文献上、最も悪い手の内は「三指をそろえる手の内」である

こんにちは
理論弓道・コミュニティ管理者の
高橋大智です。

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よく、弓道の世界では

・三指をそろえましょう
・小指と親指をそろえましょう
・天文筋に弓を当てましょう

という指導があります。

これ全部やめてください。これをやめるだけで弓が引きやすくなり、
よく押せるだけでなく、的中率が上がる可能性もあります。

この理由について解説していきます。

■文献上、「三指の手の内」は最も最悪な手の内である
このように、協調している理由は、
三指をそろえる手の内は、
弓道の古文書の中で
最悪な手の内と解説しているからです。

弓道教本の原文にある「射學正宗」の弁惑門には
「中指、無名指(薬指)、小指にて握る小鷹爪という」
と記されており、この小鷹爪の手の内は、

ただきつく握るばかにてはゆかんということの合点がない
(きつく握っても良い方向にいくための合点がないため)

おろかなるものは細を深く検議することならず、我慢者は、
早く物を仕付くる気ばかりある故、考える隙なし・・・
五法も射方も無用のことと思い、射を学ぶに及ばなきにてはなきということ

と記載があります。
一応、書いておきますが、三指をそろえる手の内を行うと、
指を曲げる「屈筋」という言う筋肉を使わないといけないため、
高い確率で弓を握ってしまいます。

そうすると、深く弓の引き方が勉強できなくなり、

100年以上も前から現代弓道で実践される
手の内は否定されているのです。

なぜ、三指をそろえる手の内がよくないかの理由は
上押しがかかりすぎるからです。

三指をそろえるためには、
薬指と中指を少しだけ弓から離すように曲げて、
小指をそろえる必要があります。

次に、小指とできるだけ三指を寄せて
親指を中指につけます。

実際に行うとわかりますが、
三指をそろえるのを意識した後に、
親指を中指につけると親指の付け根の筋肉が硬くなるのがわかります。

なぜなら、三指をそろえると、
指と弓が強く当たりすぎてしまい、
皮膚へかかる圧力が強くなり、
その刺激が脳に送られるからです。

すると、脳に「拳を握りなさい」という命令が
筋肉にかかるため、強く握ってしまいます。

この反応をできるだけ抑えないと、
次の大三へスムーズに移れない、
弓を最後まで押せない
離れで拳がぶれるといった問題が起こります。

そのため、射學正宗含め、数々の文献では
軽く握ることを推奨しています。

射學正宗弁惑門9章より
「弓を強く握りすぎるから左肩が上がり、射が崩れる」

弓道教本二巻 高木範士
「種々の教えがあるが、要は弓を固く握りすぎないことである」

■手の内を誤解するとバカを見る
さらに、弓道の文献には、
手の内に関して奥深い内容が
記されています。

弓道の世界で手の内を学ぶ理由は
「形をキレイにするため、的に中てるため」
と記されています。

実際に、全弓連の審査基準に
離れの項に「弓と手がずり下がらないようにすること」
「弓手が下に落ちないこと」の二つがチェック項目に
記されています。

ただ、前述のように、
これを意識して、左拳に
力を入れる引き方が身についてしまうと、
左肩に負担が増大して余計に弓が引けなくなってしまいます。

このように、手の内の形を整えること=キレイな射、
的中につながると思考するのは、
意味がないどころか弓道の修行にならないとも
解説される先生もいます。

心月射儀の開祖である梅路見鸞師は
「手の内を的中と因果とするのは小技法に過ぎない」
と記されています。

同様の記載が日置流の古書にも記載があります。
この日置流の古書には、手の内を学ぶ本当の意味が
解説されています。

■なぜ、三指をそろえる手の内はメジャーになってしまったのか?
先ほどお話しした通り、
三指をそろえる手の内は
文献上最も悪い手の内と解されています。

それを記載した射學正宗の中には、
他にも二つの弓の握り方を解説し、
その上で「小鷹爪(三指を曲げて握る手の内)がよくないと
解説しています。

では、なぜ三指をそろえる手の内は
文献上良くないのに、メジャーになってしまったのでしょう。

理由は浦上栄氏の文献の影響と
強く考えられます。

■浦上氏だけ、教本で上押しを強調している
弓道教本を見ると、ほとんどの先生は
中押しの手の内を行うように解説されます。

中押しの手の内とは、会の最中に、
弓が手の中に収まり、手首が上下左右に傾かない手の内です。

この手の内を作るためには、

「会で天文筋に弓がつくよう」にしないといけません。

もし、弓構えの段階で天文筋につけると、
次の大三で弓が手の中で食い込みすぎてしまい、
人差し指と親指の間が強く当たりすぎる上押しになります。

しかし、浦上栄氏の文章を見ると、
弓構えの段階で、天文筋に弓を当てて、
三指をそろえるように解説されます。

他の方は「三指の内、薬指と中指は開ける」
「要は固く握りすぎないこと」
「徐々に弓が手の中に入りしまっていくように」と
少なくとも、三指をそろえさせ、天文筋に中てさせるようにしません

この天文筋に弓を当てるようにすると、
人差し指と親指の間に弓が強く当たりすぎてしまい、
三指に力を入れる力が減ります。

そのために、「弓が適切に握れない」
「会で弓を握り返してします」
といった問題が起こりやすくなるために、指導する側は

「三指をそろえてしっかり握って」と指導します。

つまり、弓道の世界で三指をそろえる手の内が流行ってしまったのは、
弓道教本でたった一人だけ天文筋を弓構えの段階で当てさせる
浦上栄氏の内容を取り入れた結果、

人差し指と親指の間に強く当たって上押しになりがちになってしまうため、
これを抑える意味で三指をそろえる手の内が流行ったと考えられます。

■しかし、この手の内も正面打ち起こしには多様できない
ただ、ここまで記して結論をいいますが、
浦上氏の天文筋に中てる手の内は
正面打ち起こしには有効ではありません。

理由は、浦上氏は斜面打ち起こしだからです。

斜面打ち起こしの場合、左腕を斜め下に伸ばしたときに、
すでに手の内の形が完成されるために、
打ち起こし以降、左手と弓の位置関係を崩す必要はありません。

そのために、斜面打ち起こしの場合は、
弓構えで天文筋に弓を当てる必要があります。

しかし、正面打ち起こしの場合、
打ち起こしから大三で弓と左手の位置関係が変わります。

そのため、弓構えで天文筋に当てても、
次の打ち起こしで弓が天文筋からずれてしまうのです。

そのため、浦上氏は自分自身の手の内の整え方を
紅葉重ねの手の内と名前を付けて、それを正面に応用する方法も
合わせて解説されています。

それは、天文筋に弓を当てるという文章が記載されていません。

しかし、全弓連の指導の場合、斜面打ち起こしでの天文筋に
弓を当てる指導を正面でやらせようとするので、
大三で強く弓にあたりすぎて力が入ります。

そのため、どれだけ稽古しても左拳に
力が入り、離れで左拳がぶれます。

今回お話ししたように、手の内の整え方は
弓を大きく適切に引くために必ず勉強しなければいけません。

しかし、その内容は、全弓連の内容を行おうとすると、
かえって下手になる危険があるので気を付けてください。

なぜなら、全弓連の指導者の中には、
斜面打ち起こしでの手の内の整え方を正面で
行わせようとする方がいるからです。

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