弓道界の技と達人を紹介

こんにちは、高橋大智です。

今回は、弓道の世界にある技、達人の話について解説していきます。これから弓道を習いたい、勉強したい、体験したいと思っている人は、話を聞くと面白いと思います。

面白い!弓道の技「弓返り」

まず、弓道の世界で一つの技!?・・・・で訳ではないんですけどちょっとした弓の使い方があります。それが弓返りと言います。

弓返りとは、矢を放った時に、弓をクルンと返すことです。これが何本も引いてくると、できるようになってきます。これを行うといいことがあります。

弓をクルンと返すと、親指を的方向に突き出しやすくなります。はじめての方は弓を持つとどうしても緊張して握ってしまいます。すると、矢を放った時に的方向に最後まで押し切れず、矢をまっすぐに飛ばせません。

しかし、弓返りを使うと、この問題が解消されます。弓がくるりと回れば、親指が的に楽に押し出せるようになり、矢がまっすぐに行きます。この弓返りがかっこいいと思う人もいるようです。なので、弓道をこれから学ぶ人は弓返りができるように実践してみてください。

面白い!弓道の達人「梅路見鸞」

次に、明治以降で弓の達人と言われた人を紹介します。一人目は梅路見鸞氏です。

梅路見鸞
1892-1952年


この方は、はじめて弓道の世界で「弓と禅」を繋げた人です。禅の修行を数年行い、そのあとに橘流弓術を習いました。後に、お寺で弓道を教えるようになり、明治以降、弓道雑誌「武禅」を出版しました。この雑誌は弓道界に多大な影響を与えた。

いろんな伝説をおもちです。例えば、約50メートル離れた大きさ約10センチの的を二本連続して射抜いた。見ていた人間が「人間業ではない」ともらすと梅路は「もちろん」と言った。

恐ろしすぎる・・・このことを梅路先生はこのように言っています。「本物には奇跡が起こる」とめっちゃかっこよくないすか。やばすぎる。

あるいは、みなくても相手の動きがわかってしまったエピソードがあります。

門弟が冬の朝、外で弓を射る稽古をしていました。流儀の動作をひとつ省いて矢を射たところ、雨戸、障子の締め切った家の中で寝ていた梅路が起きて「馬鹿、なんという様だ!」と一喝。家の中にして、外の弟子が動作を省略したことを瞬時に理解したということである。

恐ろしすぎる。この人が探偵でもやったら犯人全員捕まっちゃうんじゃないかと思うくらいの観察眼です。恐ろしすぎます。

では、次の有名人にいきましょう。

阿波研造
1880年-1939年

弓術家。弓聖と称される。術(テクニック)としての弓を否定し、道(精神修養)としての弓を探求する宗教的な素養が強かった。

この人はみなさまに馴染みが深い人物です。「弓と禅」の登場人物です。「弓と禅」と言われてもなんだそりゃって思うかもしれません。では、「スティーブジョブズ」って言われたら知ってますね。

スティーブジョブス?あのIPhoneを作った人?そうそう、スティーブジョブズの愛読書として、「弓と禅」があります。瞑想やメインドフルネス思考を学んだとされていますが、その書籍で阿波建造が出てきます。

弓と禅 オイゲンへリゲル訳

この人の伝説で超有名なのが、「心で射る弓」。目をほとんど閉じた状態で狙わずに当てるという射を行いました。

昔、ドイツ人哲学者にオイゲンヘリケルという方がいました。日本文化を研究する際に、「狙わずに当てる」という阿波の教えは合理的な西洋哲学者に納得できませんでした。「本当にそんなことができるのか」?と阿波研造に疑問をぶつけました。

そこで、阿波研造は、次のようなことをしました。真っ暗な自宅道場の中で線香の灯がゆらめくのみで的が見えない中、二本弓を放ちました。なんと、二本とも的に当たっていました。これだけでもめっちゃすごいですよね。しかし、驚くのはそれだけではありません。その刺さり方がすごかったのです。

なんと、一本目は的の真ん中に命中。二本目は一本目の矢筈(矢の先っちょと思ってください。)に当たり、その矢を引き裂いていたのです。これは弓道の世界で継矢と言います。矢の上にさらに矢をさすという超絶稀な現象です。これを阿波先生は実現させたのです。

このとき阿波は「先に当たった甲矢(一本目の矢)は大したことはない。数十年なじんでいるあづち(的の後ろの土の壁)だから的はどこにあるか知っていたと思うでしょう。しかし、甲矢に当たった乙矢(二本目の矢)・・・・・これをどう考えますか?」とオイゲンに語った。

こうして、ヘリゲルは「弓道の奥深すぎる」と感銘を受けて、弓の修行に励んだとされます。

以上です。こんな逸話があるなんて、恐ろしすぎますよね。弓道では「弓返り」「梅路見鸞」「阿波研造」この三つは覚えて置いて ください。今後弓道はじめる上でこの人たちの凄さを体感すると思います。

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