こんにちは、
今回も弓道の身体使いをもとに、「5秒で猫背が治る方法」について解説していきます。
これは、デスクワークでも普通の主婦でも誰でもできる「身体の仕組み」です。弓道を勉強すると、猫背を直す方法も容易に理解できます。ぜひ実践してしてみてください。
両足先を広げると、顎が引きやすくなる
その方法は「両足先」を広げてください。気を付けの姿勢のときに、両足先は60度程度開いています。これを90度以上、もしくは150度程度広げるようにしてください。
すると、猫背で立っている人は、体の重心が後方に補正されて、首が後ろに引きやすくなります。さらに両肩が下がり、上半身の力みが減るのがわかります。
デスクワークの方は、太ももをなるべく広げて、少しだけ浅く座るようにしてください。すると、顎が引きやすくなります。
これは、両脚を開くと太ももを外側に開く「外旋筋」が締まるからです。
人は200個筋肉があります。この中で一番衰えやすいのはお尻を締める筋肉です。この筋肉が低下すると、歩行障害になり、健康寿命が低下すると報告している論文もあります。
猫背は「背筋を正す」のではなく、「足」から直す
猫背を直す場合、無理して背筋を正すのはやめるようにしましょう。
背中に生えている筋肉は、私たちの胸にある「胸郭」を持ち上げることで背骨を上方に立てています。背中を楽に伸ばしているのではなく、背骨一つ一つをきつきつに詰めて伸ばしています。
背骨の周りには、あなたの生活のために必要な内臓に栄養素を送る「血管」が通っています。
友達とごはんを食べているときは「胃袋」を使います。ストレスがかかったときに仕事をするためには、「肝臓」でストレス耐性物質の原材料を作られます(これをコレステロールといいます)。こうした胃袋や肝臓には「血管」が通っています。
それを背筋を張ろうとすると、これらの血管を全て圧迫させてしまいます。そのため、非常に疲れやすくなります。
では、どうするか?背筋を伸ばすのをやめます。足を広げます。すると、前に傾いた骨盤が垂直に伸びやすくなり、「背筋が自然と伸びる」ようになります。
料理しているときに両足先をいつも以上に広げて立ってください。仕事しているときに太ももを広げて浅めに座って作業をしてください。こうすると、仕事している最中に顎を引いて作業し続けられるのが体感できます。
なぜ、ANAの客室乗務員は背筋はキレイ?
ちなみに、この理論はANAの客室乗務員における「正しい立ち方」でも応用されています。
写真を見ると、確かにスチュワーデスは足を広げて立っているのがわかります。足を広げることで、上半身が伸びたキレイな姿勢になるのが体感できます。
現代の人は、普段自然と足を広げて立つことの重要性が認識していません。もしも両足を前にそろえて立つと、身体の重心が前方に動きやすくなります。すると、骨盤が前に傾いて背中が張ります。
弓道では、2時間以上「外旋筋」を使い続ける
一方、弓道の世界では、2時間の稽古中、常に「足先を開いて」稽古します。なぜなら、お尻を締めて、骨盤を立てることで、上半身の筋肉がゆるみ、弓矢の操作がしやすくなるからです。
とは言っても、この動作、ほとんど負担をかけません。なぜなら、「筋トレ」のように負荷をかけているわけではなく、両脚を広げて、骨盤の角度を変えているだけだからです。つまり、ほとんど筋肉は使っていません。
もし、猫背を改善したければ、「背中を伸ばそう」としないほうが良いです。両足を広げてください。下半身から「姿勢がまっすぐになる」ように骨格修正をしてくれます。