弓道の射癖の中で、直すのが難しい「早気」という癖があります。会に入ると自分の意識と関わらず、離したいと思ってすぐに離してしまう病気です。
早気は精神的な問題から出ていると言われています。そのため、早気になる人は精神的に弱いとか、気合いが足りないと片づけてしまうことが多いです。
しかし、早気は精神ではなく、考え方や姿勢を整えることで、改善することができます。ここでは、早気を克服するために克服法をまとめておきます。
弓道の射癖の中で、直すのが難しい「早気」という癖があります。会に入ると自分の意識と関わらず、離したいと思ってすぐに離してしまう病気です。
早気は精神的な問題から出ていると言われています。そのため、早気になる人は精神的に弱いとか、気合いが足りないと片づけてしまうことが多いです。
しかし、早気は精神ではなく、考え方や姿勢を整えることで、改善することができます。ここでは、早気を克服するために克服法をまとめておきます。
さらに、早気を直すための具体的手法について動画化しました。本記事では、早気を直すための「心構え」「具体的に行うこと」「トレーニング法」についてまとめました。まずはこちらをご確認ください。
[youtube id=”FVSSX_IkeeE” align=”center” mode=”normal” autoplay=”no” maxwidth=”600″]心構え:的中を捨てる
普通の稽古をしつつ、早気を直していくのはとても難しいです。早気になったら、最低でも2週間くらい的を全部はずすつもりで稽古してください。
早気は的中率の高いときの早気が一番直しにくいです。これは口割についた瞬間に「ここで離せば中る」と反射的に思ってしまうからです。
確かに口割ついたときに「ここで離せば中る」と思ったときにぱっと離すと矢は真っすぐ飛びます。しかし、これでは調子中りなため、何日後には的中率も下がってきます。
すると単純に早気を直すときより、反射的に離す癖がついて離れないため射癖を直すのに時間がかかってしまいます。
なので、早気で的中率が非常に高い状態にあったら、条件反射で離してしまう癖をつけないようにあえて二週間くらい的中させないように離してください。
こうすることで、引き分けで「十 分に引いた」後に狙い目を合わせると言う習慣をつけるようにします。離したくなったら、「あぁ、やばい」と離したくなったら寸前で狙い目を5ミリ前にずらして前に飛ばしたり、後ろにしたりしてください。
行うべきことについてまとめる
次に、早気を克服するために、具体的に行うべきことについて解説していきます。実際に早気にかかっている人は一つずつ確認して、内容を取り入れるようにしてください。
親指根、下腹に力を込めない
足裏に体重を乗せるとき、親指根に力を入れすぎると早気になる可能性が高いです。これは、親指根に力を入れすぎると姿勢が出尻鳩胸の姿勢になりやすいからです。
この姿勢になると、会に入ったとき、胸周りの筋肉が緊張しすぎます。すると、射の最中に胸郭内の肺に取り込まれる空気が少なくなります。つまり、「呼吸が浅く」なってしまいます。
このように、呼吸がしずらくなると、弓を引いているときに精神的に「焦り」が起こってしまいます。その結果、早く離したくなってしまいます。
なので、早気を克服するには、引き分け~会まで姿勢をできるだけ崩さないようにしてください。具体的には、足裏の親指、ずっと首を伸ばし続け、肩を落とし続ける気持ちを持ち、足裏の体重は全体にかかるよう(土ふまず前縁辺りに乗せるとこうなる)にしてください。とにかく、下腹に力がはいらないようにすることです。
胸を前に出さない
早気になる原因は「会のときに胸が緊張しすぎること」にあります。なので、極力胸を前に出さない、胸を張らないことが大切になってきます。
親指根に体重を乗せすぎる、下腹に力を入れすぎることと同様に「胸を前に出しすぎないこと」を早気をまねく原因です。この三つの部分が緊張しすぎないように稽古をすると、気合いで直すよりはるかに早いスピードで早気を克服することができます。
取り懸け深く
もしも、早けになってしまったら、三つがけの場合は、中指の第三関節でかけ帽子を取り懸けるようにしてください。そうすると、引き分けをしても指先に全く力みが出ません。
そして、なるべく右拳は取り懸けで作った形を崩さないようにしましょう。初めての場合、握って右肘を自分の背中の後方に入れるように引き分けを大きくしてください。
ここで、多くの人は「取り懸けを深くすることで離れを出しにくくなるのでは?」と心配するかもしれません。
ただ、浅い取り懸けは指先に圧力が集中するため、拳を離しやすくなります。深い取り懸けは早気克服のためには、指先、手首の無駄な力みをとることが大切です。いつもより取り懸けを深めにして、深く拳を体に入れることを実践してみてください。
打ち起こし高く、そこから大きく開く
これは、引き分けを大きく引くためのアプローチです。なるべく打ち起こしは上げられるだけ高くしてください。打ち起こしを小さくしたら、引き分けを大きくすることができません。
引き分けで大切なことはスタート地点とその引き初めが大切になってきます。スタートは高く、最初の引き初めは真横に動かすように引きます。これにより、大きく体を割るように引くことができます。これが、スタート地点が低く、ななめ下に下がっていくように引くと、小さくおさまるような軌道を描いてしまいます。
そのために、「打ち起こしはなるべく高く、引きは大きく」を心がけることです。大きく引くために必要な拳の位置や引く方向を理解し、大きく開く引き分けを実践すれば、会は自然と長くなっていきます。
早気を克服するための筋トレ法
さらに、早気を克服するための筋肉を養うトレーニング法があります。以下の動画で内容を取り入れるようにしてください。
[youtube id=”Jsg7MKbTTOU” align=”center” mode=”normal” autoplay=”no” maxwidth=”600″]以上の内容を実践することで、早気を克服することができます。