胴づくりを行うもう一つの重要性

弓道の実力向上のためには古来弓道書籍を読み、弓の引き方を勉強する必要があります。そのためには、矢どころを安定させる必要があり、そのためには「胴づくり」をきちんと理解する必要があります。

 

まず、胴づくりでは、首の後ろを伸ばすようにします。教本一巻に「脊柱、うなじをまっすぐに伸び……」と記されているように、少し顎を引いて首の後ろの筋肉を伸ばすようにします。これによって、背骨に無駄な湾曲が少なくなり、の姿勢をとり方は首と肩を使います。

 

首を上に伸ばして肩を落とします。そうすることで、姿勢がまっすぐな姿勢を構築することができます。真っすぐになり、下半身に体重がズシっとのります。

 

ただ、胴づくりを行う理由は、単に姿勢を整えるだけではありません。弓道においては、姿勢をまっすぐに整える以外に、弓を押し開く動作を行わなければいけません。

 

そこで、胴づくりにおいては、姿勢を構築する以外に弓を引くために必要な筋肉を意識させることができます。こうした内容を学ぶことで、あなたが弓道を行う際に必要なことを明らかにできます。この姿勢を取ることで、体内の筋肉に胴造りの行う意味は筋肉の観点からも良い影響を与えます。

 

ここでは、胴造りを行うことで働く筋肉とその利点について解説していきます。

 

胴造りをすることで前据筋を働かせる

人間の体には首の後ろから肩にある「僧帽筋」と、肩から腕の表側に「三角筋」があります。

 

この筋肉は肩を動かすときに働く筋肉です。通常、私たちは肩を動かすとき、働く筋肉は他にもあり、「前据筋」がそれに当たります。この筋肉は前に何かを押すときに使われる筋肉です。肩が上がらないように肩甲骨を動かすと、この筋肉が働きます。

 

「前据筋」は弓道の引き分けや会において重要な役割を持っています。通常、大きく弓を引こうと思うと肩や腕が力んでしまいます。しかし、前鋸筋を使った射を行うと、そうした力みをなくして今より深く弓を引きこむことができます。

 

前鋸筋の役割

では、前鋸筋は弓道においてなぜ重要なのでしょうか?この理由として、前鋸筋は、弓を引く動作において、最もゆがみやすい関節の部位のぶれを抑えることができるからです。

 

まず、弓を押し開く動作は、全身の筋肉に負荷がかかります。そこで、弓を押し開く際に、最も関節がぶれやすいのは、胸部と肩関節です。この理由は胸部、肩関節に分けて解説します。

 

まず、胸部は背骨の中で最も可動域が広い部位です。頸椎から腰椎、すべてで24個ある背骨のうち、可動域が狭いのは腰椎です。次に、体をねじったり、傾けたりするのは胸部の背骨である胸椎です。さらに、胸には心臓や肺といった呼吸や心拍数に関わる部位があります。つまり、胸部は関節のねじれが起きやすく、身体の緊張に関わる部位です

 

次に、肩関節は打ち起こし→大三→引き分けにおいて、腕がダイナミックに動きます。肘が肩を中心に後方に回転運動が起こり、肩関節も回ります。少しでも押す方向が間違っていたりすると、肩関節の回転運動がうまく行われず、腕や肩に力みが生じます

 

これ以外に、身体の仕組みに基づくと、胸部にある臓器に強い緊張が走ることで、肩や腕の痛みを伴うことがあります。これを、「関連痛」ともいいます。この関連痛を引き起こすのも、弓を押し開く動作の際に胸部に強く負荷がかかるからです。

 

もし、肋骨の下部の右側にある肝臓、胆のうに関係する神経が弓の反発力によって圧迫されたとします。すると、関連する部位である右肩に痛みが伴います。このほかに、心臓に強く圧迫や負荷がかかると、関連する部位として左の上腕があります。こうした臓器と痛みの関係を知ることで、弓を引いていて起こり得る症状の原因究明となりうるので、理解しておくようにしてください。

 

このように、弓を引く動作において、胸部と肩関節は最も歪みやすい関節であるといえます。さらに、右肩や左腕に関係する臓器も存在しているため、無駄な緊張は極力なくすことが重要です。そこで、大切となるのが「前鋸筋」です。

 

前鋸筋は、解剖学的に肩甲骨を前方に開くように働く筋肉です。もし、前方に肩甲骨を開くように姿勢をとったとします。すると、肩関節の可動域(動く幅)が狭くなり、左右に押し開く運動がしやすくなることがわかります。

 

そこで、肩甲骨を寄せるように姿勢をとったとします。この場合、肩関節の可動域が広くなるため、腕は動かしやすくなります。しかし、実際に行うとわかりますが、肩甲骨を寄せると、背骨と肩甲骨の間が窮屈になります。すると、耳から肩についている僧帽筋が強く緊張しすぎてしまいます。すると、弓を引くときに肩が上がりやすくなります。

 

もし、両肩が上がってしまうと、弓を左右に押し開いていくときに、僧帽筋や三角筋といった肩、腕関節に強く負担がしいられます。これは、教本一巻に記されている「横線」に関係する関節のうち、胴体部に位置する関節ではなく、腕に関係する部位に負担が多くかかっていることがわかります。

 

もし、前鋸筋が働かなければ、両肩が下がり、左親指付け根から左ひじ、左肩、胸の中心、右肩、右肘の6つの部位が弓を押し開く運動に働きません。特に、胴づくりの姿勢を適切にとれていないことで、両肩の可動域が制限されないため、弓の加重がかかると姿勢が崩れてしまう可能性があります。

 

すると、矢も狙った方向に飛びません。胴づくりを意識することは、単に背骨をまっすぐに伸ばすことが目的ではありません。背骨がまっすぐになり、両肩を落とすことで、肩甲骨を前方に開く「前鋸筋」が強く働きます。これによって、肩関節のぶれが軽減されます。

 

弓を引く動作において、肩甲骨が開くように動かすことは、身体に負担なく、かつ大きく弓を引くために必要な条件といえます。

 

前鋸筋の重要性:アーチェリーから読み解く

「前据筋」はアーチェリーの世界ではオリンピックでメダルを取る選手に発達していることで有名です。

 

プロの射手たちは正確に狙ったところに矢を放つためには拳や腕はほとんど動かさず、関節を1、2センチだけ真横に動かすことで正確に矢を真っ直ぐに出すようにしています。このとき「前鋸筋」が働きます。

 

「胴づくり」は肩を落とすことで、僧帽筋、三角筋を緊張させず、楽にします。前鋸筋を働かせる準備をするのに重要な動作です。

 

日常生活では、私たちはこの前据筋を使わずに、無意識に、僧帽筋や三角筋を使って、肩を動かしていることが多いです。これらの筋肉を使うと、肩に力が入ってしまいます。

 

もし、打ち起こしおこしをするときに、弓と一緒に肩も上がってしまう人は前鋸筋の張った姿勢はとれているでしょうか?もし、あなたの骨盤が前に傾いている場合、胸が張り、前鋸筋が縮んでしまうため、肩にある僧帽筋が強く働いてしまいます。このような姿勢で稽古を続けていると、やがて右肩や左肩、左腕が痛くなってきます。どんどん弓が引けなくなり、やがて矢が的に届かないくらい矢勢が弱くなります。

 

そのため、胴づくりにおける前鋸筋の重要性を理解し、稽古するようにしましょう。この胴づくりの肩を落とすことで僧帽筋と上腕筋に必要以上に力が入らないようにします。

 

もし、引き分け中に前鋸筋を強く意識したい場合、会で左肩を意識的に落とすようにしましょう。肩根が下がることで、左脇下の筋肉が強く張ります。そこから、さらに的方向に押し続けることで、弓の反発力を最大限に起こすことができます。

 

弓道で長く稽古を続けていくためには、胴づくりの重要性を理解する必要があります。そのための一つとして、前鋸筋があります。前鋸筋の働きや重要性を理解することで、会においての両肩のぶれが少なくなり、矢どころの安定につながります。さらに、左右へ押し開く力が強くなることで、より強い弓の反発力を生み出すことにつながります。

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