弓構え1:懸け口十文字と紅葉重ねの手の内を理解する

胴づくりを少しも崩すことなく、取り懸け、手の内、物見の動作を終えて、弓を構え、打ち起こしの準備が終わった形を弓構えと言います。

日置流では、取り懸けでは「懸け口十文字」と「紅葉重ねの手の内」を重視しています。ここではこの二つの内容を説明していきます。

懸け口十文字

まず、矢の15センチくらい下の弦に、右拳を近づけます。帽子の腹をあてて帽子をわずかにかがめます。次に、帽子の頭に中指を掛けて押さえ、人差し指を中指に添えます。

そのままの取り懸けの形を維持して、弦を摺り上げて矢と帽子の間が箆(の、矢の竹)一本くらいのところで止め、肘先から手首まで帽子の中心の軸として内側へ軽くひねります。

     

このときひねるときは、あまり手首だけをひねるようにしはしません。そうすると、懸け口と弦の間で十文字の形となり、このとき手首に角度ができないことがわかります。このように、手首が下や内に曲がらない状態を「懸け口十文字」と言われます。

紅葉重ねの手の内

点線を持って示した①虎口(とらぐち)の中心を弓の握り部の前竹の右七分、左三分の辺にて、握ろうとする部分よりわずか下に当てます。そして、点線部の皮をめくりこむようにかつ弓に巻きつけるようにして、しっかり弓に押しつけます。

次に②の天文筋という筋を弓の外竹の左側に当てます。この状態で少しも緩めることなく、小指、薬指、中指の順になるべく拇指に近づけて握ります。中指が入りにくい場合は親指を上げずに、薬指との間に押し込むようにします。

この握り終えた形を「紅葉重ね」の手の内と言います。この形により、虎口より真っ直ぐに腕を弓の力を受けるようにします。浦上範士の書籍にも同様に「紅葉重ね」の手の内が説明されています。同様の内容が記載されています。

次に、紅葉重ねの手の内の押し方について解説していきます。

日置流は、斜面打ち起こしのため、弓構えの段階で少し弓を押し開いた状態で打ち起こしをします。この押し動作を行うときに、大切なのは、人差し指と親指の皮を巻き込ませる動作です。

まず、親指と人差し指の間を軽く、丸くなるように開いてください。そうすると人差し指と親指の間に皮ができます。

次に人差し指と親指の間を弓の内竹左3分のところに当てます。このとき親指の位置は上部より1.5cm位下にあてます。

そして、約三センチくらい弓を押し開いてください。すると、人差し指と親指の股の皮が押し開いたと同時に内に巻き込まれます。このとき、小指を親指に寄せるようにすると、この巻き込み動作が行いやすくなります。
 
このように、親指の第二関節辺りの骨の出っ張っている部分(角)が初めは位置から変化します。股の皮が巻きこまれ、親指の内側も巻き込まれるため、自然にこの骨の出っ張った部分(角)が立ってきます。その結果、最初の位置よりほんの少し上に上がるような形になります。

このとき、手の内の力が拇指根ではなく、掌の真ん中にくるようになります。このときに、親指と人差し指の間の皮が上に滑り出たり、親指を滑りこましたりしないようにすることが大切です。

この紅葉重ねの手の内は正面打ち起こしの応用例も紹介されています。それは、打ち起こしから大三に移動させるときの親指の動かし方です。手の内で拇指を軽く中指の上に当てるようにします。次に、大三に移行するときに、三指は動かさずに拇指だけ滑らすようにします。そうして、拇指の付根の皮が内側に巻き込まれるようにします。
 
拳を少し立てて一寸位弓を押し開く。このとき、二指の股のところの皮を手のひらのうちに巻き込むようにし、左手の指を一先ずみな小指を拇指に近づけながらその第三関節で外竹の右角を握りしめ~浦上範士~

紅葉重ねの手の内を正面打ち起こしに応用するには・・・・拇指を軽く中指の上にのせ、「打ち起こし」から「引き分け」に移る際に、中指以下の三指は動かさずに拇指だけ滑らしながら、拇指の付根の皮が内に巻き込まれるようにし拇指と小指で弓を締めるのである~浦上範士~

・注意点
ただ、この手の内は斜面打ち起こしにおけるものです。正面打ち起こしで行うためには、教本二巻に「正面打ち起こしでの紅葉重ねの方法」が説明されます。こちらもご確認ください。

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