弽をきちんとはめて、適切な離れを導くためのはめ方

「弽」を正確に選定することは、大きく引くために必要です。そして、引きやすい弽には、ある程度の目安があります。

指の中程が厚いものを選択する

弽をはめる指の形状を観察するときは、はめる「口」と「指の腹」、「両脇」、「指の第二関節から指先」まで見る場所がいくつかあります。そして、弓の負担をなるべく軽くするためには、第二関節の関節から指先までの革の部分が厚いものを選定します。

大三に入ると、弦によって、親指が引かれます。その際に、中指の第一~第二関節の部位が親指と接触し、親指自体が的方向に引かれる力を受けます。この際に、革が薄いと親指を抑える力を直で受けてしまうために、中指の皮膚に圧力がかかりすぎてしまいます。

そこで、指の腹の厚みは少し厚いものを選択するようにします。

親指の大きさと長さはきちんと合わせる

次に、手の中で射の動作に大きくかかわるのは「親指」です。弽を選択するさいは、「親指」の長さ・太さを選定するようにしましょう。

この理由として、弽の製作によって、構造が大きく変わるのは親指だからです。

親指は人によって「太さ」「長さ」が異なります。すでに完成された弽から自分に合うものを選択する場合、太さが合わないもの、長すぎるもの、短すぎるものなどいろいろと不具合が起こります。これらのサイズの不一致を抑えるために、自分の親指にきちんとあった弽を選択するようにしましょう。

例えば、親指の付け根の部分が大きい人がいます。その場合、親指を入れる口がなるべく大きいものを選択するようにしましょう。あるいは、指が細い場合は、親指の細い弽を、骨がごつごつと出ている方は特に親指の第二関節に当たりすぎないように気をつけてください。

弓具屋さんによっては、オーダー品で一つ一つ指の長さを測って弽を製作してくれる場合もあります。しかし、このようなサービスはあまり頼りすぎないようにしましょう。なぜなら、オーダー品であっても、長さがすべてぴったりくるとは限らないからです。

人差し指と親指の間は少しだけ広いほうが得

次に、人差し指と親指の間は、少しだけ広いほうが得します。人差し指と親指の間が大きいと、引いている最中に矢の箆自体に当たりすぎず、矢のひねりがなくなります。

もうひとつ、人差し指と親指の間が広いと離れが出しやすいです。離れ動作においては人差し指と親指の間は開きながら離れます。もし、この部位の間が狭いと、うまく離れで指が開かないことがあります。そこで、人差指と親指の間は広いほうが何かと得です。

ただ、人の手は各個人によってサイズが異なります。もし、人差指の長さ自体が短い人は二指の間が広すぎる場合、弽と手のサイズが合わないことがあります。すると、取りかけする際に、革にしわができてしまい、うまく取りかけられないことがあります。

そのため、一概に「人差し指と親指の間が広い弽=良い弽」と思わないほうが良いでしょう。ただ、そのほうが得に働くときが多いです。これらの内容を理解して、あなたの手に合う弽を合理的に選択するようにしてください。

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