5.拇指球に体重を置くと、無意識に胴作りが崩れて的中率が低下する

ここでは、「拇指球に体重を乗せると的中率が下がる可能性がある」体の仕組みについて解説していきます。

踵に体重を乗せることの利点はこれまで説明してきました。反対に、拇指球に体重を乗せた姿勢は、胴造りが崩れやすいです。

拇指球に体重を乗せると、無意識に姿勢がぐらつくのです。そのような体の仕組み、反応があります。

この詳細を解説します。

つま先に体重を置くと、ユラユラ体が無意識に動く

胴造りで良い姿勢を維持するためには、体をブラさないことが大切です。あるいは、的中を出すためにも、体の軸が安定している必要があります。

しかし、拇指球に体重を置くと、無意識に姿勢がぶれてしまうことが体の仕組み上わかっています。

試しに、つま先に体重を置いて弓構えを取りましょう。

その状態で30秒ー1分程度静止してください。おそらく、体が自然とユラユラ動きませんか?

大体の人は肩周りが無意識に動きます。

一方、踵に体重を乗せて静止してみてください。おそらく、拇指球荷重の姿勢に比べて体がブレずに保てると思います。

拇指球荷重の姿勢にすると、無意識に体がぶれてしまうのです。これを、専門用語で随伴性姿勢制御反応(ずいはんせいしせいせいぎょはんのう)と呼びます。

簡単に言うと、体が前後に倒れないようにするために、倒れそうになる前に無意識に体に力が入る反応です。

 

 

例えば、人型のフィギュアがあったとします。そのフィギュアを立たせて両腕を伸ばしてみると、倒れてしまいます。

そのフィギュアも両腕に重さがあって、重心が前に移るからです。

 

 

同様のことを人にさせれば倒れるはずです。しかし、倒れません。

なぜなら、先ほどお話ししたように姿勢を無意識に制御する反応が働くからです。

腕を伸ばしたときに、「このままだと体が前に倒れる」と体が無意識に察知し、背筋や首筋に力が入ります。これによって、体が倒れません。

人間には、このように体が倒れないようにする「先回りのシステム」が備わっています。

ちなみに、随伴性姿勢制御反応は拇指球荷重の姿勢のときに起こりやすくなります。

拇指球に体重を乗せると、背筋が縮みます。この姿勢だと、呼吸動作によって無意識に胸部がゆらゆら動きます。

背筋に力が入ったことで、胸を使った呼吸になり、必要以上に胸が動いてしまいます。弓構えの段階で、無意識に体が動きます。

引き分け動作では腕がダイナミックに動くため、胸部以外の筋肉も多く働きます。

拇指球に体重を乗せると、非常に体がブレやすいです。出来るだけ、身体の筋肉を柔らかくして無意識に体がぶれる反応を抑えなければいけません。

ここで、踵に体重を乗せると「姿勢の無意識のブレ」を軽減できます。

踵に体重を乗せると、背筋が緩みます。お腹周りも緩んで腹式呼吸をしやすくなります。これにより体の重心を下がり、姿勢が安定します。また、引き分け動作でも無駄なブレを少なくなります。

踵に体重を乗せると、弓構えでの「無意識の体のぶれ」や、引き分けでの姿勢の崩れを防ぎやすくなります。

余計な姿勢のブレが少なくなる分、真っ直ぐに飛ぶ確率が上がると期待できます。

一方、拇指球に体重を乗せると、無意識の姿勢のぶれが増えるため、無意識の筋肉の力みや姿勢の崩れが起こってしまいます。的中率低下、射型の崩れ、技術の低下・・・・様々な問題に苦しむかもしれません。

この身体の仕組みを覚えて、踵荷重の姿勢を有効活用しましょう。さらに、踵荷重の姿勢を覚えると、「体配動作も楽にスラスラ行えるようになる」こともわかっています。ぜひ、踵荷重の姿勢によって、体配動作もうまくなってください。

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