小笠腹流「上重」の教えから、体に凝りのない胴を理解する

小笠原流の射法書に「上重」の教えがあります。これらは、肛門に注目し、安定した胴を身に着けるための考え方を説明したものです。

肛門に注目することで、胴を安定する感覚を得ることはできます。しかし、実際に弓を引く動作に活かすためには、この言葉や意味を正確に理解する必要があります。

ここでは、胴づくりを整えるための「上重」の教えを理解し、実際の稽古に活かすために筋肉に凝りのない胴の作り方を解説していきます。

 「上重」の教え
「胴より頭まで黒縄を下て大木を大地に植えたるようにすべし」というもので、どっしり垂直に胴づくりして、足踏みの重々しさに劣らない胴を作りだせという意味です。頭までしっかりした胴づくりを整える方法として、「身の詰」の伝に「穴をよくしめよ」という教えがあります。これは。肛門を締めることです。
 
 肛門を締めるようにすると弓が引きにくくなる
この教えは穴を締めるように説明していますが、実際の動作でお尻を締めるようにして弓を引くと上半身のブレを抑えようと頑張れることがわかります。

ただ、実際にこの動きだけを取り入れようとすると、弓を引きにくくなります。特に女性のように筋肉が少ない人はただの力みになってしまう可能性があります。

つまり、「肛門を締める」のではなく、別の解釈をしなければいけません。そのときに大切なことは上半身の筋肉に無駄な力みを取り除くことです。

上半身の力みを取り除くことで、上体の重みが胸や背中ではなく、腰の中央に乗ります。すると、重みが結果的におへそより少ししたくらいに感じ、気持ちや意識が太ももの付け根に集中します。

このように、太周りに重みを感ずる感覚が「肛門を締めるときのお尻周りの感覚」と似ています。しかし、弓を引くときには、お尻周りを意識しなければいけない煩わしさはありません。弓を引いているときに上半身が安定して引けることが確認できます。

胴づくりを整えるためには「肛門を締めるように」「お腹が張るように」といった教えがあります。実際の稽古に活かすためには、上半身の力みを取って、腰の中央に体重が落ちるように立ちましょう。自然と太ももの付け辺りに意識が行くことが体感できます。

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