うまく打起こしができない場合に考えられる4つの原因と対策方法

打ち起こしは射の実力にかかわる大切な動作であり、上達するためには「すくい上げる打ち起こし」を覚えるのが大切を解説しました。

すくい上げる打起こしを身に着けると射の上達度が向上する

ただ、このようにお話してもすくい上げる打起こしを覚えるのは意外に難しかったりします。その理由は、使用している弽や経験年数によって腕を高く上げられない場合があるからです。

これらの内容を理解しておくと脇下の筋肉を効果的に使える打ち起こしを実現できます。うまくできない人はチェックをしてみてください。

脇下からすくい上げる打ち起こしをしずらい弽を解説

弽によって、すくい上げる打起こしがあります。シンプルに言うと、「控えが硬い弽」「人差し指と親指の間が狭い弽」「親指が真っ直ぐに向いている弽」です。

この二つはすくい上げる打起こしがしずらいかもしれません。なぜなら、高くあげようとしても、手首が動かしずらく、肩に力が入ってしまうからです。上に紹介した三つの弽は、多種ある弽の中でも極めて手首が動かしずらい弽です。

 

そのため、高くあげようとすると、手首が上に向きすぎてしまうため、次の大三動作がしずらかったりやこぼれが起こったりします。

かといって手首を曲げようとすると今度は肩に力が入ってしまったりしてうまく行きません。これは本人の実力不足でできないのではなく、単純に使っている道具のせいでできていないとも言えます。

この時の解決方法は手首の向きを変えることです。

弓構え動作をする際に、手首を内側に向けると、「手首が曲げらず、かといって曲げようとすると手首が痛い」といった問題が起こります。しかし、ここで手首を外側に向けます。すると、打起こしを高くあげても両肩関節が上がりにくくなります。

手首を外側に向けると、親指の向きと位置が変わって上げやすくなります。

人差し指と親指の間が硬い弽についても同様です。二指の間が硬い場合、高く打起こしすると硬い部分で矢筈を押してしまい、筈こぼれが多くなります。これも右手首を外側に曲げると解決できます。

こうすれば、すくい上げる打起こしで大切となる「肘の角度を45度以上上げる」ことができるようになります。ぜひ、実践してみてください。

最初の内は、両肩が上がっても良い

次に、打起こしで肩が上がってしまう例として、「初心者の場合」です。経験年数が浅い場合、高く打起こしをしても、肩が上がってしまうことがあります。

この場合の対策方法は、気にせず何回も高く腕を上げる練習をさせることです。これは単純に慣れの問題です。

腕を上に上げる動作自体に慣れていない場合、いくら上半身の力が抜けて真っ直ぐに立てていても力が入ってしまう場合があります。この場合、肩が上に上がってもいいので、高くあげさせましょう。その上で弓を大きく引かせてください。

理由を解説します。たとえ、肩関節が上がっても、大きく引こうとすれば後で下がってくるからです。単純に弓を持って腕を上に上げる動作に慣れていないために、肩が上がっているのです。その場合、腕が下がれば肩も下がります。

もちろん、弓の反発力を受けきれなくなって肩が上がったままで弓を引き下ろしてしまう場合もあります。しかし、これは弓のkg数を減らすことで解決できます。

意外と思いますが、単純に腕を上に上げる動作はしずらかったりします。これは、私たちの普段の生活で腕を上に上げる習慣が減ってきているからです。昔であれば、高い物をとったりする際に腕を上にあげたり、普段の労働で腕を使っていました。しかし、機械やPCでの作業が増えて、腕自体を動かす機会が減っています。そのため、弓を持って上に上げる動作すら、最初は行うのに無意識に力が入ってしまうことがあります。

その場合は、何回も高くあげさせれば良いです。弓を高くあげさせれば、高く上げることに慣れてだんだん肩の力が抜けてきます。そうすると、仮に年齢を重ねて低い打起こししかできなくなっても腕に大きく動かしている分、そこから弓を大きくひくこともできます。

なお、低い打起こしをしている場合、一生うまくなることはありません。低く打起こしを続ければ、高く弓を上げられなくなります。高い打起こしをすると違和感に感じるのです。なので、意識的に弓を上に上げるように意識してみてください。

太っている方はみぞおちを斜め上方に伸ばすようにしてください

つぎに体格の問題です。太っている人の場合、体格の関係上、そもそも腕を上方に上げることがきつかったりします。この場合、打起こしを高く上げることにこだわる必要はありません。

理由は、太っている方の場合、肩関節が内側に巻かれやすいからです。

太っている人は脂肪が前についているので、普通体格の人より骨盤が前に傾きやすいです。そのため、太っている人は骨盤を垂直に立たせるために太もも前の筋肉や背筋に力が強かったりします。しかし、年齢を重ねて背中の背筋に力がない場合、骨盤が前に傾いて背中が痛いので、肩関節を前に巻くことで背筋の張りを取ろうとします。いわゆる猫背姿勢になります。

こうすると、背中の筋肉は楽になります。しかし、腕が垂直に高くあげられないという問題が起こります。どのみち、高くあげられないことは腕関節の回転機能を阻害させる要因に繋がるために、対策を立てる必要があります。

その時の具体的な改善策を紹介します。

・最初の弓構えでみぞおち付近を立てるようにする

・打起こしは自分自身が上がるだけ上げるように意識する(無理に高く上げる必要はない)

・普段弓を持っていない時は、骨盤を垂直に立てて、腕を上方に伸ばす練習を繰り返す

このように意識します。これによって、通常より楽に腕をあげられるようになります。

太っている方の場合、「打起こしはひどく高く上げる必要はない」と考え、最初に楽に腕を上げることをを意識して弓を引くようにしましょう。

後は弓構えの姿勢が崩れているかも

上記に挙げた二つの例は道具や経験年数によってどうしても起こってしまう失敗です。しかし、それ以外ですくい上げる打起こしができないとすれば、「弓構え」に原因があるといっていいでしょう。

最初の準備ができていなければ、次の打起こしでもうまくいきません。ちょっと解剖学の話も交えてお話しますね。腕を上げる動作は腕だけではなく、本当は鎖骨周りの筋肉を使います。腕関節は肩ではなく鎖骨、胸の中心から生えてできています。つまり、鎖骨周りの筋肉が固まっていると、肩や腕関節も動かしにくいのです。腕は肩ではなく、鎖骨に繋がってる。これは弓道の世界で結構使う知識なので覚えて置いてください。

つまり、鎖骨周りが動きにくいと腕関節が動きにくくなるのです。その鎖骨周りの筋肉の動きやすさは、首の筋肉で決まります。首の筋肉、喉仏から鎖骨にかけて「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」が生えており、この筋肉が硬くなると鎖骨周りの筋肉が力みます。

つまり、首の前の筋肉が固まる=鎖骨周りの筋肉が固まる=腕の筋肉が固まるという図式ができるわけです。なので、打起こしで腕が上がりにくいのは、首の筋肉が硬いからと考えられるわけです。

それだけではなく、首の前についている筋肉は後ろの筋肉が縮んでいると伸びないのです。人間の頭蓋骨って後ろが重くできているのは構造力学上証明されています。なので、首の後ろの筋肉は圧迫されて縮みやすいです。そのままだと、頭が後ろに倒れるために、それを支えるために首の前(胸鎖乳突筋)が縮むのです。

ということは、首の後ろの筋肉が固まる=首の前の筋肉が固まる=鎖骨周りも固まる=腕も固まる→おワタという図式が出来上がるんですよ。なんだかパチンコの確変みたいですね。首の後ろの筋肉を伸ばす作業は胴造りに該当するため、胴造りで使う筋肉は打起こしにも関係するのです。

だから、打起こしでどうしても肩関節が上がってしまう場合、弓構えと胴造りもチェックするようにしてください!

・足裏の重心がきちんと均一に乗っているか?

・膝関節がピンと伸びていないか?

・背中の筋肉に力が入っていないか?

・胸の筋肉に力が入っていないか?

・肩の筋肉に力が入っていないか?

・腕の筋肉に力が入っていないか?

・両拳に力が入っていないか?

・呼吸はしずらくないか?

・的をみた時に肩関節をきちんと開いているか?

・的をみる時に目に力が入っていないか?

これらの内容をチェックしてみてください。おそらく、打起こしがしずらく感じる場合、どれか一つ間違いや失敗が発生している可能性があります。これらを確認したら、あとは徹底的に高くすくい上げ続けるだけです。

以上の内容を理解したら、すくい上げる打起こしを実践してみてください。どのような方も実践できるようになります。

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