最も良い弓の押し方は「べた押し」である

本日は、弓道における「間違った認識」を正しくし、弓を適切に引いていく具体的手法を解説していきます。

多数の文献を読んでみると、手の内の適切な形は「少しだけ手首が上に上がった状態」が適切とわかります。

■会で親指を上に向けると「その手の内では審査は受からない」と高段者に指摘された話

私の弓道仲間の中には、「会で親指を上に向けたらその手の内では審査は受からない」と指摘された人がいます。その指摘した人は称号者でした。

しかし、その方はその先生に何度も、指摘された手首をしたに向けようとしたら、親指の付け根が激痛で日常生活に支障をきたした結果、「その称号者の言っている手の内はできない」と判断しました。

だから、「その手の内を行うとすると親指の付け根が痛いのでできません」と正直に話して、それ以上指摘されないように対応をしました。

その先生とは、過去にも「人差し指と親指だけで弓を挟んで押すのが正しい」など「親指を真っ直ぐに押せ」と親指を下に向けながら手の内を説明されるなど、言われている内容の理解し難い内容が多かったため、今回の指導内容は「できません」と正直に話しました。

では、この「手首を下に向ける手の内」は正解でしょうか?文献からみると不正解です。その根拠を記します。

■矢の長さいっぱい引いた結果、少し親指が上に向く手の内が適切

矢の長さいっぱいに引くと、親指の付け根の下部に弓の圧力が強くかかります。

このように、人差し指と親指の間に弓の圧力をかけることを「上押し」と言います。

上押しとは、手首を下に曲げて弓に強く当てる手の内ではありません。手首の上部に弓の圧力がかかるように受ける手の内のことです。

より人差し指と親指の間に圧力をかけようとするならば、少し手首が上に上げる必要があります。

これを尾州竹林弓術書では「鵜の首浮きたる手の内」と言われます。鵜の首とは、人差し指と親指、中指の三指のことを指します。

(これを、魚住先生の尾州竹林射法の「鵜の首」では、親指だけに定義が変わっていますので、原文の鵜の首の意味を取り入れるようにしてください。)

この時、鵜の首の手の内は「首の力(指の力)であげるのではなく」とも記されています。つまり、手の内は、手首が少し浮くようにするのが適切ですが、自分で手首を上に上げるようにするわけではありません。

そのほかに、本多流弓術書に「弓を押し込むのではなく、弓の力を受け請る心持ち」とも記載されています。

さらに、鵜の首の手の内にも説明されており、「鵜の首浮きたる」手の内になると解説しており、手首が浮くような手の内を推奨していることもわかります。

さらに、弓道教本の射の考え方の元となる「射學正宗」にも手の内の内容にも「虎口(人差し指と親指の間)が緊なれば射にならず」とも記されています。

これまで、三冊の文献から考えても、手首を下に向ける手の内の教えは、間違っていることがわかります。

ちなみに、手首を下に曲げるような上押しが間違いであることを示唆したて手の内は多数報告されています。

3冊の文献が手首を下に曲げる上押しと反対の内容を肯定し、手首を下に曲げる上押しが否定されています。

したがって、今回のように、親指を上にむけた手の内に対して「その手の内では審査は合格しない」と指摘した高段者の言っていることは文献上誤りと考えられます。

このように、手の内が全く違うのに、弓道連盟の高段者の中には、手首を下に向けるのが上押しの手の内を解説するのは、彼らが原文に即して勉強しようとしないからです。

弓の引き方は内容より、前の人がこう言っているからこれが正しいと「合理的な根拠と法的な根拠」を一切調べようとしないから、間違った指導をいつまでもしてしまいます。

教わる人間を間違えると弓道はうまくなりません。

自分たちでしっかり勉強し、勉強不足の高段者からは無駄な内容を教わろうとせず、自分自身で弓の引き方を勉強し、稽古をしてください。

このほかに、手の内に関して、上押しのように手首の上部で押す手の内がよくないと解説した文献をご紹介します。

少し手首を浮かした手の内を解説している文章

鵜の首という手の内は上筋を押しかけた手の内である。大指、食指、中指の三指に要領がある。大指、食指、中指の浮いた手の内というのである(尾州竹林弓術書の手の内の項より)。

自分で手首を浮かせるのではなく、弓の力によって自然と手首が浮くように解説した文章

左手弓に触るるに力を用いる余あり、例えば、鵜水に入りて首項浮かぶがごとく、首の力をもって浮かぶにあらず、渾身浮かぶに応えて頭頂点自ら水上に出づ。弓を握ること緊迫なれば、鵜の頭力を以て水上に浮かばんとするが如し、力必ず充満して偏癖止めず難し(吉田能安ー「射法研究」の「伝書」より)

「三指を揃える手の内」の問題点を指摘した文章

味もなく只きつく握りたるばかりにてはゆかんと云うことの合点なく、愚かなるものは是子細を深く検議することならず又あらくましき我慢者物をはやく仕付くる気ばかりある故念入れて考える暇なし、困って技の多々偏なるを見ては遂に五法の射方も無用のことと思い弓は射方を習うに及ぶものにてはなきと云うこと、アアこれ食にむせて食をやむると云うものなり(「射学正宗」より)

人差し指と親指の間で押してはいけない。つまり、上押しで押し込んではいけないことを示唆した文章

大指、食指、中間の又口を虎口となる、手掌と中指無名指の対直なるものを掌心、小指を対直なるものを掌根となす、世の人誤って掌心を認めて掌根となす、もし弓を握る時掌心一たび実すれば虎口

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