射法は昔は三種類あった

現代弓道では、弓の引き方を射法八節で説明し、胴の立て方、弓の引き方までほぼ決まったやり方があります。

しかし、昔の弓の書籍を見ると、現代のように、弓を高く打ち上げて、肩の上に拳を持っていく射をしていたわけではなく。引き方も違っていました。

例えば、古来の弓の引き方は右肩の上に拳が来ているのではなく、右の方先少し下かどに拳の親矢指が当たる程度であり、だいぶ肩に近くなっていました。(今川了俊大草紙より)

歴史書を見ると、胴づくりや足踏みもなく、歩射の記録が多いです。

そして、射法も今のように的が決まった距離で決まった大きさであったわけではなく、距離も大きさも違っていたので、それに応じた射法がありました。

①くるり矢
水鳥が水上などにいるときに射るための射法。矢の作り方が違っていて、矢末に軽い気で小さな鏑(かぶら)をつけて、その先に半月のヤジリをつけて、弓を伏せて放します。

そうすると、矢は水上に走って水鳥のわき腹に中ります。鎌倉の頼朝の頃に狩猟の射にこの技法があったとされます。

②ふくら
陸に居る鳥を射るための物で、矢末の鏑にむくろじを付けます。そして、この矢をくるり矢のときと同じように射ると矢は地上に走って鳥に当たります。

地面に小土手のようなところがあってもそれを乗り越えて飛んでいきます。

(むくろじの種子、羽子の球に用いるもの。無串子、植物名)

③飛んでいる鳥を射る方法
ヤジリを頂上に向けて、右手で弦を引いていく。この射んとするときに、右足を左足の上に組交えて、弓手を空に向けて弓を引けば、弓十分に張り、頂上の物を射ることができます。

また、坐射の場合は前膝を立てて、右膝を屈して射れば、また頂上に射ることができます。

ほかにも、取り懸けのしかたも現代とは違ったものもあります。現代は人差し指と中指で親指を押さえますが、昔は人差し指と親指で矢をつまんで、薬指でひっかけて引いていたという話もあります。

弓道という武道では弓の引き方はひとつですが、弓術や歴史を振り返ると、弓の引き方は一通りではないことがわかります。

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