足踏みの体重の乗せ方は足ではなく「首」を使う

足踏みの体重の乗せ方は足ではなく「首」を使う

 

 

足踏みの必要な要素として、「角度」「広さ」「重心」の三つがあります。この中の「重心」は、足裏のどこに体の重さに集中させるかを表します。

 

重心の置き方は次の打ち起こし、引き分けなどに影響してきます。足踏みは、胴づくりをするための土台となる動作です。みなさんは足踏みのときにどのように上体の体重を乗せているでしょうか。

 

本をみると、適切な重心の位置が説明されています。それらの説明は結果的には正しいのですが、真に受けると姿勢の崩れにつながります。ここでは、本に書いてある重心の説明によっておこる弊害と正しい足踏みでの重心の乗せ方について解説していきます。

拇指球に体重を乗せようとすると姿勢が崩れる

本に書かれてある重心の話を聞いて、足踏みを乗せると姿勢が崩れやすくなります。理由は「どうやってその位置に乗せるか?」という方法が書かれていないからです。そのため、多くの人は「足」を使って体重を乗せようとします。

 

よく重心の置き方は「拇指球に体重を乗せましょう」と指導されます。体をちょっと前に倒す感じにして、つま先にぎゅう〜って体重を乗せます。すると、つま先に圧迫感が残ります。あるいは「ひかがみ(膝の裏)を張ってください」と指導されます。この教えを受けると、自分で膝の裏をピンと張ろうとしてしまう人がいます。

 

このように、「足踏み」で意識的に拇指球に力をいれたり膝の裏を張ろうとすると、打ち起こし以降で姿勢が崩れやすくなります。例えば、手のつま先同士、親指と中指、薬指をギュッとつまんでみてみましょう。すると、手先だけではなく手首にも力が入ってしまいます。その結果、肘、腕の筋肉を働かせることができなくなってしまうのです。

 

そこで、「拇指球に体重を乗せましょう」の重心の乗せ方をします。拇指球の乗せようと、体を倒し気味にすると、圧迫されます。自然とつま先に力がこもる姿勢になります。

 

すると、つま先の力みに付随して足首にも力が入ってしまいます。そうすると、膝などの下半身の力をうまく使うことができません。つまり、拇指球に体重を乗せようと意識しすぎると、足首、膝周りの筋肉が固くなってしまいます。

教本には体重は拇指球に乗ると書かれています。しかし、教本の言葉の一部分を解釈して動作をするとかえって、射に悪い影響を及ぼします。

 

自分から、上半身を傾けて母指球に体重を乗せてみてください。確かに上体を前に傾ければ、母指球に圧力がかかります。しかし、この姿勢は背筋が強く張った反り腰の姿勢になりやすいです。弓道の世界では「五胴」と呼ばれる5種類の胴体の据え方があります。この中で背中が反った「反る胴」の姿勢になりやすいです。

 

もし、近的に適する「中胴」を構築したいのであれば、体を前に傾けて、自分から体重を母指球に乗せる立ち方をやめなければいけません。そのため、母指球に体重が乗る足踏みの姿勢とは、自分から乗せるのではなく、結果として母指球に体重が乗るものと解釈しましょう。

 

自然と拇指球に体重を乗せる「首」の使い方

そのため、足踏みの重心は自分で乗せるのではなく、自然と乗るように姿勢を整えることが大切です。そこで、拇指球に重心が収まる姿勢を作ります。まず、自分の首を上方向に伸ばしてください。次に首を伸ばした状態で、肩を楽に落とします。

 

 

すると、上半身に無駄な力みがなくなります。この姿勢を取ると、足裏全体に体重が乗るようになります。この姿勢を構築することができれば、近的の射において適切な「中胴」の胴づくりを構築できます。

 

古来弓道家の多くが、首を伸ばすことを重視している

教本二巻では、千葉範士、神永範士が足踏みの際に「項(うなじ:首の後ろ)を伸ばすこと」を説明に載せています。他の先生の中には、足踏みにおいて「天地高く」という言葉を引用しています。このような文章も、足踏み、胴づくりにおける頭部の位置を表現しており、できるだけ頭部を高くし、首の後ろを伸ばすことを説明していると強く推測されます。

 

さらに、心月謝儀の流派を作った梅路見鸞氏の射の説明を見ると、「頭居」と呼ばれる動作があります。これは、足踏み胴づくりにおける「頭部の据え方」を説明したものです。このように、足踏みでは、足の開き幅や両足の幅以外に、頭部の位置を正しく整えることも重要であるといえます。

 

その他に、宮本武蔵の五輪の書でも、「少し、おとがい(アゴ)を引いて、項を伸ばす」という説明文があります。このように、他の武道関係者であっても、適切な姿勢を構築する際に、「首の後ろ」を大切にしています。毎回の射で常に意識して、行うようにしましょう。

 

この状態で、弓構えにおける「両腕を円形に囲い込む」動作を行うようにしましょう。すると、ほんの少しだけ上体が前に倒れます。この結果として、自然と拇指球に体重が乗ります。なお、この母指球に自然と体重の乗った状態は射の最中、残身まで続けます。

 

さらに、足裏の体重の乗る感覚が変わります。自分で拇指球に体重を乗せようとすると、ほとんどがつま先に圧力がかかりすぎてしまいます。すると、踵が浮き気味になってしまい、足裏に隙間ができてしまいます。

 

そこで、首を伸ばして肩を落とすと足裏全体に圧力がかかるようになります。このように、足裏の間に隙間がないようにすると、体のあらゆる部分に緊張がなくなります。その結果、打ち起こし、引き分け以後崩れにくい姿勢ができあがります。

 

首を伸ばし、両肩を落として、上半身の力みをほぐしましょう。すると、自然と上半身の体重が足裏にかかり、緊張なく動揺しない姿勢を身につけることができます。

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