弽(かけ)のキチキチ音について:ただ鳴れば良いというわけではない

キチキチ音は鳴ろうが鳴らまいが関係ない

弽を使って弓を引く際に、先生によっては、

キチキチ音を出さなければならない」と言われることがあります。

しかし、結論から言えば、この音が鳴るかどうかは弓の正しい射型とは関係ありません。

キチキチ音が鳴る場合もあれば鳴らない場合もあり、どちらも正しい可能性があります。

つまり、「音が鳴る=正しい」「音が鳴らない=間違い」という単純な図式は成り立たないのです。

音の有無は弽(かけ)の構造や状態によるもので、無理に鳴らそうとする必要はありません。

むしろ、誤った方法で音を鳴らそうとすると、射型が崩れ、正しい射に悪影響を及ぼすことがあります。

キチキチ音には良いパターンと悪いパターンがある

これを覚えておき、良いキチキチのパターンを頭に入れて、実践するだけで十分です。

キチキチ音には2種類のパターンがあります。

  1. 良いキチキチ音

親指を地面に対して真っ直ぐ向けた状態で、親指と中指の自然な摩擦によって鳴る音です。この音は短くて高い音が特徴で、摩擦の結果として自然に鳴る場合は正しい動きの証です。

  1. 悪いキチキチ音

中指を押し付けて無理に摩擦を起こして鳴る音です。意図的に力を加えて音を鳴らそうとすると、余計な力が入り、離れが不自然になります。これは正しい射型を阻害する原因となります。

  1. どうでもいいキチキチ音

弽の表面が滑って鳴る音で、特に新品の弽や柔らかい革の弽の場合に多く見られます。この音は射型の良し悪しとは無関係で、単なる摩擦によるものです。

ここまで理解して、

正しいキチキチ音を鳴らす方法

キチキチ音を鳴らすには、親指の向きを地面に対してほぼ平行真っ直ぐに保つことがポイントです。

そうすれば、

自然な摩擦でキチキチ音が鳴ります。逆に、親指を下向きにしすぎると、中指で押さえつけて、異なる摩擦が起き、悪いキチキチ音が鳴ってしまいます。

正しい親指の向き

  1. 親指を地面に対して垂直に向ける

親指と中指の間に自然な摩擦が生まれ、短く高い音が鳴ります。この状態が最も理想的です。

  1. 親指が地面と平行にならないように注意する

この状態では、中指と親指が強く接触しすぎて不自然な音が鳴ります。

  1. 親指が下向きになりすぎないようにする

親指が過剰に下向きになると、中指が親指を押さえつける形になり、摩擦が強すぎて違和感のある音が鳴ります。

以上まとめると、

 

キチキチ音に対する正しい理解

  • 音が鳴るかどうかは射型の正確さを判断する基準ではありません。
  • 良いキチキチ音とは、親指と中指が自然な摩擦を起こして鳴る音です。
  • 悪いキチキチ音やどうでもいい音に惑わされず、親指の向きや弽の状態を確認しましょう。

明日から実践すべきこと

  1. 親指の向きを確認

地面に対して真っ直ぐ向けてキチキチ音が自然に鳴るかどうか確認します。

  1. 弽の状態をチェック

柔らかすぎる弽や新品の弽の場合は音が鳴らない可能性があるため、無理に鳴らそうとしないように注意します。

  1. 力を抜く

指に余計な力を入れず、自然な動きの中で摩擦が生じるよう意識しましょう。

正しい射型を身につけるためには、音の有無だけに頼らず、親指の向きや姿勢を意識することが重要です。余計な力を入れず、自然な動きで弓を引くことで、理想的な射型に近づけるでしょう。

 

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