適切な足踏みを踏むための「三つの準」を理解する

足踏みは的を左側面にして立ち、的の中心と左足爪先および右足爪および右足爪が一直線になるように、左、右と足を半歩踏開きます。

 

足踏みの目的は日置流では的の真ン中に立つということと、上体の安定を保つことと考えられています。上体の安定を保つために日置流では三つの準を足踏みの決まりとして説明しています。

 

ここでは、足踏みの「狙い」「角度」「幅」を理解するための三つの準について解説していきます。

 

「中墨の準」「矢束の準」「扇子の準」

三つの準とは「中墨の準」「矢束の準」「扇子の準」です。この三つの準で以下の足の要素が決まります。

 

中墨の準→両足の位置
矢束の準→両足の間隔
扇子の準→両足の角度

 

中墨の準
的の中心より射手自信の中心に、仮想の線を引きます。その線上に左爪先を置く心持で半分左に踏み開きます。その的心、左爪先の二点を結ぶ直線を延長して、その延長線上に右爪先を置くように右足を半歩右に踏み開きます。

 

矢束の準
中墨の準にて踏み開いた爪先と爪先の間隔を、射手の身長の約半分くらいに踏む。昔、矢の長さは身長の半分とされていたので、この場合、矢の長さを標準となし得るのでこの名があります。

 

扇子の準
両足の作る角度は射手それぞれで若干違いあります。だいたい60度以上80度以下が適した角度になります。

 

以上より、足の位置、幅、角度が決まります。日置流では完全な射術を行おうとするならば、自信を持って「爪先を見て足踏みをすること」が重要と考えられています。

 

権足の中墨

足踏みに当たって右爪先が、仮想線の前(的に正対して、その中心より右を前、左を後と、弓道では言われています。)に出ると矢は的の後ろに行き、後に引っ込むと矢は的の前に行く傾向があります。

 

矢束の準より広く踏むと矢は上り、狭く踏むと矢は下る傾向があります。よって練達の射手はその日の矢坪(矢の着点)によって、足踏みを直し、矢を行くところを修正します(これを権足の中墨と呼びます)。

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