グラス弓、竹弓、カーボン弓の違い

グラス弓、竹弓、カーボン弓をおおまかに三つに分かれます。どの弓も弓具店に行けばだいたいおいてあり、ネットでも購入できるものもあります。

・グラス弓
グラスファイバーの素材の弓です。竹弓のように製造工程が複雑かつ、時間もかからないため、大量生産できます。値段も安価なため、学生や初心者など、弓道初めて間もない人たちがこれを使用します。

長所としては形状が変化しにくいことです。

グラス弓は竹弓と違って、温度、湿度の影響が受けにくく、形状も変化しにくいです。そのため、的中に影響が出にくく、耐久性もあるので、練習量にも耐えられます。

初心者の方で弓返りがしなくても、矢が真っすぐに飛び、的中も見込めるので、初心者はここから入るのがオススメです。

そのほかに安価であることが挙げられます。

竹弓も値段はピンからキリまであるのですが、竹弓に比べてグラス弓は比較的値段が安いです。竹弓のように破損する恐れもないので、一つ持っておくと、長く使用することができます。

短所は、竹弓と違って離れたときの左拳の反動が大きいことです。

近年、いろんな種類のグラス弓が製造されて、その中で引きやすいグラス弓は数々でてきました。しかし、それでも、竹弓の弾いているときの柔らかさには比較にならないほどです。

グラス弓を使用することで、無意識に変な力む癖があります。具体的には左手、左肩です。学生や若い人などそれで引ける人は問題ありませんが、グラス弓は竹弓と比べて離れたときの押し手にかかる反動が強く感じるため、これが、左肩の詰まりになる可能性がおおいにあります。

実際、学生弓道では、グラスの弓で甲的中を出すために、あえて左肩を動かさないように棒のように固めて射を行う高校がありました。それでも確かに高的中はでます。

・竹弓
竹弓は実際に森の中にある木を素材に弓を作ります。工場で製造しているところもあると聞きますが、弓師さんの話によると1年かけて手作りで作っている店もあります。

長所は引きが柔らかいため、変な力みがつきにくいことです。竹弓のしなりによって、すくない力でも、竹弓独特の反発によって、矢勢を出すことができます

短所は的中が難しい、形状が微妙に変化することです。

竹弓は季節によって、微妙に形状が変化したり、素材によっては、弓返りのときの反発、しなりが微妙に代わるため、いつも狙ったところから微妙にずれることがあります。夏になると、湿気をすい、冬になると乾燥するため、それが微妙に射に影響してきます。

また、裏反りも変化します。裏反りとは弓を張らないときに、反対側へ反りかえることです。この反りかえりがずっと使用していないと、深くなったり、使用し続けていると浅くなったりします。

これを自分で調整する必要があります。グラス弓と比べて自分である程度手間暇をかけなくてはいけません。裏反りの強い弓となっては、張ったままにしておくこともあります。

・カーボン弓
カーボン弓はカーボン素材の弓です。カーボン素材の弓は、弓の下端に「CARBON」と表記しているところもあります。

長所は軽い割に矢勢が出るということです。

このカーボン素材や柔らかさはもはや竹弓の軽さとは全く質が違うため、持ったときに感じる感触が変わります。近年、カーボン素材のフレームがいろんな部品で使用されているように弓もカーボン素材で作られてきました。

また、竹弓とカーボン素材を合わせた、カーボン竹弓というのも存在します。私は、カーボン弓を使用していた時期もあり、グラス弓を平行して使用していた時期もありました。

中の素材が変わったので、反発力が変わった、柔らかさが変わったということもあるでしょうが、それは使用中あまり感じることはありませんでした。なので、素材によっての引きやすさはグラスとは変わりなく、目立って違っていたのは軽さでした。

短所はグラスに比べて、壊れるリスクがあることです

カーボン素材は劣化するため、強度が弱くなってしまったり、強さが変わったりしてしまいます。弓や楽器は質が良いものだと何十年と使用したいため、修理や調整の作業が重要になってきますが、カーボンの場合、その修理、調整が効かないため、壊れる可能性があります。

軽いというのはそれだけもろく、衝撃に弱いということです。

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