弓を固く握りすぎると射に悪影響を与える医学的根拠

引き分けでよく出てくる射癖のひとつで「左腕が突っ張ってしまうこと」が挙げられます。このように、よく出てしまう癖を直すことで、「射型」「射技」の向上につながります。

ここでは、引き分けでの「左腕が突っ張ってしまう」原因と対策方法について解説していきます。

 左腕が突っ張る問題は「左拳」の使い方を変えて解決する
左腕が突っ張ってしまう直接の原因は「左拳」「左ひじ」「左肩」にあります。この部分の働かせ方を変えれば、
左腕の突っ張りは直すことができます。

ただ、その中でも特に意識したいのが左拳です。

「左拳」は必要以上に力を入れて弓を握りすぎていると、左肩にその力みが伝わって左腕が突っ張ります。そして、左腕がつっぱってしまう原因として多くの人が行ってしまう動作として、左拳に力を入れすぎてしまうことがあります。

その理由を、昔の先生の射の説明を引用し、説明します。

弓道教本二巻の高木範士は「手の内において大切なことは弓を固く握りすぎないことである」と説明しています。

このように、柔らかく握った方が射において良い理由は医学的見地から説明できます。

手の内において、力が入りやすい箇所として、「中指」が挙げられます。この指は力を入れる指ではありません。尾州竹林の射法の説明では、指に力が入るのは「小指」であると説明しています。

中指には力を入れるとは説明が書かれていませんでした。

この理由は中指の筋肉は背中の筋肉と解剖学的につながりがあるからです。中指に握ろうと力を入れると背骨を支える筋肉に無駄なエネルギーのロスが生じてしまいます。

左拳を握りすぎると、背骨の筋肉に力が入ってしまいます。すると、それを介する末端部の腕の血流にも影響が出てしまいます。血液循環が悪くなると、左腕全体に筋肉に凝りや緊張が生じてしまいます。それによって、左肩が詰まりやすくなります。

そのため、解決方法は手の内を整えることが先決です。具体的には、「弓構え」での指先と左手首の角度を修正します。

まず、弓は軽く握って指先に力がこもらないようにしましょう。そして、手首は控えすぎず、手首が外に向きすぎないようにしましょう。

このように整えることで、大三や引き分けで手首が必要以上にひねられなります。その結果、左拳に力が入りにくくなります。

大三のときに、左肘を伸ばしきると、引き分けで弓の荷重が「肩」にかかりやすくなります。左拳を軽く握る心持ちで引き分けていくと、左腕に余計な凝りがなくなり、「左肘」はほんの少しだけ曲がった状態となります。

これが離れになって、左ひじがピンと伸ばされ、力強い矢勢を生みます。阿波建造に師事された吉田能安先生はこれを
「大三で豆粒ひとつ左ひじに余裕をもたせる」と説明しています。

教本二巻の神永範士はこのことを「猿臂の射」と竹林の射法に記載されている内容を引用しています。そして、引き分けからではなく、弓構えからずっと左拳には余計な力みがないことが理想です。

そのためには、弓構えで弓を軽く握ったまま、右拳を主として打ち起こしをしましょう。こうすることで、左肘の力をゼロの状態から大三に入ることができます。「左肩」は力んでしまうと引き分け以降で上がってしまいます。

左肩が上がると、物を押すときに使われる「上腕三頭筋」が働かなくなるため、弓を押す運動ができなくなります。そのため、棒のように腕が固くなってしまいます。

これを解決するために、左拳の力みを今一度確認しましょう。軽く握って手の内に余計なとらわれをなくすことで、左腕に余計な力みなく引き分け動作を行うことができます。

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