あらゆる射癖にかかりたくなければ、打起こしだけは低くしないで

弓を引いていて、いろんな射癖にかかってしまって

・手首に力が入ってしまう

・手の内に力が入ってしまう

・両腕、両肩に力が入ってしまう

・姿勢が悪くなる

といった問題が起こりますよね。こうして、弓を引きにくくなると、ぶっちゃけ「あぁ弓って面白くねー」と思いたくもなります。

ただ、このような問題に出くわした時、「打ち起こしは高く高くあげる」ことを意識してください。

逆に言うと、弓道に置いてあらゆる射癖にかかりたくない場合、打起こしだけは低くしてはいけないと思っておいてください。あらゆる射癖は打起こしを高くしておけば防げます。

今回はその詳細を解説していきます。

こんなにもある、高い打起こしのメリット

弓道教本では、打起こしの角度は「45度」と解説されています。実際には、このような数字にとらわれず、「とにかくあげるだけあげる」と意識してください。

それで、このようにするメリットがいくつかあります。

まず、単純に引き分けがしやすくなる。

大きい引き分けができるかどうかは、両拳の動く距離に比例するとも考えられます。その時に、両拳が高い位置と低い位置にあるとでは、高い方が動く距離が増えます。すると、引き分け動作をその分大きくできます。

もし、打起こしを高くしたなら次の大三は右拳が高くなりますよね。高い位置から引き分けるのと低い位置から引き分けるのでは、おそらく「高い位置」の方が、大きく弓を引き分けることができます。

もう一つ、高い打起こしの方が引き分け動作がしやすいです。なぜなら、高くすると、拳が近くなるからです。拳と体の距離が近くなると、弓を腕で支えやすいため、腕が動かしやすくなります。

しかし、弓と体の距離が遠くなれば、その分弓で腕を支えるのがきつくなります。そのため、背中回りの筋肉が固くなって弓を引きにくくなります。

おそらく、「打起こしが高い=弓と体の距離が近くなる=腕が動かしやすい」と言う理屈がわかれば、左右の腕の力みが取れるし、良い姿勢を維持できます。

まず、弓と体の距離が近くなると、左腕が腕が動かしやすくなり、左手の無駄な力みを減らせます。すると、大三で左手の力みがかかりにくくなります。

次に、弓と右腕の距離が近くなると、大三から引き分けに入るときに、右拳が体に近づきます。より、体に近い方が引きやすく感じます。

さらに、高く打起こしして、弓を体を近づけた方が背筋が伸びませんか?打起こしを高くすると、上体が屈まず、反らせず弓を引くことができます。

このように、打起こしを高くするだけで、左右の腕の力みが抜けて、良い姿勢を維持して弓を引くことができます。 

多くの人の打ち起こしが低くなってしまう理由

では、なぜ多くの人は打起こし動作を低くしてしまうのでしょう。

それは、単純に低いと、体の前でいろいろ拳の操作がしやすいからです。

拳が左右高さがそろっているのか、大三で矢が水平になっているのか?それらは打ち起こしが低い方が見やすくなります。低い方が、両拳が自分の視界に入る分、高さを調整して動かしやすくなります。

加えて、低く上げた方が楽です。ただ、打起こしの動作だけに限って言えば、これが次の大三や引き分け動作と繋げて、弓が引きやすくなるかは別の話です。

つまり、弓を引きやすくすることより、「見た目の綺麗」を求めてしまうと、打ち起こしの拳はどんどん低くなります。

見た目の綺麗さを求めていると、打起こしが高い方が肩関節が上がって弓が引きにくくなると勘違いもします。しかし、そのようなこともありません。

打起こしが高くなって肩関節が高くなるのは単純に拳の位置が高いからです。引き分けで拳が下がってくれば、両肩は下がってきます。つまり、打起こしが高くなって両肩が上がってしまうのは「打起こしだけ」です。それ以降は、両肩が下がって射型が整ってきます。

しかし、打起こしが低いと、体と弓の距離が遠くなって大三、引き分けで肩に力が入ってしまい、そうすると「引き分けで力が入っている」と言われます。

ちなみに、打起こしは高く上げ続けると、やがて慣れてきて腕がリラックスして「肩が下がった高い打起こし」はできます。しかし、低い打起こしに慣れると、引き分けで力が入り続けて、「小さく縮こまった引き分け」に慣れて癖づいてしまいます。

すると、一生射癖から解放されません。このような問題があるため、あらゆる射癖から解放されるために、「打起こしは高く」を意識して弓を引くようにしましょう。

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