キレイな離れを実行するために注意したいこと

弓道において、離れは的中にかかわる大切な動作です。真っ直ぐ矢を飛ばすためには、適切に体の筋肉を働かせて無駄なく拳を放つ必要があります。

 

昔の弓術書では離れに関してあらゆる名詞をつけて、説明がされています。しかし、これらの離れの説明には射の実力を下げる危険があります。そこで、初心者から上級者まで全ての人が目指さなければいけない離れの形が存在します。

 

ここでは、昔の弓術書に書かれている離れの説明のデメリットと、実際の射において、目指さなくてはいけない離れの形を解説していきます。
 
 離れでの特別な説明を真に受けると、体に余計な力みが出てしまう
教本第一巻に「離れは自然の離れでなくてはならない」と書かれてあります。この言葉は離れは自分で離そうと思って離すことは悪く、伸び合って自然に離れる状態に持っていくことが理想と説明しています。

 

むかしの流派でも「四部の離」などと言って左手拳、右手拳、左肩、右肩を以て「離」を発せと説明したり、鸚鵡の離れ、雨露理の離れと言って抽象的な言葉を用いて離れを説明したりしました。これは技によって離れを説明した証拠です。

 

それでは、こうした離れの動作は実際の射で実現できるでしょうか。結論から言うとそう簡単には生まれることはありません。なぜなら、離れは筋肉や関節の動きといった「技」より「精神」、「心」によって働きが作用されるからです。

 

人間には心拍数や神経、感情の起伏があり、この心的作用が「離」に大きな影響を与えます。このことから「離れは心七分、技三分」とも説いています。そのため、離れを自然に出すことはとても困難です。

 

昔、講習会で県の連盟会長を務めていた範士の先生が以下のように話していました。

 

「初心者は何も考えずに自然とパッと離す離れが高確率で出る、これを私は「澄まし」と表現しているが、我々のような長年弓道を稽古しているものはこの「澄まし」が何百本引いて一本出るか出ないかしか出てこなくなる。」

 

初心者は何も考えずに弓を引くため、離れの動作に余計な意識を持つことはありません。しかし、経験や知識が積み重なると弓を引く動作に理屈を求めるようになり、的を意識するようになります。このような心の働きが離れの動作を微妙に狂わせて、思うように離れなかったり、拳が矢の線上に飛ばなくなります。

 
目指すべきはスムーズな離れ
このように、昔の弓術書に説明されている離れの説明は長年やっているとだんだんできなくなってきます。そして、簡単にできることではないので、あまり深く考えないようにすることが大切です。

 

そのため、「自然な」「体の4カ所を使った」といった考えは捨てましょう。そして、目指すべき離れの目標はスムーズに離すことです。

 

スムーズに離すために、離れの瞬間に難しいことを考えないようにしましょう。言葉や体の一部分にとらわれてしまうと、k会で弓を押し続けている最中に、体の微妙な力みを招きます。そのため、頭の中に「的に当てる」「こうすれば当たる」「肩の筋肉を使って」など、的の執着や体の動かし方のこだわりを捨てましょう。

 

さらに、会の最中に拳を握ったり肩に力を入れたりして別の新しい力を加えないようにしましょう。会で押し続けてきた両腕の働き、背筋を崩さず真っ直ぐに保つ働きなどを最後まで続けることです。

 

ここで、新しい力を作ってしまうと、心も体の働きもそこに集中してしまいます。すると、離れの動作で筋肉の緩みや姿勢の崩れが生じます。その結果として矢は真っ直ぐに飛びません。

 

心身ともにどこにも滞りなく、スムーズに弦を放し、矢が真っ直ぐに飛ぶこと。これがひとつの目標と言えます。
 
 最後の最後まで左手を押し続けることで、会での心の揺れを抑えることができる
離れにおいて、神経や感情の起伏が形になって表れるのが「押手」です。

 

理由は人の体で弓の抵抗力が最も受ける部位は左拳だからです。会における押手は最も負担のかかる部位であり、関節の歪みや押す方向のズレが生じやすい部位です。さらに、日本の弓は上が長くて下が短いです。左拳の押し方が変わると弓の長い上部は揺れやすくなります。

 

そのため、押手を的に向かって押し続けることがスムーズに離れを出す重要な考えです。押手で押しつづれば、ほんの少しの押す力で右肘が離れるようになります。離れを作るのではなく、誘い出します。

 

しかし、こう言っても、なかなか離れをスムーズに出すことも難しいです。理由は右肘の動きにあります。引き分けが小さくて右肘が後方まで引けていない場合は、体幹部にある脇の下の筋肉や腕の裏側の筋肉が最大限に働いていません。

 

右肘が後方まで引けていなかったり下向きに落ちていたりすると、筋肉がゆるんでしまい、弓の抵抗力に負けて硬くなっています。その結果、離れの右拳が前や上に飛んでしまいます。

 

そのため、スムーズに出すためには、「大きく引いて左右に押し続ける」ことから始めます。そして、気持ちも自分の体の意識としても十分に引きつけたなら、数秒間で弦を離したくなってきます。そうして、自分で意識するのではなく、体が自然と放れたい気持ち来れば、ぱっと迷いなく離すことができます。

 

下手に難しい言葉や理解しにくい言葉にとられて変な意識は持つと、スムーズに離れの動作ができなくなります。会であまり難しいことを考えずに、引き分けで弾いてきた力をそのまま用いてぱっと離しましょう。すると、離れの拳が矢筋に動き、矢を真っ直ぐ飛ばすことができます。

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