取り懸けの正解は右拳の形ではなく、「姿勢」で決める

 

正しい取り懸け(右手の作り方)の仕方についての解説

今回は、取り懸けの作り方についての正解はあるのかについて考えて行きます。

 


取り懸けに「捻る方が良いか悪いか」の正解はない

よく、取り懸けでには、

「手首を捻るべきだ」「捻らない方が良い」

といったさまざまな意見があります。

しかし、結論から言うと、正解はありません。この正解ではないという言い方は「どのような形」でも良いという意味で言っているわけではありません。

手首を捻るかどうかという技術的な議論よりも、もっと大切なことがあるということです。

それが姿勢を整えること

正しい姿勢を作れば、自然と正しい取り懸けが生まれ、無理なく弓を引くことができるのです。


取り懸けで重要なのは姿勢である

どんな取り懸けであっても、体の姿勢が正しく整っていることが最優先です。

なぜなら、姿勢を伸ばせば、右手や手首に余計な力をなくすことができるからです。

例えば、胸とお腹を伸ばすようにしてください。一番のおすすめは大の字に伸びること、

両脚と両手を左右に伸ばしてください。その後、お腹と胸の筋肉を開き、頭頂を高く伸びてください。

そのあとに、取り懸けの形を作ってください。すると、親指や手首の力みが抜けてませんか?

これが、取り懸けの本質です。

胸を開き、胴を引き上げるようにすると、取り懸け時の右手にかかる圧力が減ります。

右手親指のこと、右手首のことを考えずに、姿勢を伸ばせば圧力が減ります。

お腹と胸の伸びで、右手の圧力が減ります。

つまり、取り懸けの右手の形云々を考えることが方向が違うのです。

重要なのは右手ではなく、姿勢です。

これは、弓と禅の思想である**「弓身一如」**(弓と体が一体となる境地)の考え方に通じます。

身体を自然に伸びた状態を作れば、弓と弦が無理なく自然に開きます。

そのつながりで右手の拳が自然に整います。

自分で右拳を無理に作り込もうとすると、逆に弓にかかる圧力が増し、射型が不自然になります。

つまり、拳の形は姿勢の結果として作られるものであり、意図的に作るものではないということです。

まとめ

取り懸けで大切なポイント

  • 手首を捻るかどうかは重要ではなく、姿勢が最優先です。
  • 胸とお腹を伸ばし、正しい姿勢を作ることで右手に余計な力が入らなくなります。
  • 「弓身一如」の考え方を取り入れ、姿勢の自然な流れの中で取り懸けを作りましょう。

明日から実践すべきこと

  1. 胸とお腹をしっかりと伸ばすことを意識する
    → 姿勢を整えるだけで、右手の力みが減り、自然な取り懸けが作れるようになります。

  2. 右手や指先に意識を向けず、全身の動きに注意を払う
    → 手首や拳に力を入れず、流れの中で自然に形が作られることを感じましょう。

  3. 「弓身一如」を意識して、体と弓を一体化させる
    → 姿勢の伸びが弓の動きと連動し、スムーズな引きと離れが実現します。


取り懸けは単なる技術の一部ではなく、体全体の動きと密接に関係しています。姿勢を見直し、自然な動きの中で取り懸けを完成させることで、より安定した射型が得られるでしょう。

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