体配の動作は連盟に所属している先生に一連の流れを教えてもらえます。
その一連の動作の中で、自分でとくに気をつけていないと省略してしまいがちな動作というのがあります。
これは長い間稽古をしていると確実に抜けてきます。そして、この動作はある程度稽古している人じゃないと気づきにくい場所なので、今回、まとめておきます。
目線は4メートル先を見る
体配の動作では目線は4メートル先を見るようにし、見た目では「ちょっとだけ下にうつむいている」感じくらいの目線で動作を行います。
これが、8メートル先だと、目線が下ではなく、まっすぐ見ているように見られてしまいます。
これが、4メートルである理由は、人間が真っ直ぐ体を起こしているときは見た目ちょっと前傾しているからです。顔が真っ直ぐ向いているということは首が真っ直ぐ伸びていないことになります。
かといって、これは姿勢が丸まって、屈んでいて下を向いているのはよくありません。首が伸びて、肩を落ち、姿勢を伸ばし、ちょっとアゴを引くとだいたい4メートル下に目線が落ちます。
とくにこの関係が崩れやすいのが、的前にはいるときです。
本座で揖をし、立って、4歩歩いて、坐って、その場で腰を切るとき、目先が4メートル先ではなく「的」を見てしまうがちになってしまうので、気をつけるところです。
「弦調べ」で顔を戻すときに早くなる
次に立って、胴づくりをして、左膝頭に弓の裏はずを置き、右肘を腰骨において、「弦調べ」を行います。
弓の上下、矢のはず、的と目を向けて、最後に顔を戻します。
このときに、最後顔を戻すときに早くなる人がいます。弦を上下調べて、一回的を見たら、弦調べの一連の動作が終わりと思ってしまうのでしょう。
ここでも間を空けた方がよく、顔を戻す動作にも間を空けます。唯一他の動作がゆっくりでも、最後、顔を戻す間が短く、早かったら、その動作が目立って見えてしまいます。
二本目の弓倒しが早くなる
入場から体配の動作を順序通り行うことを意識し、最初は要所要所で気を付けなければいけないところを意識して行うので、気を抜かずに行うことができます。
しかし、後の動作になって、動きが慣れてくると、気が抜けてしまう動作がでてきます。それが「弓倒し」で一本目より早く腕をたたんでしまう人がいます。
こういう気の抜けたところは審査では目立って見えます。一本目に比べて二本目が早くなってしまうのは参段、四段審査でもよくあります。
二本引き終わってしまったので、安心してしまうのでしょうが、最後の退場まで間を空けて、ゆっくり行うことが大切になってきます。
自分の体配でこのまとめを意識することでさらに体配をキレイに見せることができます。