さぁ、スラスラ教本を読もう:足踏みの角度編

ぜんかいに引き続き、足踏みで

・神永範士の文献を読む

・目的の最適化を使い、やるべきことと言いたいことを明確にする

ように意識しましょう。ここでは、足踏みの角度について、やるべきことと言いたいことをまとめていきます。

千葉範士:足踏みは外八文字で開くが、左肩が伸びなくなったら半丁字の足踏みにする

宇野範士:一応60度と記されているが、角度の広狭と弓の強弱と関係がある。強い弓を引く人は角度が広く、間隔も広くなる

浦上範士:足踏みは角度は外八文字でちょうど80−90度くらい、しかし、骨格による

神永範士:つま先は90度位が安定して良いように思う。足踏みが狭いと上が長くて下が短く不安定、両脚の開きはほぼ60度でほぼ60度くらい。正三角形の立った形になる

高木範士:左右にふみ開いた幅は、60−70度くらいが良いと思う

 

60度は狭すぎ、正確には70−80度程度開く

では、神永範士の文章を読んで、やるべきことを明確にしましょう。まず、60−70度ではなく、足先は90度まで開きましょう。

神永範士の文章を見ると、「足先を60度に合わせる」ではなく、「太ももを60度」に開くと記載されています。つまり、膝の皿を60度に向けるようにします。そのためには、足先をもう少し広めに踏むように意識します。

理由は、そのくらい開かなければ、太ももを60度に自然と開けないからです。

人には、太ももを外側に向けるための外旋筋があります。太ももを外旋回させると、骨盤が垂直にたちます。それによって、そうすることで背筋が真っ直ぐに伸びて上半身の姿勢を伸ばすことができます。

外旋筋はお尻のシリをキュッと締めると働きます。例えば、足先を60度に開いて見てください。すると、お尻の筋肉が硬くなって、腰骨が垂直にたちませんか?

このように、お尻の筋肉を硬くすることで、骨盤が垂直にたちます。足先を開く理由は、骨盤に垂直に立たせるためです。

しかし、ここまでで「じゃあ足踏みの角度は60度でいいのでは?」と思います。そこに落とし穴があります。先ほどお話した、「お尻を硬くして垂直に立たせる」この「お尻を硬くして」が問題なのです。

なぜなら、お尻を硬くしてしまうと、腕関節が動かしにくくなるからです。お尻の筋肉はその上部の背中付近にある広背筋とも繋がりがあります。ここを硬くすることで、広背筋も硬くなってしまいます。すると、腕関節を柔軟に動かすことができません。

つまり、弓道連盟で言われる足踏みの角度60度を実践すると、骨盤は確かに垂直にたちます。ただ、腕関節が動かしにくくなり、引き分け動作はしずらくなります。

そのため、適切に弓を引くためには、

・骨盤が垂直にたつのは当たり前

・その上で腕関節周りの筋肉も力ませないようにしないといけない

のです。そのため、足先の角度を60度以上開かなければいけません。さらに足を広くふむことで、お尻に力を入れなくても、自然に太ももは開いた状態になり、骨盤も垂直にたちます。

そのためには、さらに足踏みを広く踏んでください。そうすることで、お尻に力を入れなくても、膝関節が60度に向きます。

もちろん、この時膝関節を軽く曲げても問題ありません。膝関節を軽く曲げることで、足先を開いた足踏みでも安定してたつことができます。この内容は初代弓道連盟会長の宇野要三郎範士がそのように説明されていますので、問題ないと判断できます。

つまり、足踏みの目的は、「下半身、上半身共に力が抜けて姿勢の安定度を高くする」ことです。そのためには、

ふとももは60度に開く

足先は60度以上90度まで開く

とわかります。

では、この二つの内容を頭に入れて、他の先生の内容を見ていきましょう。

千葉氏の文献:年齢高い人ほど開く必要がある

千葉範士の文章の内容より、「年齢が上がるほど、左足は広めに踏んだ方が良い」とわかる。つまり、足先を広めにふむことには肯定的です。

宇野氏:足踏みの重要性を理解していない人は足先を狭くふむと間接的に説明している

次に、宇野範士の文章を見ると、「今の弓道家は足踏みの重要性を理解しておらず、それは弓を弱すぎるから」と書いてあります。そして、宇野範士自身は強く弓を引くためには足幅や角度は広い方が良いと説明しています。

この一文より、より足踏みを安定させ、綺麗な姿勢で弓を引くには、広めに踏んだ方が良いよわかります。

浦上範士:外八文字から計算しても、内側の角度は70度以上あり

次に、浦上範士の足踏みの角度は外八文字は90度くらいと解説します。

この文章から、実際に、外側の角度を90度として、内側の角度を測って見てください。おそらく、25ー27センチの足のサイズの男性であれば、内側の角度は75度以上になるはずです。

つまり、この文章を見ても、足踏みの角度は70度以上に踏んだ方が良いとわかります。

高木氏の文献:高木範士が60どが良いと行った理由

ただ、この文章での中で高木範士だけが「60度が良いと思う」と言っています。この一文だけを見ると、「じゃあ連盟のお話される足踏みの説明は一理あるのでは?」と思いたくなります。

しかし、高木範士がなぜ「60度が良い」と言っているかわかりますか?先ほども言いましたが、高木範士の文章は教本では引用ミスや事実を切り取って編集されています。

原文は筋が通っているのですが、教本になると言っていることがわけがわからなくなるため、一つずつ整理をしていきましょう。

では、高木範士がなぜ「足踏みの角度が60度がいいと言ったのか」を解説します。それは、その足踏みが正しいと言いたいわけではなく、本多流では、足踏みを60度を基本にしましょうと言ったのです。

今言った「本多流」という枕詞が重要です。

本多流とは、本多利実氏の教えや引き方を受け継いだ流派のことです。この本多先生から指事を受けた東大生が集まってできた流派のことです。5人の東大卒の弓道家が本多利実氏の文献や写真、指導の経験から、引き方の基礎、基準を議論しました。

その時に決まったのが、「足踏みの角度は60度」です。しかし、この決定の前提となっているのが、「本多先生が老年になってからの状態」から基準をとっていることです。

実際に、写真を見ると、背骨は大分曲がっている状態の時の写真から引き方を解説しています。

この状態から基礎基準をとっているため、本多流の先生は「打起こしは遠く高くあげる方が良い」と説明する先生が多いです。なぜなら、老年の本多氏は遠く高くしなければ腕関節が窮屈になってしまう猫背姿勢だったからです。

実際に、本多流の弓道家の一人である寺嶋範士の射に関する本も本多氏の老年期のころの引き方から分析を行なっています。

確かに、猫背であったら足踏みは狭く踏まないと体が前後に倒れてしまうから、仕方ないと言えます。しかし、この姿勢から足踏みや打起こしの基準を作っているのは微妙のように感じます。

若いころの本多利実氏は足踏みは広かったです。加えて本多氏は「弓道論集」という文献に40kgの弓を引いていた記録があります。この狭い足踏みで40kgの弓で的中していたというのならば、よっぽど効率の悪い引き方をしていたことになります。

多数の文献を読まれているの本多氏であれば、そのようなことはないと思います。足踏みが60度だったのは老年期の猫背になっていた時で、本多流の一つの目安として発表したものです。

つまり、高木範士の文章が適切か?80歳以上の弓道家ならそれでいいかもしれません。しかし、世の中は70歳後半でも猫背でなく弓を引いている人がたくさんいます。その時代にこの足踏みの基準は実態と乖離していると言わざるを得ません。

ということで、ここまでの話の内容をまとめます

・足先は70度以上開こう

・膝の角度は60度に開く

・千葉範士、高木範士、浦上範士共に、足踏みの角度は広めが良いと解説している

・高木範士は、猫背姿勢が前提であるため、現代の人は

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