場合、17kgの弓を素引きしてみてください。このときに普通に素引きしてみてください。すると、今までより弓力を強く感じ、体が力むことでしょう。

しかし、ここで斜面の弓構えをします。弓手を斜め下の方向に押すように、斜面の弓構えの構えをしてください。次に、その位置から、弓を体の中に割り込ませるようなイメージで押します。すると、先ほどに比べて楽に押し開けるのがわかります。

引き分け動作において、弓を楽に押しやすくするための「押す角度」が存在します。これがわかると、どのような方も今よりも強い弓を押すことが可能です。後は、弓を引こうとするあなたの気持ち次第です。

ここで言われる、弓を楽に押す角度とは、「初心者だから」「運動音痴だから」「女性だから」という理由でできないわけではありません。どのような方も、勉強して少し強い弓を押し開く稽古をしようと思えば、誰でもできます。

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