弓道を稽古していると
左腕がいてぇー
となることがあると思います。左肩の痛みが起こると、弓を押せず、非常に困ります。
今回は、左肩を痛みを改善する具体的手法を解説していきます。
左肩上部の筋肉を緩めれば、問題解決する
まず、左肩の痛めずに引くためには、「左肩上部の筋肉」に負荷をかけないようにする必要があります。具体的には、「左肩主編の神経と血管に圧迫をかけない」ように、左腕を使う必要があります。
弓を引いているときに、左肩周辺にある神経や血管が縮むと、痛み物質が肩の筋肉に残り、痛いと感じてしまいます。この問題を解消するために、次のことを行なってください。
・足踏みを広くふむ
・少し膝を軽く曲げる(広い足踏みの姿勢をより安定させるため)
・打起こしの手前で左肩を下げ気味にしておく
この三つのことを行えば、左肩の負荷を減らして、弓を押せます。理由は、3つのことを行うと、弓の反発力が、肩ではなく、脇下にかかるようになるからです。
左肩を下げると、脇下にある「前鋸筋」という筋肉が働き、肩の上部にある筋肉が伸ばされます。肩周辺にある神経や血管の圧迫がなくなって、左肩の負担が軽減されます。
ただ、できれば足踏みを広めにしておいた方がいいです。
左肩の痛みを取るために、「左肩に負担がかからないようにし、かつ弓を押し続ける」ように姿勢を作るべきだからです。そのためには、左肩を容易に下げやすい姿勢を作るべきです。
そのためには、足踏みを広くして、腰の位置を下げてください。すると、左肩を下げやすくなります。これを、自分の腰の位置を下げずに左肩を下げようとしても、なかなかうまくいきません。
まずは、左脇下から押す感覚を養うために、左肩を意識的に下げるようにしましょう。
矢の長さいっぱい引くことを心がける
さらに、左肩に負担をかけないようにするために、矢の長さいっぱいに引くように心がけましょう。
引き分けするときに、弓の負荷を左右に均等にかければ、結果的に左肩の負担を減らせます。そのときに、矢の長さいっぱいに引けば、右腕も大きく使うため、弓の負担が体の右側に移ります。
しかし、ここで引き分けが小さければ、弓の負担は左肩に集中してしまいます。その結果、左肩を痛めてしまいます。
左肩に弓の負担を集中させないために、矢の長さいっぱいに弓を引くようにしてください。
左肘を立てようとすると、左肩を痛める
このように、弓を引く上で左肩を痛めてしまう理由は、次のような教えを真に受けてしまったからと考えられます。
・上押しをかけましょう
・雑巾絞りのように、左腕を内旋させましょう
・左肘の皿を立てるようにしましょう
これらの動作を真に受けたことで左肩を痛めた可能性があります。
親指と人差し指の間で弓を押すのを上押しと言います。まず、二つの部位で弓を押し続けると左腕、左肩を痛める可能性があります。
二指の間を握ると、腕の上部、肩周りの筋肉が縮むからです。
弓を押すように、左腕を真っ直ぐに伸ばしたあとに、実際に人差し指と親指を握ってみてください。まず腕の上部の筋肉、それ以外に肩周りの筋肉も一緒に硬くなるのがわかります。
これらの筋肉の周辺には、肩の筋肉に関わる神経や血管が伸びています。そのため、人差し指と親指を握ると、これらの神経も一緒に圧迫されてしまい、肩に痛みが走ります。
「雑巾絞り」のように、腕を内旋させる、肘の皿を立てるという教えも同様です。これらの教えは肘を立てるという言葉の意味を誤解したことで起こります。
まず、弓道では「左肘の皿は垂直に立っている方が押しやすい」という前提があります。そうすると、弓の反発力がかかったときに、左腕が曲がりにくいからです。
しかし、この肘の皿を立てる時の使い方を間違えているのです。
「雑巾絞りをするように」や「肘の皿を立てるよう」に左腕を内側に回すと、左肩が上がります。その結果、左肩や腕を痛めてしまいます。
弓を押す構えのように、左腕を伸ばしてください。そこで、雑巾を絞るように、肘を立てるようにすると、腕の上部が捻られると思います。このようにすると、左腕だけではなく、左肩も上部に上がってしまうため、左肩に負担がかかります。
そうではなく、肘の立て方を改める必要があります。
そこで、先ほどお話した左肩を下げるようにしましょう。すると、左肩だけではなく、左腕の下部も下がり、内側に回ります。このように、左肘が立つと、左肩に負担がかかりません。
つまり、左肘を立てるのを
左腕の上部を回して立てる→❌
左腕の下部を回して立てる→◎
と考えれば良いです。そうすれば、左肩に負担なく、左肘が垂直に立って押すことができます。
以上のように左肩、腕が痛む場合は、
左肩を下げて押すように
意識しましょう。これによって、左腕と肩に負担なく、かつ左肘が垂直に立った状態で弓を引くことができます。