本記事でも、初心者が弓道を始めるときに必ず習う「足踏み」について解説します。
特に、「ひかがみ(膝裏)を伸ばす」といった指導を受けたことがある方も多いのではないでしょうか?でも、実はその「伸ばし方」、間違っている場合が多いで。
正しいひかがみを伸ばし方は、重心が落ちて・胸の筋肉を開くことができるようになります。以下に具体的な方法を解説します。
まず、
ひかがみを無理に伸ばしてはいけません
弓道の指導で、「ひかがみを伸ばして立ちましょう」というアドバイスがあります。しかし、多くの場合、この内容を言葉だけ受け取って行おうとすると、間違った動作を招きます。
なぜ、ひかがみを無理に伸ばしてはいけないのか?
理由はこうです。ひかがみを伸ばそうと意識すると、膝裏の筋肉が強く張るからです。その結果、足裏の重心バランスが崩れ、上半身が力み、姿勢が崩れます。
実際に、膝裏をピンと伸ばしたイメージしてみてください。
おそらく、太ももやふくらはぎの筋肉が緊張し、全身が硬くなる感覚を覚えるでしょう。それは、脚の開き方に問題があります。
膝の伸ばし方は二通りあります。
一つ目は、曲がっている膝をそのまま伸ばすことです。これは太ももの前側にある「太腿四頭筋」が縮むことで、膝裏が伸びます。
この伸ばし方は先ほどお話しした「膝裏をピンと伸ばす」方法です。しかし、この方法のデメリットは太ももの骨が骨盤に対して前に出てしまうことです。
だから、私が「姿勢を伸ばした結果、膝裏がピン」と伸ばされる方法をおすすめします。
人間の体のうち、太ももの骨とつながりのある筋肉は背筋があります。背中の筋肉は太ももの裏側、腸腰筋、ふくらはぎの筋肉とつながりがあります。
例えば、大の字になって大きく伸ばすように意識します。両腕と両脚と伸ばすことで、背中の筋肉が伸ばされます。そうすると、自然と脚の筋肉も一緒に伸びませんか?
なぜなら、背筋が伸びると自然と骨盤がまっすぐに立ちます。すると、脚のアライメントも自然に真っ直ぐに正されます。
このように、背中の筋肉が伸びると、脚の筋肉も自然に伸びるように体はできています。これを意識した方が、弓を楽に開けることができます。
正しいひかがみの伸ばし方とは?
では、どうすれば正しくひかがみを伸ばせるのでしょうか?
答えはシンプルです:姿勢を整え、体を自然に後ろへ引くこと。
やるべきこと
- 胸を開いて肩を下ろす
- 両肩をリラックスさせ、胸を自然に広げるように意識しましょう。
- 姿勢が前かがみにならないよう注意してください。
- 背中を軽く後ろに引く
- 背中を少し後ろに引くと、ひかがみが自然に伸びる感覚を得られます。
- この動きによって、足裏全体に均等に重心が乗るようになります。
- 脚の力を抜く
- 脚に余計な力を入れず、リラックスした状態で立ちましょう。
- その結果、太ももやふくらはぎの筋肉が緩み、自然にひかがみが伸びます。
これを実践すると、ひかがみが「自然に伸びる」感覚がわかるはずです。
なぜ、初心者は無理にひかがみを伸ばすのか?
本来「ひかがみを伸ばす」とは、太ももやふくらはぎの筋肉をリラックスさせた結果として、自然に膝裏が伸びる状態を指します。決して、力を入れて膝裏を硬直させることではありません。
初心者の方が陥りやすいミスは、「膝を無理にピンと伸ばそう」とすることです。これは、指導の際に「ひかがみを伸ばす」というアドバイスを文字通り受け取ってしまうからです。
この理由は、既存の弓道の指導で「60度、拇指球に体重をのせ、前屈み足踏み」を教わり、そこから姿勢を作ろうとするからです。
弓道連盟で推奨される足踏みの角度は「60度」です。この足踏みのデメリットは
- 重心が前に傾きやすい
- つま先に体重がのりやすい
です。このために、何も意識しないと膝が曲がりやすいです。
だから、直接太ももを伸ばすひかがみを伸ばす方法をやってしまいます。このような問題を防止するために、60度、前屈み足踏みでも重心がしっかり落とせるように姿勢作りをしましょう。
まとめ:正しい姿勢で楽に弓を引こう
初心者が無理なく弓を引くためには、「ひかがみを自然に伸ばす」ことが重要です。そのために、次のポイントを意識してください:
- 姿勢を整え、胸を開く。
- 背中を軽く後ろに引き、脚の力を抜く。
- 自然とひかがみが伸びる感覚を大切にする。
これを意識すれば、無理なく美しい射型が身につき、弓道の楽しさをより深く味わえるようになります。