2正しい弓道教本の読み方、胴造り

この記事では適切な胴造の方法を教本の文章を元に解説していきます。

足踏みでは、

・広めの幅と角度で足踏みする

とお話しました。

そうすることで、太腿が外向きに回りやすくなり、踵に体重が乗って、背中と首の後ろが伸ばしやすくなります。

そして、足裏全体に体重が乗り、太腿の内側が引っ張られて、前後左右にぶれが少ない姿勢を構築できると理解できます。

さらに、4人の先生が広い足踏みの内容、重要性を説明しており、それを実践すれば、3人の違う足踏みの説明も実践できるようになると解説しました。

次の胴造ですが、簡単です。

足踏みで行ってきた体の使い方をそのまま、上半身に反映させるだけです。

肩関節を後ろに引く

これだけで胴造りが完了です。実践していきましょう!

肩を後ろに引けば、姿勢が真っ直ぐ伸びる

教本の胴造りの説明には、

脊柱うなじを真っ直ぐ伸ばし、総体の重心を腰の中央に置く

と記載されています。わかりやすく言うと「肩を後ろに引こう」という意味です。

まず、足踏みで角度を広めに踏んで太腿を外側に開いてください。すると自然と肩が後ろに引かれます。

そうすると、背中と首を上方に伸ばしやすくなりませんか?背中に余計な力が抜けて、首の後ろと背中を伸ばすことができれば、

胴造完成です!

背骨とは、文字通り、体の背中側についています。

つまり、私たちの意識している位置より後ろ側に背骨はついています。体重を後ろ気味(踵付近)に乗せると、背中の筋肉が使いやすくなります。

そのために、肩関節も後ろに引かないといけません。

解剖的に「機能的に体に負担がなく、かつ姿勢が真っ直ぐに伸びている」姿勢は、耳、肩、大転子、膝蓋骨後方、外果(外くるぶし前方)が縦に一直線に揃います。

画像引用元:https://www.bodybook.jp/doctor/117631.html

これをやらなければ、胸や首が前方に出てしまい、筋肉が張ってしまいます。

肩を後ろに引けば、胴造りが完成します。このことがわかれば、教本のあらゆる内容が繋がって理解できます。

また、このときの体重は、

爪先ではなく、かかとに置く

ように意識してください。これは、足踏みの時にもお話しました。

もう少し詳しく言うと、左右の爪先、踵を結んだ対角線の頂点に体重を乗せるようにします(後に、神永範士、冨田範士が同様の説明を行います)。

足踏みでは「踵に体重を乗せる」、胴造では「肩を後ろに引く」がポイントです。

腰の中央は本当の真ん中ではなく、腰椎3番目のことである

教本の文章には、「総体の重心を腰の中央に乗せる」という言葉があります。

「腰の中央って・・・・体の真ん中か?」と思いたくなりますが、この考えは誤解です。

肩を後ろに引き、背中側に体重を乗せれば、腰の中央に体重が乗ります。

腰とは、背中側に存在し、肋骨の下部から骨盤の間を指します。

 腰(こし)とは、大まかな意味では脊柱の下部から骨盤までを指すが、解剖学的には腰椎周囲の背部を指す。 (Wikipediaより引用)

少なくとも、体の内部の中央ではないというとがご理解いただけたと思います。

つまり、教本の「総体の中心は腰の中央」とは、「腰椎三番目」を指し、「腰から少し上くらいの背中の部位」が正しい位置です。

ここに体重を乗せるようにすると、袴の板が腰にぴったりつきます。

弓道連盟の先生はこの「総体の重心を腰の中央に置く」という教えを、体の中央と勘違いして説明します。

身体の中央にあるのは「内臓」であり、「腰」ではありません。上の図のように、置いてしまうと、背骨が上方に伸びきらなくなります。

重心が前にあると、肋骨と首も前に出やすくなるからです。

すると、腕や肩に力みが出てしまいます。

確かに、体を前屈みにすれば、体重は体の中央に乗ります。

しかし、弓を引く動作では使えない姿勢です。

楽に弓を引き、確実に的中に手に入れたいのであれば、余計なことをしないようにしてください。

次に、肩を後ろに引いて、吐く息に集中して呼吸をしてください。すると、

肩を後ろにした方が深呼吸しやすい

呼吸が楽に、深く行えることがわかります。

これを「息相が整う(呼吸の流れが整う)」とも表現されます。

呼吸には「長さ・深さ」の二つの相があります。「長い」か「短い」か、もしくは「深い」か「浅い」かです。

呼吸と言っても、長く吐けば良いと言うわけではありません。その取り込んだ酸素が全身に深く浸透していかなければいけません。

そのためには、肋骨をできるだけ広げて、お腹の力を抜かないといけません。

肋骨を広げることで、長く息を吸・吐くができます。

かつ腹を緩めることで、深部に酸素を取り込むことができます。

呼吸は「長く」吐くだけでなく、「深く」体内に酸素を取り込まなければいけません。そうでなければ、上半身の筋肉は緩まないし、心も落ち着きません。

そのためには、腹の筋肉も緩めて呼吸する必要があります。

そこで、足踏みの角度と幅を広く、かつ肩を後ろに引く必要があります。

踵に体重を乗せて、太腿を外側に回します。

太腿の外側に回すと、内腿の筋肉が伸びて下腹の筋肉が伸びます。これによって、酸素を深く取り込みやすくなります。

腹の筋肉を縮めて、呼吸すればいいのでは?と思う人もいるかもしれません。そうすると、下腹の筋肉が縮み、下腹の空間は狭くなります。すると、「深く」呼吸ができません。

そのため、肩を後ろに引きます。体重を「腰の中央(背骨、身体の後ろ側)」に乗せてください。すると、肋骨が開きやすくなり、楽に呼吸を取り込めるようになります。

そうすると、丹田(下腹)に自然に意識がいくようになります。

丹田は、力を入れるのではなくはいるところ

弓道では、下腹の内部の空間に丹田と名前がついています。

「丹田の意識して」と言われますが、これは、「肩を後ろに引け」ば良いです。

肩を後ろに引いて背骨を伸ばすと、腹部の力みが抜けます。この姿勢で呼吸をすると、腹部に自然と酸素が入り、腹圧がかかります。

「丹田が意識された」姿勢が構築できます。

多くの方は、

・下腹に力をいれる

・下腹が張るように前傾姿勢に立つ

ことで「丹田を意識している」と誤解します。

これを行うと、背中、肩が緊張してしまい、弓を引きにくくなるので、やらないのでください。

そもそも、なぜ故意に下腹に意識してはいけないのか?理由は東洋的な思想に基づきます。

東洋では、修行や生活を通じて、「自然の状態」を身につけるのを目的とします。

その「自然」とは、「意識せずともその動作をできる」ようになること。

川が流れる、葉っぱが風に吹かれる。これらの現象は意識的ではなく自然のままに起こります。そこで川が自分の意識で流れる方向を変えたり、葉っぱが飛ばされる方向を変えたりすることはありません。

それは、川や葉っぱという物が自然の一部だからです。突き詰めていけば、人間という個体も大きな自然の中の一部の物と捉えられます。

弓道の場合、弓引く動作を通じて自然な心と体の状態を体感するのを目指します。

ですので、「丹田を意識して」の言葉の意味は、「自然と丹田に意識がいく」と解釈しなければ、東洋的ではありません。

「力をいれる」とは解剖学的に「脳の指令によって筋肉に意識的に力が入る」ことを指します。

つまり、「丹田を意識」と言われて、その部位に意識を向ければ、丹田周辺の筋肉を意識しただけで、丹田という場所を意識したわけではありません。

この力をいれる行為は、自然に任せた川や葉っぱといった物とはかけ離れた「不自然の状態」と捉えられます。

ですので、弓道の稽古では、「力を入れて、姿勢を整える」ことをよしとしません。

そのため、肩を後ろに引けば良いです。そうして、自然に丹田に意識がいくと、

五胴(5つの姿勢)を構築し、実践できるようになります。

丹田に体重を乗せると、五胴(ごどう:五つの適した姿勢)を実践できる

五胴とは、「懸かる胴」「退く胴」「反る胴」「屈む胴」の4つ、近的に適した「中胴」の合わせて5つの姿勢を指します。

この内容を多くの弓道家は4つの姿勢は近的以外の4つは必要なく、真っ直ぐな姿勢以外は、その時の状況になってから使うもので、やらなくていいと解釈します。

ではなく、この文章の意味は「どのような胴体であっても身体の重心は崩してはいけない」ということです。

根拠は「本多流弓術書」に記された五胴の解説です。

本多先生は「中胴を実践しているだけでは、笑いもの」と記されています。

又凡て直なる身が良いからとて如何成る場合にも唯一生懸命に身体を真直にすると云うは、所詮琴柱に膠する(融通が効かない)の類で笑ふべき事であります。「本多流弓術書P130」より

なぜなら、胴造で本当に學ぶべきことは、「姿勢をまっすぐ伸ばす」という行為ではないからです。

姿勢を學ぶことで、意識される「丹田の位置」や、呼吸、重心の状態を学ばなければ、適切な姿勢や弓の引き方を考えることができません。

こうした身体の状態を観察できなければ、いくら姿勢が真っ直ぐになっていたとしても、弓の反発がかかった時に崩れてしまいます。

それは、五胴における中胴を学んだことにはなりません。五胴で大切なことは、「姿勢の状態」ではなく、「その時にも変わらない重心や心の状態」です。

そして、重要なのは、状況が変わって姿勢を変えたとしても、重心や意識が変わらないことです。

ただ真っ直ぐに立っているだけではだめで、胸の筋肉を緩めて「上半身の重心を変えずに、狙いの線を調節できる」ことがわかります。

本当の中胴は近的に適したまっすぐの姿勢だけ行えば良い訳ではありません。

狙いを変えたとしても重心が動かない姿勢が、本当の「中胴」です。

肩を後ろに引くと眼球が緩み、心が整う

首には、肩まで繋がっている筋肉が多く存在します。

耳から肩にかけて生えている僧帽筋

顎から肩にかけて生えている斜角筋

喉仏から鎖骨にかけて生えている胸鎖乳突筋肉

これらの筋肉が、肩を後ろに引くことで緩みます。そうして、首の筋肉を上方に伸ばしやすくなります。

首の後ろの筋肉が緩むと、その上にある「眼球の筋肉」が緩みます。これにより、視界が広がる感覚を得られるようになります。

さらに、

首の後ろを伸ばすと、心が落ち着く

眼を緩めることで、心が落ち着くことがわかります。

これを教本では、「七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)」が取り去られる。「不動の心」が養われるとも表現されます。

なぜ、肩後ろにし、首を伸ばすと、七情が取り去れるのか?これも、説明がつきます。

浜松医科大学の研究によって、「感情と身体の動き」の心理調査が行われています。

「腹を立てる(怒)」「冷たい汗が流れる(恐)」といった言葉が残っているように、人は感情が出た時にどこの部位の筋肉が硬くなるかがわかっています。

そこで、恐れの感情は「肩、背中」などの部位からきていると分かっております。

・対象となった人数
男性25名、女性47名

・集計結果

喜び・・・胸

悲しみ・・目

恐れ・・・肩、背中、腹

恥・・・・眼、頬、胸

安心・・・肩、腹、腰

参考文献

https://psych.or.jp/meeting/proceedings/70/poster/pdf/1am119.pdf#search=%27%E8%82%A9+%E6%84%9F%E6%83%85%27

そのため、肩を後ろに引くと、両肩の筋肉が緩んで「恐、憂、怒、驚」の感情が軽減されます。

次に、「喜」の感情は、踵に体重を乗せて肩を後ろに引きます。すると、胸が開き、心地良い感覚を得られ得ます。

しかし、爪先に体重を乗せて、胸を張るようにしてください。胸の筋肉が張りすぎてしまい、緊張状態になってしまいます。

これは喜と似た「過緊張状態」になりやすいので、肩を後ろに引いて、下げてください。

最後に、「思」、これは射の最中に無意識に「考えすぎてしまう」ということですが、肩を後ろ、太もも外側に回してください。

その後に、目を薄目にしましょう。これによって、人が無意識に考え出してしまう「デフォルトネットワーク」という脳の反応を抑えられます。

人は、1秒間に1、2回、無意識に何かを考えていると言われており、これを抑える方法が「閉眼(へいがん、目を閉じること)」と言われています。

そのため、禅のお坊さん、僧侶は座禅を実践する時に、目を半分だけ開ける「半眼(はんがん)」という目の使い方をします。

ただ、単純に目を薄目に開けようとしてはいけません。

肩を前に出して前屈み姿勢にいして、首の後ろの筋肉が縮んだ状態で薄目にしても、睨んでいる状態になるだけです。余計に力が入ってしまいます。

ですので、肩を後ろに引いてください。そうして、首の後ろの筋肉が緩めば、自ずと眼球の筋肉が緩み、無意識に考え出してしまう反応を抑えることができます。

このように、肩、首、背中、頭、目の筋肉を緩めることで、「不安のない胴造」を形成するようにします。

「胴造りが崩れる」という概念がなくなる

次に、両肩を後ろに引くと、五胴の概念が変わります。

姿勢の崩れを防ぐのではなく、姿勢の崩れという概念ごと無くしてしまいます。

え?どういうことって思うかもしれませんが、

全ての胴造りは肩が前に出ることで起こります。

引き肩になる→左肩が前に出過ぎる

左肩が逃げる→右肩が前に出過ぎる

猫背→両肩が前に出る

反り腰→両肩が前に出て骨盤が前傾する

両肩を後ろに引いて、弓を引き続ければ、あなたは胴造りのズレが起こりません。

実際このように考えて弓を引いてみてください。胴造りが崩れるという概念自体がなくなるのがわかります。

ここが、多くの弓道家が誤解している所です。

足踏みで体重を乗せる時、足裏の中心に体重を乗せると解説しています。

そうすると、左右の肩は前や後ろに動く可能性が出てきます。

体重を真ん中に置こうとすると、両肩は真ん中から「前」か「後ろ」に動く可能性が出てきます。だから、真っ直ぐな姿勢を最後まで維持しようと頑張らなければいけません。

しかし、両肩を後ろに引いたとしたら、「いずれかの肩が後ろに引けている」という考え方自体がなくなります。

さらに、今までの内容をおさらいすると、

・踵に体重を置けば、背骨が上方に伸びる

・胴造は「脊柱、うなじを真っ直ぐに伸ばす」と記載している

・腰の中央とは腰椎三番目

・背中側に乗せるのが、解剖学的に適した姿勢である

ここまでの理由がそろっています。だから、肩を後ろに引けばいいのです。

肩を前に出すから「肩が前後に動く」と言う問題が起こります。肩を後ろに引いてしまえば、肩が前に出ると言う問題がなくなります。

それはつまり、胴造りが崩れるということ自体考えなくて済むのです。

教本の精神的でわかりにくい文章をスッキリ理解する方法

これまでお話した内容は、私のオリジナル?

ではなく、全て教本の先生が文章で解説しています。早速みていきましょう。

その前に、教本のわかりにくい文章を詳しく理解するコツをご紹介します。

千葉:フンワリとした足踏みという土台に二脚が出来、その上に腰骨をデンと乗せる。それは、木綿の手拭いを下げた感じではなく、ドッシリと重みのある縮麺の良い踊り用の手拭いを下げたフンワリとした気持ちである。力があると言えば、どこにでも入っているし、無いと言えば、どこにも無い。(二巻.P73)

このような文章、教本には多くありますね。正直わかりにくいですよね。

現代の弓道の先生もこのように精神的、抽象的な表現で指導をします。根拠もなく形式的な内容で時々「品がない」「詰めあって伸びあって」とよく分からない精神的な解説。

この文章を読む側は文章がなかなか入らなく、結局何が言いたいのかわからなくなります。

なぜ、このようにわかりにくく感じるのか?「主語」が抜けているからです。

教本の文章は、精神的な用語と動作の説明がごちゃごちゃに入っています。わかりにくい文章は、説明の途中で主語が変わっている可能性があります。

そこで、自分で主語をいれれば、言いたい内容が頭に入りやすくなります。例えば、

・フンワリとした足踏みという土台に二脚が出来、その上に腰骨をデンと乗せる。

・それは、木綿の手拭いを下げた感じではなく、ドッシリと重みのある縮麺の良い踊り用の手拭いを下げたフンワリとした気持ちである。

・力があると言えば、どこにでも入っているし、無いと言えば、どこにも無い。

この文章に主語を入れてみましょう。

「具体的なやり方」は、フンワリとした足踏みという土台に二脚が出来、その上に腰骨をデンと乗せる。

「デンと乗せた時の気分」は、それは、木綿の手拭いを下げた感じではなく、ドッシリと重みのある縮麺の良い踊り用の手拭いを下げたフンワリとした気持ちである。

「その時の筋肉の状態は、力があると言えば、どこにでも入っているし、無いと言えば、どこにも無い。

このように、先ほどより言っている内容が直感的に入りやすくなりました。つまり、千葉範士は

・両脚の力を抜いて、上半身を下半身に乗せる。

・気持ちや意識は自然と下方に行くようにする

・自分から筋肉に力を入れないようにし、その上で姿勢を保持する

と言いたいとわかっています。

主語を取り入れると、教本の文章をよく読めるようになります。

千葉範士の「心が落ち着き、筋力を最小限に抑えた胴造」の具体的な方法は、

足指の関節から足首の関節、膝関節、股関節を足踏みのところで述べた如く、しぜんの形に正しくつなぎ合わせ、その上に腰が座り、(二巻.P74)

なんか、脚関節をしっかり整えてから、その上に上体を乗せるようにしましょう。と言っているように見えますね。

先ほど説明した「脚を外に回す→骨盤起こす→肩が後ろに引かれる」と言う内容に近い気がします。

では、足踏みの内容の「太腿外側に回す」を実践してみましょう。

さらに、千葉範士は、足裏は全体に均一に乗せるようにしましょうと解説しています。ですので、「踵多め、爪先少なめ」に体重を乗せましょう。

そして、この文章の続きには、

千葉範士:脊髄関節から頭まで真っ直ぐに通っているようにする。(二巻.P74)

と記されています。では、太腿を回した後、肩を後ろに引いてください。

この内容は、肩を後ろに引き、背中から首関節まで上方に伸ばせば実践できますね。

先ほどお話したように、背骨は背中側についています。体重を後ろに乗せれば、背中を伸ばしやすくなります。

さらに

千葉範士:顎をひき、目ははんがんに開いて、鼻頭を中心に(二巻.P74

と続きます。半眼になるためには、眼球の筋肉が緩まないといけないですね。肩を後ろに引きましょう。

鼻頭を中心に顔を向けるためには、少し顎を引き気味にする必要があります。こうするためにも、肩を後ろに引いてください。

千葉範士:丹田を中心にして、頭上は天に向かって無限に伸び、下体は地底に無限に徹る気持ちである。(二巻.P74

肩を後ろに引いてください。お腹と胸の筋肉が伸びます。その状態で息を吸うと、下腹(丹田)に息が入ります。

肩を後ろに引いたら、顎が引かれて頭部を上方に伸ばしやすくなりますね。この時、上体の重みは下半身に素直に乗るため、下体は地面に沈む感覚を得られます。

つまり、先ほどお話した「肩を後ろ」に引けば、眼球、鼻頭、頭部の伸び、下半身の沈みが自然に出来上がります。

さらに、「丹田に力を入れてはいけない」と言う根拠を示しておきましょう。千葉範士の文章の最後に、

千葉範士:下腹を故意に固くせず、また凹ましたりしない、肩根を下げ、首は上に伸び、腕と足を同じ故意に入れず、(二巻.P74)

丹田を硬くするなと書いてありますね。したがって、肩を前に差し出した前屈み姿勢はやっちゃだめです。

あるいは、体重を体の中心におくように、足裏の中央よりやや前方におくような前もしてはいけません。全て、下腹の筋肉を硬くする行為です。

肩を後ろに引きましょう。それで千葉範士の文章が全て理解できます。

こうしたややこしい内容も、「太腿外に回す」「肩を後ろに引く」の二個の動作を行うだけで全て完了してしまいます。

なぜなら、上記の解説した内容は「全て教本の先生がきちんと説明されているもの」だからです。

では、先ほどの説明の流れとほぼ同じ流れて解説していきます。

まず、踵に体重を乗せる

最初に、体重を踵付近に体重を乗せましょう。教本の先生は、「足首付近に体重を乗せる」ように解説しています。

神永:重心の位置は、左右の拇指の爪先とその反対側の踵とを結んだ線の交差点上に落ちるくらいがよく、会、離れの際に前後に動揺しないことが肝要である。(二巻、)

冨田範士(三巻で同じ文章記載)

このように、体重を載せてと二人の先生が話されてますので、そうします。

踵に体重を乗せて、骨盤が上方に立つ

次に、踵に体重を乗せると、骨盤を上方に持ち上げやすくなりますね。

神永:弓道の胴造は立禅の姿とも言える。・・・・腰骨の前側面をちょっと上に向けるようにして肛門を閉じ、股の付根を張る。みぞおちを軟らかにし、余り凹まぬように伸ばす。(二巻、P76)

以下の写真のように、骨盤がおきますね。

そうすると、骨盤が起きて、太腿の後ろ付け根がしまって、「太腿の付根が張る感じ」が得られますね。

この姿勢を、祝部範士は「ひさこ腹」と解説しており、この方法に理ありと説明しています。

胸が落ちていると言いますが、胸を開いて肩を落とせば、この姿勢になります。

祝部範士:胸窩を落とし軽き猫背を成すことを認め、臍より3センチの所に腹をたくね両足に力を入れず、膝の関節は柔らかく上部の動揺はこの関節で調節し得るほどにし、臍を上向きにした、いわゆる「ひさこ腹」を形成せよと言うのがある。

この法に理ありと信じて、今でもこれを行っている(三巻、P70)。

松井範士のような姿勢になります。

胸が下がって、肩が下がるのがわかります。鈴木伊範士の教本68ページの最初の行にも「胸を落とすと言うことは、同時に肩を落とすと言うことに重大な関係をもつ」とも解説しています。

この姿勢になると自然と肩が下がり、肩肘張らないようになりますね。

松井範士:ことさらに肘を張ったり、肩を動かして形を作ることはやめたい(三巻、P70)

こうすると、肩を後ろに引きやすくなります。首の後ろの筋肉が伸びやすくなります。

首の後ろの伸びを維持し続けるべき

そして、肩を後ろに引いた後に、首の後ろの伸びを維持するように心がけましょう。

なぜなら、教本二巻の宇野先生は、

宇野:一般に、顎から上がおろそかになり易いが、これに十分注意して少し意識的に頸椎を真っ直ぐに立てるように

と説明してます。だから、首の後ろの伸びを忘れないようにします。そのためには、肩を後ろに引く。

そうすると、首の後ろが伸び、両肩が下がります。こうして両肩が両腰に対して、十文字になることがわかります。

宇野範士:「足踏み」と両腰と両肩が背骨に対して十文字をなし

さぁ、首の後ろが伸び、肩が下がると、「胸筋とお腹が伸びる姿勢」になりますね。

ここで、息を吸ってみましょう。

スムーズに、肺を通って、下腹まで酸素が入ったことでしょう。体を緩めて、かつ深く呼吸ができている証拠です。つまり、

首の後ろ伸ばし、肩を落とすと丹田が膨らむ

ようになります。

気息と重心

千葉範士:出来るだけ深い呼吸を2、3回繰り返し行えば、力が自然と下腹部に充実し、結果としては下腹が堅くなる。(教本二巻、P78)

はい、この内容はできますね。

宇野:重心をどこにおくかは胴の安定という点から大切なことである。この重要な点は、気息の収まるところと力の中心点とがどこにあるかということであろうと思う。成果丹田に気息を納めること(教本二巻、P79)

浦上:静かな呼吸のうちに、気息臍下丹田に納めて重心の安定をはかり、(二巻、P79

鈴木範士:腹は微細な働きでも大切なものであるから、必ず呼吸を止め、腹に力を満たしてから(三巻、P67)

安沢範士:腰がしっかりし、丹田(下腹)の筋肉を緊張する直立不動こそ、最も強き姿勢である(三巻、P69)

祝部範士:内面省察を逞しくして胸を落とし、下腹に心を納めている数秒の時間、実に射者の信念を表現せられる所、さらにこの1射に衆目が注がれている。(三巻、P74)

冨田範士:脊柱を伸ばし、心気を臍下に収めて柔らかく(三巻、P71)

松井範士:(教本三巻、P71の4行目に同様の文章記載)

高塚範士:(教本三巻、P73の9行目に同様の文章記載)

9人の先生が「胴造で、丹田に重心をおきましょう、気息を通しましょう」と解説しています。

これまで解説した通り、下腹を柔らかく、かつ意識するためには肩を後ろに引くしかありません。

そうしないと、背骨も伸びないし、踵に体重も乗らなくなるし、ほかの先生の「姿勢の作り方」「足裏への体重の置き方」も実践できなくなります。

ちなみに浦上範士、鈴木範士は丹田に息を入れて「呼吸を止めるように」と解説されています。

酸素が下腹に入れば、姿勢の完了と言えるのでここに違いがあることは問題ではありません。しかし、前屈み姿勢、体重を前において最初から腹部に力を入れた姿勢を作ってから息を止めると、

息苦しくなって、余計に上半身に力が入る

ようになります。

ですので、二人の先生の言われている内容も、肩を後ろに引いてから行った方が良いです。

ここまでいくと「丹田が膨らむと」下半身にどっしり体重が乗ることがわかります。

佐々木範士:どっしりとした感じの胴造りが出来た時は、足踏みも適正になされている(三巻、P68)

そうして、丹田に体重を乗せれば、上半身の上部を傾きを変えることができますね、これが、

丹田が膨らみ、五胴が実践できる

ようになります。

五胴に関する説明は教本で多く記されていますが、それらのほとんどが「要は真っ直ぐにすれば良い」「他の胴造は他の状況によって使い分ける」と言った結論で終わります。

だから、教本を勉強する時、おそらく五胴の文章は「サラーっと眺めて、知ったつもりでいる」ように思っていませんか?

そうではなく、丹田が膨らめば、あらゆる状況に対応できるようになります。

そのために、五胴(懸かる胴、退く胴、反る胴、屈む胴)を実践できる必要があります。

松井範士:胴造りの心得として、五胴のことという教えがある。「伏さず」「反らず」「懸らず」「退かず」「直なるを良しとす」とあるが、これは外面的に戒めで、要は重心を失わぬようにせよということに外ならない(三巻、P71)

松井範士は重心をずらさないようにとはっきり書いていますね。ちなみに、冨田範士、高木範士も五胴について詳しく解説しています。

冨田:五身という境義がある。すなわち不屈。不反・・・・(三巻、P71)

高塚:胴造りは五身の内の中央のくらいに体勢を調え

高塚範士:(教本三巻、P73の7行目に同様の文章記載)

こういった内容を勉強するときは、丹田を膨らまし、肩の線をずらしても重心がずれなければ、実践できていることになります。

そうして、肩を落とし、背中を伸ばし、お腹も緩めたら、

肩が後ろに引かれ、眼球が緩む

ようになりますね。

腹に満たした呼吸を繰り返すことで、首の筋肉が伸びて、頭部に酸素と血液が多く取り込まれます。楽な気持ちになって視界が広がります。

肩後ろ→深く呼吸→眼球が緩む→視界が広がる

あっちこっちいろんなところをみる必要はなくなります。

神永範士:胴造りの時の目仕いは一点に集中したり決め込んだりしないで、二間位の処を漠然と見る(二巻、P77)

視界が広がるため、いちいち他の景色を見るために、視線がぶれることもありませんね。

冨田範士:無意味な目仕いをする射士を見受けるが、これなどは見苦しいばかりではなく、気力が散じて安定しない。(三巻、P75)

祝部範士:眼は差し出した左手、あるいは番えた矢の筈あたりに軽く注いでおく。心がまだそこに到らずにいると、眼を軽く手先に注いでおくことが辛く、心にもなく的を見たり、来館者を見たりする。(三巻、P74

この落ち着いた視界で、弦調べを行えば、自ずと「弦しらべ」の行為が「心をより落ち着ける行為」になります。

宇野範士:的を鑑(かがみ)にする訳である。「てらす」ということは、的と胴とが一線の中に落ち付いていいるかどうか調べることで、弦調べをして気息を整える(二巻、P75)

高塚範士:弦調べは胴造の一部と言えよう。そしてその意義は気息を落ち着かせる一つの方法である。

弦を調べ、矢筈から篦に沿うて、的に眼を写す。静かな物見、静かな呼吸、純真無雑にして、己を滅し、大自然に融合し、眼は徐ろに元へ復する。(三巻、P76

もう一度、解説しますが、この弦しらべは視界が広がるために、頭部を動かす必要はなくなります。

冨田範士:執り矢の後、胴造を変えずに眼を矢筈に止め、しかして静かに弦を伝って末弭に送り、更に下に戻し、矢筈より本弭に眼の付け所を移行する。

この動作はなるべく眼をもって行い、ことさらに頭を上下に大きく動かすことは、稚拙な仕方である。

そうして、肩を後ろに引き、呼吸をし、眼球が緩めば、自然と

首の後ろを伸ばすと、心が落ち着く

この、心の落ち着いた様を「七情を取り去る」「無我(我欲のない)の境地」などと解説されます。

高木範士:気は天地四方に満ち溢れ、心は泰然として動かず、悠々天地の間に我が体が安んじ、七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)を去って、筋骨を緩やかにして(二巻、P81)

松井範士:気息を臍下丹田に納め、従容として無我の境地に入るの心構えでなければならない。(三巻、P81)

安沢範士:絶対的静粛にて、無限の動きを内蔵し、外姿もまた泰山の如き静けさであらねばならぬ。(三巻、P69)

冨田範士:精神的に七障の気におそわれず(三巻、P72)

松井範士:精神的にも不動の構えが必要で、(三巻、P71)

最後に、胴造の内容についての誤解を二つ解いておきます。

なぜ、胴造には二つの種類の姿勢が説明されるのか?

胴造の姿勢に違和感を持った人はいたのではないでしょうか?

胴造では、臍を下に向ける姿勢も紹介されています。

祝部:全体重を足の爪先に寄せ、掛かり身になって腰骨をひきつめ、両膝頭を上に引き上げて全身を緊張そのものにし、いわゆる臍(へそ)を下向く姿勢たれと主張するもの。(三巻、P70)

これは、浦上範士、鈴木範士の説明です。

浦上範士:腹部をわずかに前方に屈し、腰を引いて袴の腰板(帯をする辺)がピッタリ腰につくようにする。

このように、息を止めて、全身緊張タイプの胴造です。ちなみに、弓道連盟の先生で「全身が緊張しやすい胴造」を指導する人も結構多いです。

理由は、この胴造を使うと瞬間的に集中力をあげられるからです。

人間は骨盤を前傾させると、全身を緊張させる交感神経が活性化されます。これによって、想起力が向上して弓を引くことができます。

気持ちが引き締まるという意味でメリットがあります。しかし、デメリットは身体を緊張させているため、

・矢束いっぱいに引けない

・早気になる

ことが挙げられます。

ただ、浦上範士はあえて引き尺を一定にすることを目標としています。会の文章で弓手、妻手共に内側に絞るようにと解説されていますから。

ですので、矢束一杯引く長さを増やすことは念頭においていないと考えられます。

ただ、前屈みにすると余計に引けなくなり、「緩み離れ」「姿勢の歪み」などの別の症状に陥る可能性があります。

このようなリスクがあっても、問題ないのであれば、ご活用ください。

しかし、この内容も、肩を後ろに引いた胴造を行ってから、実践するのがベターと言えます。

高木範士の文章を正しく解説

次に、高木範士の文章ですが、

教本は原文「本多流弓術書」の高木範士の説明から取り上げております。

それで、教本の文章が部分的に言葉を誤って記載しており、結果的に「意味、結論が全く違う間違った文章」に解釈できてしまいます。

そのため、実際の文献と照らして合わせて、高木範士の文章を正しく読んでいきましょう。

教本二巻P80ページには、「重心線が地紙の中央よりやや前方にする」と記されています。

高木:重心線が地紙の中央よりやや前方に落ちるようにすることは、ここに「引き分け」以後の動作の主導性があるからで、

こちら、原文では「右足先を少し前に出した時の、足踏みの時、重心線はやや前方」と記載されています。

「本多流弓術書」の109ページには、「右足はわずかに前方に出す」と解説しています。

このように右足をやや前方において、足先の角度を60度程度にすれば、重心はやや前方に動くことはわかります。

しかし、教本の足踏みを見ると、「右足を前に出して・・・」の文章が消えて、足踏みの図も足先が並行に揃った図だけが残されています。

ちなみに、教本の7人の先生の足踏みの文章は「両足先を的の中心に揃える」とはっきり書いてあります。

高木範士の文章だけは削除されています。

内容が間違えていますので、しないようにしましょう。

なぜなら、この文章を正しく読まないと、次の胴造りの説明で意味を間違えてしまうからです。

具体的には?教本二巻のP77、78ページでは、高木範士は「前屈み姿勢」を推奨していると記載しています。

高木:上体を積み重ねることで、真っ直ぐに立つことが肝要である。・・・・

ドッシリと据わり、地から生えたようになり、スラリとなるようにしなければいけない。この体勢を作るには、頭部、上体、下体の各重心線が一直線に足関節に落ちる姿勢に修正に加えるのであって、全身の背面の筋肉がほんの少し引っ張られる程度に全身を曲げないでそのまま前方に少し傾かせるのである

この文章は、「本多流弓術書のP121ー122ページから来ています。

内容は同じですが、問題なのは「右足を前に出せば、自然と重心が前方にいく」という意味で説明されていないことです。

これは、前述の足踏みで右足親指を僅かに前に出し、背中を伸ばせば、ほんの僅かに、前に傾いた姿勢になります。

しかし、「身体がほんの僅か前に傾く」といって「前屈みにしなさい」と解説しているわけではありません。

この文章は、足踏みの説明で「右足をやや前方」に出すから、身体の重心が前に動いています。背中を前に傾けるから重心が前にいっているわけではありません。

むしろ、そのように足踏みを取れば、身体の重心が少し前にあったとしても、背中は楽に伸びれるのを体感できます。

つまり、正常な姿勢と厳密にいうと少し異なるという意味で「修正」と使われています。

実際には、右足親指を前に出した状態で背中を伸ばせば、自然と身体の重心は中央よりやや前方になります。

しかし、両足先を揃えた足踏みでは、身体の重心は中央、もしくは、中央よりやや後ろに乗らないといけません。そうしなければ、背中は袴の腰板につかないし、背中も伸ばせません。

しかし、教本は現段階では、「両足先を揃えた絵」と「体を前方に傾けるようにする」という文章だけが残っています。

つまり、そのまま読むと「少しだけ前屈み姿勢を取る」という意味になってしまいます。

今日の弓道連盟の指導者の中に、両足先を的の中心線に揃えてから、体を前に傾けさせるように指導する背景には、この胴造りの説明があるからかもしれません。

決して、そのような意味ではありませんので、原文を確認して読みましょう。この教本の通りに読んだら、高木範士の解説するB姿勢(上体が伸びない姿勢)になってしまいます。

したがって、この文章を読むときは、必ず「高木範士は右足を僅かに前を出して、重心が前にうつっても背中が伸びやすい姿勢」にしていることを前提に読んでください。

この文章を両足先を揃えて文章を読み、体を前方に傾けたら、全然背筋が伸びず、打起こしで腕は力み、引き分けで大きく引けず、正確に矢を離すことができなくなります。

胴造の修正の仕方を読み間違えるな

最後に、この内容は特に読み間違えないようにしましょう。

宇野範士:痩せた人、肥えた人によって「胴造」がいろいろ変化する場合がある。これは離れの場合に、いろいろな欠陥となってあらわれるから、十分注意して補整する必要がある。

例えば、痩せ型の人は反りやすいが(反り身)、これは重心が後ろに行っているから「離れ」の際後ろへ振ることになる。肥満型の人は前屈みになりやすい(伏し身)これは手が前へ出る。

原因はわかりましたので、具体的な解決策を考えてみましょう。

両方の問題ともに、かかとに体重をかけて、肩を後ろに引いて解決します。

痩せ型の人が反り身になる理由は、体重が前方にかかっているからです。踵に体重をのせれば、反った腰を真っ直ぐに伸ばしやすくなります。

太っている人が前屈みに姿勢になってしまう理由も、腹部の脂肪によって、体重が前方に乗ってしまうからです。

かかとに体重を乗せると、肩を後ろに引きやすくなり、背中全体が丸まった猫背姿勢を改善できます。

両肩を後ろに引くように意識すれば、反り腰も前屈みも解消できます。

胴造では、「肩を後ろ」に引くようにしてください。そうすれば、

・総体の重心が腰の中央にのる

・丹田が自然と意識される

・五胴も実践できる

・七つの感情のバランスが整うようになる

とわかります。

教本の胴造の内容、全て言葉だけでなく実際に取り入れていきましょう。

では、次に「弓構えの内容に入っていきます。自然な弓構え動作も足踏みでの「足踏みの角度、幅を広くする」、胴造での「両肩を後ろにする」ことを行えば、何も難しくありません。

スラスラ内容が頭に入ってきます。

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