弓の引き取りの動作は打ち起こしの動作同様に、弓を引こうとする一番の核となる動作のため、体の動かし方、左右のつりあいをよく勉強する必要があります。これらの内容を頭に入れておくと、引き分けで将来射形の崩れを防ぐことができます。
ここでは、将来、引き分けの射形を崩さないために必要な考え方を解説していきます。
三心相引
弓を引くにおいて、右手で弦を引き、左手にて弓を押します。
ここで、左手、右手で大切なことは無用な力が入らないように取り懸けたり、軽く握ることなどがあります。ただ、最も重要なことは、精神です。
弓と弦とを左右に分けるには精神で相引する。つまり、三か所に心つけて引かないと、押し方が強くなりすぎる、引き方が強くなりすぎたりしてしまい、左右の平均を失う恐れがあります。
引取りにおいては三心相引という趣意にはずれて左右に強弱の差を生じてはいけないということです。弓を引くとき、左右対称に引こうという意識は少なくなってしまいます。これは、いくつか原因があります。
一つは、拳に無用な力が入らないような指の整え方や弓の押す方向といった合理的運用を知らないでやみくもに引くこと。あるいは、理屈で、こうしたらよくなるだろうと部分的に考えてしまうこと。
こうして、何もしらないまま引こうとすると精神的にイメージすることは「左右対称に引こう引こう」と思うばかりです。そうすると、左右対象にはならないです。
そこで、弓を押す方向や拳に無用な力を入れない準備を行ったら、後は左右対称に精神、イメージに任せるようにすることです。
三つの強弱
引き取りに三つの強弱というのがあります。三つの強弱とは強い所と弱い所生ずるため、そこを良く心得ないといけないということです。
三つの強弱とは手の内の強弱、体の曲直、抱え惜みの強弱です。
引取りの間において手の内が強かったり、弱かったりの差が生じないように体の曲直に注意して、又抱え込んで惜しむという念慮を去り、なるたけ強く強くと思って引き取ることが大切でう。
ここで、引き取りの加減を弱く弱くとしてしまうと、一つの災いを犯します。引き取りは、大きく大きく、強く強くすることが大切です。
そのため、気持ちとしてはどこまでも引けるように強く押す、開いていく必要があります。ここに、こうやって形をおさめようと考えが入ると射形は崩れます。
以上の内容を理解することで、引き分けの射形が崩れにくくなります。