的中率5割を目指すために必要な具体的な方法:胸が前方に出ないようにする

的中率を5割超えるコツは、胴造りにあることを解説しました。次に、胴造りで的中する射を構築するために、オススメの方法を解説します。

本記事では、「首と胸が前に出ない」ことの重要性について解説していきます。特に首と胸が出ないようにすると、離れの最後まで胴造りがぶれることなく、矢を放つことができます。この理由と体の仕組みから解説していきます。

肩がぶれる理由

弓を引いていて肩がぶれるのには、2つ理由があります。

1、頭が傾いている
2、胸が前方に突出している

頭が前に出ると、胴造りがぶれやすい

最初に、頭が傾くと姿勢がぶれます。頭部の中でも耳には、体全体のバランスを取るための三半規管があります。頭部が左右に傾いていると、平衡感覚に狂いが出てしまい、結果として胴造り全体が崩れます。

実際に、このことを体で試してみるとわかります。誰かに肩を持って左右に揺らされても、

弓道の世界では、「耳から垂直に落ちるように肩を下げる」という言葉があります。この文章には、頭部を地面に対して垂直に立てる意味が含まれています。

そのため、首の後ろを伸ばすようにしてください。軽く顎を引き、自ら頭部を上方に持ち上げるイメージです。首の後ろを伸ばし、肩を下げるようにして弓を引くようにしましょう。

胸が張って弓を開けない

次に、的に中らないもう一つの理由が「胸が張る」ことです。

弓を引いている最中に、腕や背中に力が入ってしまって、胸が張ってしまいます。すると、肩周りの筋肉を柔軟に動かせなくなり、腕を外側に動かせなくなりまし。矢の長さ一杯引けなくなります。

この問題の対処方法は、弓構え、打ち起こしで胸の筋肉をゆるめることです。

胸の筋肉をゆるめるの具体的な意味は、文字通り胸周りの筋肉をゆるめることです。

まず、弓構えの段階で左右の肩を下げて、そのまま腕を前方に伸ばしてください。すると、胸の筋肉を触ると、皮膚を楽につまめるくらいにゆるみませんか?呼吸も楽にはけるようになります。

解剖学的には、肩甲骨を開くという運動を行っています。

人体の脇周りには、肩甲骨を外側に開く役割を持つ前鋸筋があります。肩を下げた状態で腕を前方に動かすと、前鋸筋が働き、胸が前方に突出するのを抑えられます。それによって、胸筋の余計な張りがほぐれます。

この胸筋のゆるみによって、鎖骨周りが動かしやすくなります。つまり、弓構えで前鋸筋を張ると、次のうち起こしを行いやすくなります。

このように、呼吸しやすくなり、腕も上げやすくなったら、胸が出にくくなります。胸と首を後ろに引けば、より胴造りがぶれにくくなり、的中率向上に繋がります。

最後にうち起こしについてもコツを紹介します。うち起こしでは、真上ではなく、斜め上方向にすくい上げるように打ち起こしをしてみましょう。両手首の甲を外側に向けるイメージで、腕をすくいあげるようにします。すると、胸が前方に出ず、肩が上に浮き上がらずに弓を打ち起こすことができます。このように、弓を打ち起こす際も胸が前方に出ないように上げてください。

もし、不用意に肘を張って、打ち起こしを上げてしまうと、肩関節が浮き上がってしまい、胸の筋肉にも力が入ってしまいます。胸の筋肉を出さないように意識して、弓を構え、打ち起こすようにしましょう。

人間の背骨の中で首と胸はもっともぶれやすい

では、今回胴造りのぶれとして首と胸を挙げた理由は、背骨の中で最も動きやすい部位だからです。

人の背骨のうちで頚椎と胸椎はあらゆる方向に動かしやすい部位です。左右に傾けたり、回転させたり自由度が高いため、その分ぶれる可能性も高いです。

私たちが思う以上に、頭部を垂直に立てるのは難しいです。写真撮影のとき、カメラマンに「ちょっと顔が右に傾いているので直して」とか「左肩が上がっているよ」などと言われたことはないでしょうか?それだけ、普段の生活で頭は傾いているのです。これを正すと、姿勢のブレが軽減されるのです。

もし、頭部が左右に傾けば、耳も傾き、体全体が傾きます、それによって、矢が真っすぐに飛ばなくなります。このことを理解して、頭部を正しく立てるようにしましょう。

加えて胸椎も同様です。胸椎は、あらゆるスポーツで突出しやすい部位と言われています。加えて前方に出てはいけないと指摘されやすい箇所です。

ゴルフ、野球のスイング動作

スイングする際に胸が出ていると胸が開いてしまいます。すると、ボールをとらえる際に腕より先に胸が出てしまい、ボールを真っ直ぐにとらえられず右にスライスしてしまいます。

野球のスイング動作

野球でも同様です。スイングの際に胸を開かないように指導されます。もしも胸が開くと、バットが早い段階で前に出てしまいます。すると、手元で変化する球に対応しずらくなり、打ち損じや空振りが多くなります。極力胸が前方に出ないように、スイングすることが大切です。

ランニング

ランニング中に胸が前方に出ると、胸が張ったまま走ることになります。この状態が続くと、首から肩にかけた生えている僧帽筋が緊張してしまうため、肩が上がりやすくなります。その結果、肩の上下動が起こるようになります。その結果、走っていて疲れてくると、ランナーの肩は上下に動いてきます。

上記の現象は、そのスポーツの世界では常識と言われているくらいの教えであり、他のスポーツを見てわかるように「胸が前に出た姿勢」は極力やめた方が良いです。なぜなら、胸が前に出ることで、姿勢が崩れてしまい、体全体を最大限に動かせないからです。

弓道でも同様です。弓道の世界でも胸の張った姿勢は、安定した姿勢に持続的な押し動作を阻害します。離れた後に胸が張った状態になるのはまだ良しとして、引き分けや会の段階で胸が出ているのであれば、なるべく出さないようにしましょう。

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