離れにおける微妙な拳のブレを抑える体使い

弓道において、なかなか的に中らない事態が陥ることがあります。

こうした場合、多くの人は「手の内」であったり、「会」での右ひじの収まりを気にします。ただ、そうした手先や腕ではなく、意外なところに答えが潜んでいます。

 最も的中に関わるのは「胴体部」の筋肉
そもそもの的中に関わる大きな要素として「胴体」のブレがあります。つまり、矢を放つ瞬間に
「胴体」の骨格や関節が正しい据え方がされておらず、胴体部の筋肉が緊張してしまうのです。

すると、弓の反発力がかかると姿勢が崩れてしまったり離れの瞬間に拳がぶれてしまったりしてしまいます。

すると、矢ははずれます。

このような事態を防ぐ手法として、体幹部の筋肉に無駄な力みなく、なるべく関節だ立つように姿勢を作る必要があります。

 股関節の真下につく「骨盤底筋」とは
そのためには、ある「筋肉」に着目する必要があります。

それは、「骨盤底筋」です。

人の股関節の中心は穴になっています。そして、人の背骨の末端部には、「仙骨」と呼ばれる骨があります。

この仙骨からつながってこの穴を覆うように存在するのが骨盤底筋です。文字通り、骨盤の底についている筋肉です。

この筋肉は体内にある内臓器官を支える重要な筋肉です。動物は四足歩行のため、内臓器官を腹の筋肉で支えるのに対して、二足歩行の日本人は内臓器官を骨盤底筋で支えます。

この筋肉によって、ぼうこうや子宮、直腸などの臓器が下がらないように支えることができます。

もしも、骨盤底筋がゆるんでいると、股関節が地面に対して垂直に立たず、前や後ろに傾いてしまいます

すると、内臓や上半身の筋肉の支えとなる「股関節」自体がぶれてしまうことになるため、非常に立ち姿勢が不安定になります。

この不安定な状態を防ぐために背筋や胸周りの筋肉を使って支えようとします。

これによって、弓を引くときに、胴体部の筋肉が余計に緊張し、「姿勢の崩れ」として表面に現れます。

実際に当サイトの練習会などで、射を見る機会がありますが、ほとんどの人が股関節が不安定になった立ち姿勢になっています。

そのため、引き分けで体幹部の筋肉ではなく、腕や手先に力をつかって引こうとしてしまいます。すると、離れでぶれてしまいます。

そのため、内臓や筋肉に負担をかけにくい姿勢を作る際に必要な「骨盤底筋」を鍛えることが大切です。

 骨盤底筋を鍛える呼吸法
骨盤底筋はウェイトトレーニングようにピンポイントに鍛えることは難しいです。そこで、ヨガの世界では、骨盤底筋を意識的に使うための呼吸法が存在します。

まず、上半身を真っ直ぐに伸ばすために首を伸ばして肩を落とします。次に、下半身に無用な力を入れずに、息を吸います。

そして、息を吐くときに口から吐くのではなく、二つの動作を行ようにしましょう。それは、「肛門を締めること」と「おなかをへこますこと」です。

肛門の穴を締めるようにすると、少し骨盤が後ろに傾きます。そして、お腹をへこますことで
お腹につまった息が自然と口から吐きだされます。

さらに、へこませたお腹は息を吐くと同時に再度膨らみます。締めあげたお尻の穴も息を吐いた後にもう一度開きます。

すると、息が自然とお腹に入り、「息を吸う運動」が自然と行われます。このように、「肛門を締めあげる」「おなかをへこませる」ことによって吐く運動が行われ、「締めた肛門が開く」「おなかがふくらむ」
ことによって吸う運動を起こります。

ヨガの世界ではこの呼吸法を「グンバイ」と言います。

この呼吸方法を実践することで骨盤底筋に刺激を入れて、筋肉や内臓を支えるために働くようになります。さらにこの呼吸動作はリズミカルに短く吐く、吸う運動を20回程度行うようにします。

その後、上半身の力みが抜けるようになれば合格です。

すると、自然と上半身がリラックスして、下腹部に体重の乗った「丹田の姿勢」が構築されます。

このように、射においてブレナイ姿勢を作るためには、骨盤底筋を使う必要があります。

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