体配稽古での入場、射型で注意したいポイントをまとめる

体配動作において、どの箇所が見られてしまうのかは、ある程度理解ができたと思います。次に、体配動作において、特に指摘されやすい内容についてまとめていきます。

ただ、この内容はあくまで目安としてとらえておいてください。なぜなら、審査の体配や射型は、地方によって重視するポイントが異なるからです。つまり、ここで記された内容を取り入れても、別の件では「その体配は違う」と言われる可能性があります。

あくまで、私が27都道府県調査した内容を列記しておきます。体配では、動作している最中に左右対称で行えているか、無駄な動きが出ていないかを確認されます。射における射型も同様の考えで注意点が存在します。ご自身の稽古で生かしてみてください。

調査対象県:28都道府県(2009年~2018年)、62支部

北海道室蘭、山形県山形市、宮城県仙台市、福島県福島市、茨城県水戸他一カ所、群馬県高崎市、栃木県宇都宮市、長野県上田市他一箇所、埼玉県所沢市・他2か所、神奈川県横浜市他4か所、東京都第一地区〜第四地区含む21ケ所以上、静岡県静岡市他1ケ所

千葉県千葉市他4か所、静岡県静岡市、山梨県甲府市、三重県四日市市他二箇所、愛知県名古屋市、岐阜県岐阜市、京都府京都市、大阪府堺・大阪府他3か所、兵庫県尼崎市、奈良県奈良市、山口県山口市、広島県広島市・他1か所、香川県香川市、福岡県福岡市他1か所、熊本県熊本市、長崎県佐世保市、

なお、これからお話しする内容については、都道府県までは講評しますが、具体的な地区はお話ししないようにします。理由は、具体的な地区を言うと、先生の具体名や当弓道団体の稽古会に来られた人が特定される可能性があるからです。

私の稽古会に来た人はここに来たことをばれると、高段者に小言を言われる可能性があるため、あまり知られたくないと思っていますので、具体的な地区は公開しません。情報の正確さをより確かめたければ、私の所に実際に聞いて、仲良くなって聞くようにしてください。

ただ、大部分の県で教わっている内容はほぼ統一されています。しかし、地方によって教え方が異なっているのは事実あります。

あるいは、今私がここでこのような情報を言ったとしても、連盟が新しい基準や要点を変えられれば、この情報は使えなくなります。そのため、今回お話しする内容は2009年~2018年のものと明記します。今後も使える情報というわけではありません。なので、できるだけ自分で調べるようにしてください。

執り弓の姿勢

肘がきちんと張っているか(ほぼ全ての連盟の情報)

両肘がきちんと張っているかを確認するようにしてください。この内容は、都道府県によって差異はなくほとんど共通でした。

弓が人差し指と親指の間と密着しているか(連盟によって多少の違いあり)

ただ、この握り方は県によって異なります。例えば、神奈川県の高段者は執り弓の姿勢は「人差し指と親指の間に弓をつける」と指導を受けました。しかし、別の神奈川県の高段者、千葉県、大阪府の高段者の指導では、執り弓の姿勢の際に「人差し指と親指の間に弓をつけない」と指導を受けていると情報をいただいています。

なぜなら、矢を放った後の動作で、弓は人差し指と親指の股から離れるからです。矢を離れた後の形で弓を握ると考えるなら人差指と親指の間は離れるはずです。しかし、県で教わる先生によって、このこの執り弓の姿勢は「勉強していない」と判断されます。

実際に、私は神奈川県で弓を引いていた経験があり、審査員をされていた先生と一緒に稽古していました。すると、「四段審査は執り弓の姿勢ができているかいないかで落ちるかが決まる」とはっきり話してました。そのときに教わったのが、人差し指と親指の股と小指の付け根の二箇所で弓を挟み込むように握る方法でした。そのため、先生によって考える適切な執り弓の姿勢は異なります。

歩き方

眼が動きすぎない(大阪、神奈川の情報より)

歩いているときに、目がキョロキョロしていないか、瞬きが多くないかを見られる場合があります。場合によっては、「口」が不用意に動いていないかも見ています。

歩いているときに両足を平行にそろえるようにする(ほぼ全ての連盟、一部相違あり)

ただ、この内容については、「足の内側の側面」を真っすぐにするか、「親指の先」を真っすぐにするかで基準が異なります。東京のある先生は真っすぐ足先をそろえるというと「両足の内側のラインを真っすぐ」にするよう指導を受けました(教本一巻の記載通りなので問題なし)。しかし、大阪のある箇所の先生では足の親指先まで真っすぐにそろえるように指導を受けた人もいます。

おそらく、そうしないとみる側にとって両足先がそろっているかわからず、親指先だけ見ると足が開いているように見えるからでしょう。つまり、外反母趾の場合は両足を内側に強く向けて内股気味にしないといけません。県によって、両足の内側か足の親指先を向けるか見方が異なる場合があります。

跪坐

膝を上げなくていい場合がある(東海地区の弓道関係者)

跪坐を行う際に、左膝を開けなければいけませんが、場合によっては開けなくていい場合もあります。

一つは怪我をしているときです。脚を怪我しており、膝を生かそうとすると脚が痛くなって耐えられない場合、事前に事情をお話ししておくと、そのことを考慮してくれる場合があります。その場合、審査申し込み用紙を提出する際の「備考欄」に記すと、了承を得られます(東海地区の弓道関係者の情報より)。

もしくは、初段・無指定などの比較的低い段の場合も、「膝を生かさなくても見てくれる」場合があります。まだ、初段や無指定の場合は膝を生かすこと自体が難しく、できない場合があるからです(大阪の弓道関係者の情報)。良くないのが「無理に上げようとしてかえって他の動作がぎこちなくなったり失敗をしてしまう」ことです。

つまり、跪坐で左膝がどうしても生かせられない場合、事情をお話しすれば許してくれる場合があります。

矢番え

弓の上部が右に流されすぎないようにする(神奈川県の情報)

弓を立てるときに、垂直に立てるのではなく右に流されないようにしましょう(15都道府県以上の地区の情報より)。

甲矢:乙矢の平行(ほぼ全ての連盟の情報)

左手で甲矢と乙矢を持つときは、平行にそろえるようにしましょう(ほぼ全ての県連の情報より)。

矢番え動作の右拳の動かし方は、(県によって相違あり)

矢番え動作で右拳の動かし方については、事前に地方の弓道関係者に聞いた方がいいかもしれません。地方によって、教え方が異なる箇所があります。

千葉県の情報:右手を動かすとき、右肘を張るように意識する

別の千葉県支部、神奈川のある支部の情報、:無理に張る必要はなく、右拳が横に動いていれば、自然と右肘は張れていると判断する

大阪の情報:右手首が下にむいて手首の力が抜けた状態で取るようにする

微妙に右手の動きが違うようなので確かめるようにしてください。

弓を捧げ持ち、立ち上がる際の動作(県によって相違あり)

実際に審査員からいただいた審査要項用紙には、「肘は張らず円相に」と記されています。ただ、私が千葉県に所属していたときの講習会では、「両肘を張って立ち上がる」ように指導を受けています。この内容も県によって相違がありますのでその地区の先生に聞いてみてください。

足踏み

目線が下を向く(県によって相違する)

足踏み動作で、足がずれないように目線を下に向けてしまう人がいます。これは、無駄な動作と判断されてしまい、注意されやすいので、目線は下に向けないで行うようにしましょう。

しかし、これも県によって異なります。大阪、福岡の情報によると、武射系統の足踏みと称して、「目線を下に下げてもよい」場合があります。加えて、関東であっても高段者の中で「武射系統」で行っている関係者がいます。

ただ、基本関東は礼射系統で実践

ただ、足踏みの線がずれてしまう場合の対策方法は目線を変えることです。

イ、足踏みで自分の右足がどちらにずれやすいかを判断する

ロ、右足が体より前にずれやすい場合、足踏みの際に目線を真っすぐではなく、自分より前の的を見ながら足踏みする

ハ、右足が体より前方に出にくくなる

次のように行えば、足踏みの線は真っすぐに揃います。

ただ、例外があります。地方に寄っては足踏みを一足ではなく二足で行ってもいい場合があります。二足での足踏みは、目線を下に下げても良いため、可能であれば、使ったほうがよいです。その際は、取り矢の仕方が異なるため、注意してください。

胴造り

弓を本弭が内ももに入ってしまう(全部の弓道連盟の情報)

弓を構えるときは、弓の左膝頭につけるようにすると教本に記されています。本弭が内ももに入ってしまう方がいますが、そうならないようにしましょう。

それ以外に、袴のひだが弓の本弭に巻き込まれてしまう人もいます。この内容も最近指摘される人が多くなってきましたので、気をつけてみてください。

口、鼻、目が動く

審査員席から見ると、このような無駄な動きは目立って見えます。あまり動かさないようにしましょう。

これを対処したい場合、見る場所や意識を固定させるようにしてください。

目線→4メートル先を見るようにする(立っているときは前の人の袴板を見るくらいに、座っているときは前の人の背中の中心にする)
口→下を下歯につけてそのままにする

このようにすると、無駄な動きが減らせます。実践してみてください。

弓構え

両肘を張るようにする

弓構えの最中に、両肘が張れていないと注意されます。審査では、両肘が張れていない状態は気が抜けていると判断されてしまいます。意識的にかるく張るようにしてください。

弓と弦の間が体の中心を通る(一部の連盟で相違あり)

弓と弦の間が体の中心を通らず、左側になっている場合があります。審査では、両腕を円形にして囲みむようにしてください。左腕が伸びて弓把が流れてしまうと、「円相になっていない」とお話しされます。

ただ、一部の連盟では、「左に流す」弓構えが適切と解説される範士の先生がいます(この先生は弓道誌にも載った経験があります)。その方が、左腕の血管が圧迫されないからです。そのように血管に滞りのない状態を作り、終わりのない状態を作るのは本当の「円の定義」にあてはまります。

実際に弓道教本二、三巻の大半の先生は、弓構えを左に流して動作を行っています。円形に囲む弓道家も確かにいますが、その方のほとんどは肘を張らずに円形に囲みます。そのようにしないと腕が無駄に疲労するからです。さらに、この弓構えをとる先生が審査員を行っていた時代、そのように弓構えをとっていなかったら減点にしていた情報もあります。

しかし、その連盟に所属する関係者から聞いたところ、この雑誌に載っている範士の連盟ですら、この弓構えの考えは浸透していないのが現状らしいです。具体的には、その先生が指導をやめると、別の教士、錬士の先生がその弓構えを直させるようです。

打ち起こし

弓と弦の間が体に通るようにする

正面打ち起こしでは、弓把が体の中心を通るように打ち起こします。実際の射の動作では、打ち起こしする際に弓把が左側に寄ることがあります。注意されたら中心を通すようにしましょう。

打ち起こしで中心に通す方法は、弓構えで弓手を内側に向けるようにしておくことです。弓構えで少し弓手を内側に向けるようにしてください。左手は、大三で的方向に動かす癖がついているため、どうしても的の方向に無意識に流れやすいです。この無意識の動きが「左右対称に動作できていない」と判断されるため、注意されます。

左手が高くなりすぎる

次に、左手が高くなる場合があります。これは、手の内の形を作るときに指に力を入れるからです。

審査においては、「三指をそろえる」手の内を作ります。ここで指先をそろえようとすると、指先に自然と力が入り、手の甲の筋肉が縮ます。手の甲の筋肉が力が入ると連動して腕と肩にも力が入ってしまい、左腕が突っ張りやすくなります。その結果、両腕が左右の高さ均等に上がりにくくなります。

対策方法としては、左手の力を抜くことが挙げられます。三指をそろえるときは、「形を作る程度には力を入れる、それ以上は入れない」と意識してください。そうすれば、無駄な力みが入らずに打ち起こし動作ができます。

大三

矢束半分が適切な場合と手の内の完成とで意見が別れる(県によって相違あり)

大三では、地方によって適切な撮り方の基準が変わります。

まず、千葉県他4県の情報では、大三は「矢束半分にとる」ように解説されます。なぜなら、残り半分の矢束を残すことで、左右均等に力がかかっているように見えるから(実際はそうではない)だそうです。千葉県の会長が講評をする際に矢束半分ができていないことで四段受審者を落としたと解説した時もありました。

しかし、神奈川県、福岡県その他3県の情報では、大三では大きめにとるように推奨します。理由は、広くとると左手を的方向に向けやすくなり、親指と弓とで十文字形を作りやすいからです。大三が狭かった場合、その場で左手をつかまされて親指を的方向に向けるように指導される先生もいます。

あるいは、右肘の位置についても相違があります。県によって、「額の前縁付近で止める」ように言う人もいれば、「額の前縁から少し流す方が」良いと考える先生もいます。矢束半分を良いと判断する先生は額の前縁で止めるように解説します。大三を広めに取らせる先生

この時の審査員の良し悪しを決める方法があります。「腹が出ている審査員は大三が広め、普通体格の人は矢束半分」が好みです(射法正規、心月射儀より根拠あり)。もし、審査を受ける時に胴が太い人、そうでない人によって好みや良し悪しがあると判断して稽古してみてください。

中には、この間をとって左手首を外側に強く曲げて「矢束半分取りつつ親指と弓の十文字を作れば良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。それは物理的に難しく、そのようにすると高い確率で左手に力が入ります。形で指摘されなくても的中率は非常に低下する危険がありますので、気をつけるようにしてください。

引き分け

三重十文字を見られる(ほぼ全部の連盟の情報より)

弓を引き分ける際に、左右の拳が均等に降りてるか、矢が降りているかと言う「平行」を気にするのはもちろん、「両肩」がずれていないかは気をつけるようにしてください。左肩が上がっていると、三重十文字ができていないと判断され減点される可能性があります。

右拳の位置は相違あり

右拳の位置は、地方の連盟によって相違がありますので、気をつけるようにしてください。

まず、弓道連盟の全国の審査統一基準(地方審査のより詳細に記された者)をお持ちの弓道関係者に聞いたところ、「右拳の位置は右肩の上にくること」と定められているようです。しかし、地方審査もしくは中央審査であってもこの基準が守られていない場合があり、右拳の位置がずれていても普通に合格している人がいます。

まず、千葉県の関係者に聞いたところ、右拳を右肩より上に置くと「引きすぎ」と判断されます。しかし、岐阜県、静岡県の関係者に聞くと、右肩の上に右拳を置くと「しっかり引けている」と判断される

右肘の位置も相違あり、だいたいが下向きを良いと解釈される

なお、右肘の位置については、「基準の詳細はなし」のようです(審査統一基準をお持ちの関係者の情報より)。したがって、右肘の位置を後方に入れても問題ない場合と、そうでない場合があります。

しかし、大部分は右肘を下に向けた方が良いと考えられています(半分以上の地方の弓道関係者より)。理由は、右肘を肩より後方に入れてしまうと、「引きすぎ」と判断されるからです。あるいは、三つ弽の高段者の場合、肘を下向きにした方が良いと思われやすいです。

もし、四つがけにしてしまうと、右肘を下に向けると離れ動作が非常にやりやすくなります。しかし、三つ弽を使用したことがない高段者の場合、このような事情を知らないので、四つ弽であっても、三つ弽のように肘を下に向けるような指導をしたり審査の判断をします。

ちなみに、私が連盟の審査を受けていない理由がこれです。人の骨格に合わない引き方を「良い」と何も根拠勝手に解釈

ここまでは、一つ一つの問題を容易に解決できるでしょう。次に引き分けの問題を解説していきます。引き分けの問題は想像以上に難しいです。なぜ、できないかをしっかりして動作を行うようにしてください。

審査の基準は県によって違うのは事実、だから批判をするな

ここまで記した通り、弓道連盟の審査基準は県によって大きく違います。矢番え動作の仕方から大三まで

なお、弓道関係者の中には、このように話される人がいます。

・審査を落ちるのは体配が甘いからだ

・ちゃんと先生の言うことを聞いて、実践をしていれば審査は受かる

このような、実態から離れた意見と批判をするのは構いませんが、いい加減に「実際の調査」に基づいてお話をするようにしてください。まず、弓道連盟の審査は統一はされていません。審査基準も違います。それぞれの先生の考える

このような意見を言われている人の共通点として挙げられるのが「自分の所属している連盟」を基準にしていることです。全国周って本当に体配が統一されているか聞いてみてください。その内容は実態と大きくかけ離れており、とても公平かつ有用な審査とは言えません。

そのため、審査に落ちている方は体配動作が悪かった訳ではありません。審査にとって良いと思える体配をしなかったからです。このように、本人がどれだけ一生懸命審査の

不公平な審査であることの一例について解説します。一つ目は審査採点表の改ざんの疑いがあった話です。

とある近畿地方で昇段審査で試験を受けたAさん(イニシャルと本名は別)は

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