取り懸けのときの心得三つ

矢を番えて、右手、左手と同じように対し、懐ろ広くゆるやかに構えたる恰好(弓懐)を取り、取り懸けを行います。ここでは、本多流の射法書に載っていた取り懸けの内容を説明していきます。

 第三関節で取り懸ける
取り懸けるとき、四つがけのときは薬指の第三関節(根元近く)、三つがけでは中指の第三関節で取り懸けます。

拇指の頭を薬指の第三関節(初心者にして三つがけの場合は中指の第三節)の所に、帽子の先端が外部より少し見える程度に懸け、人差し指と中指は薬指にそろえるように取り懸けます。

第三関節に取り懸ける理由があります。それは、指先を握らないためです。

第三関節で取り懸けると、取り懸けの形は握っているというよりも、寝ている親指が弦に引っ張られるのを人差し指、中指、薬指で受ける形になります。

これを中指、薬指の節を握ろうとすると親指の根っこの部分がかたくなります。そうすると、引き分けで、握った力により、引き分けでこもった力が離れで出てしまい、はばたく離れになってしまいます。

手の裏での説明しましたが、取り懸けはかける前に「なるべく楽に」、余計な力、特に指先に過度に緊張させないように指の整え方を考えます。

 懸け口十文字は手首に角度を作らないこと
右手の拳を矢の方向に構え、弦の中関(真ん中)の下から親指と他の指との間に挟んですりあげて、堅帽子上部から約5ミリ程度筈と間隔を空けて行います。

このとき、手首は内側にも下向きにも曲げません、手首と弦の間で角度を作りません。これを懸け口十文字と言います。ここで、手首が下向き、内向きにむいてしまうと、手首にこもったひねりが打ち起こしの成否を分けます。

懸け口十文字は「手首を曲げないこと」と解釈してよいでしょう。本多流を習った射手たちは懸け口十文字を拇指と弦で垂直に合わせることと説明していますが、三つ?のときは大丈夫ですが、四つ?のときは十文字に合わせると手首を変な方向に曲げてしまいます。

なので、外形的な形ではなく、内面を十文字にする気持ちにします。

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