理想の離れに近づけるための会の条件を理解する

離れの運動は矢を真っ直ぐに狙い通りに飛ばすことが目的です。そのため、正確に矢を放つためには、その前の会の形が適切に収まっていなければいけません。

 

ここでは、キレイに離れを出すための会の条件を範士の言葉を引用して解説していきます。
 
 キレイに離れを出す会の条件
会と離れは仏教用語の「会者定離(えしゃじょうり)」から来ているものです。両者は関係しています。したがって、適切な離れを出すために、直前の会での準備が大切です。

 

教本二巻の浦上範士は適切な離れを出すための会の条件として5つ挙げています。その中には「矢束」「狙い」「口割り」「スピード」「会での押し動作」が含まれます。
 
離れの時機として
一、相応の矢束を過不足なく引き納め
二、ねらいも前後上下なく正しく的につき
三、頬付(口割)に高低厚薄なく
四、左手、右手の納まりにも遅速なく
五、「伸び合い」は左手、右手ととも矢と一直線に長短なく

この五つが一致することが必要条件で、この一致を欠くとき、大切な離れの時機をためらうことになり、その結果は自然の離れになって表れない

この五つの条件が一致した場合、たとえ矢束が不足していても、中りはずれに関係なく、ためらわずに離れるべきで、それは離れの時機に至っているのである。〜浦上範士〜

 

5つの条件を適ったとき、矢筋に拳が動く離れが完成します。会で両腕の押し動作が負担なく行われ、力強い離れを生み出します。たくさん条件があるように思いますが、一番最初の「矢束一杯に引く」ことが重要になってきます。これができなければ、狙いも変わり、口割りもつかなくなるからです。

 

初心者に限らず、全力で弓を引くことに注力し、会で両腕、胸周り、の関節一杯に矢を働かせることが大切です。この意識が途切れると、やがて会での押し動作が弱くなり、離れでゆるみます。

 

 離れの強さを確認する左腕の動き

さらに、会で矢束一杯引き収め、十分に左右に押し続けたなら、離れの動作を行います。しっかりと矢束がとれていれば、矢がまっすぐ飛ぶ射を実現することはそう難しくありません。

 

ここで、離れが強く出たかを確認する方法があります。それは、左腕です。左腕が離れたときに後ろのやや下に飛びます。

 

この理由は、弓を押し開く際、弓と矢の力の方向は体にむかって「ななめ下」にかかるからです。会において、弓と矢の動きは打ち起こしの位置から体に向かって口割りの位置の方向に動きます。頭が邪魔しているために、わかりませんが、実際に頭がないと仮定すると、弓と矢は首の位置まで進んでいきます。

 

この運動が適切に起こり、離れに至ったときは左腕も同時にななめ下の力がかかります。これによって、左腕が後ろに動きます。結果的に、両腕を大きく開いた形になり、大離れになります。

 

左右の拳の動く大きさは、初心の間はなるべく大きく開く方がよい。左拳は会の時の位置よりも前方に出ることなく、上がることなく、そのまま後ろ下方口→左肩方向へ動き、右拳は会の時の位置より前方を通らぬよう、上下せぬよう、左方へ緩まぬよう、そのまま直ちに右後ろ下方の方向へ軽く大きく開くようにする。〜高木範士〜

 

なお、意識的に後ろ下に動かすのではありません。会ではその方向に押す意識を持たず、離れで結果的に「左腕が後ろに動く」ことが正解です。「ななめ後ろに押す」のではなく、「ななめ後ろに動く」ように力の方向づけを意識することが大切です。

 

これによって、右腕も同様の動作を取ろうとします。これを「身体の一致運動」と呼ばれます。矢束一杯に引き込み、十分右肘が後方に回ると、離れで背後の方向に動きます。これによって右拳が矢筋の方向を通り、矢はまっすぐに飛びます。

 

両肩の骨(S)を支点とし、このSを含む水平面と頬づけのところの矢(P)よりの垂線との交点をPとし、Pを含む水平面とSよりこの平面への垂線との交点をS’とすると、会のときには力はPS’とPP’の二つの力の合力の方向、すなわちPSの方向に働いて釣り合っていることになる〜高木範士〜

 

 

 

弓は打ち起こしから力を加えつつ引き寄せられて来て、体勢的には肩の線まで行きたいところを、頭のために妨げられているが、力の方向はなお後ろに進んでいなければならぬはずである。

 

良射の人の離れに、左腕が後ろのやや下に行くことは衆知のことである。左腕が開落する時、十分後ろに廻りこんだ右腕は、右手が弦を放つ動作とともに、背後に向かって大きく開かれ、いわゆる左右一致運動が形成される。それは弓道家である以上誰しも認め、誰しも喜ぶ射法であるこは勿論である〜祝部範士〜

 

以上のことを理解することで、適切に会が収まり、キレイな離れに至ることができます。

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