手の内は理解するための「左手の状態ポイント三つ」

弓手の手の整え方を「手の内」と呼んでいます。弓道の世界ではこの手の内はとても難しい射技の一つといわれています。

 

しかし、手の内の整え方は難しくはありません。難しく考えると逆に手の内は悪くなります。シンプルに考えることができれば手の内を理解することは容易と考えます。

 

手の内が難しいのは指の整え方しか考えられていないから
なぜ、手の内は難しいと感じるのか?それは、手の内を「指の整え方」で理解しているからです。手の内の説明を見てみると、9割の弓道本が手の内の整え方は「指の整え方」を重視して教えます。

 

このため、多くの人は手の内=「指の整え方」と考えます。初心者が最初にとっかかりをつかむのに教えるのは良いでしょう。しかし、人それぞれ指の長さ、大きさから何もかも違うので、みんなが同じ指の整え方をしていたら合う合わないがでてきます。

 

例えば、ある流派では左拳を握るとき親指と中指の間は少し隙間を空けたほうが良いと教えています。あるいは、小指、薬指、中指の三つの指先はそろえた方が良いと説明します。

 

しかし、ある人は別に中指と親指の間はくっついてもよいと説明しています。このように指の形や整え方流派や人によって説明の仕方が変わります。「手の内なんて教えられる法ではない」と言い切っている弓術の先生までいます。

 

整えたときの左手の状態から手の内を理解する
手の内で大切なのは「指の整え方」ではなく、「引き分けのときの左手の状態」です。これで考えると、手の内の理解ができます。

 

何十冊と弓道の本を読んできて、手の内はいろんな例え話や例えるものがありました。それらの説明をまとめると、手の内で必要な左手の状態は以下のようになります。

 

指先に力を入っていないこと
弓と手の接触面積を少ないこと
真っ直ぐに押されていること

 

この三つが引き分けで押しているときに必要な左手の状態です。手の内で指を整えて、押しているときに左手がこの状態になっていれば、問題ないです。

 

指先に力が入っていると離れたときの弓の復元力がじかにひびき、ねらい目に影響します。

 

弓と手の接触面積が少ないと弓の復元した力を殺すことなく、弓が返り、狙ったところに矢が飛びます。この接触面積が大きいと弓が適切に返らないため、狙ったところ矢が飛びません。

 

真っ直ぐに押されていれば、矢は真っ直ぐに飛び、的に的中します。これが、上方向に押されていたり下方向におされていたりすると真っ直ぐに飛びません。

 

手の内の目的は「狙ったところに狙ったとおりにまっすぐ飛ばす」ことが目的です。この三つが適うように手を整えれば手の内は完成されます。

 

指先に力が入らないように指先はふんわりにぎる
左手を整えるときはなるべく指先に力を入れないように軽く握る程度にしてください。

 

もしも、「三指をそろえないといけない」とか、中指と親指の間は空けないといけないとか言葉に惑わされ、変に指先を曲げたり、力を入れてしまうと、引き分けで握りすぎてしまい、離れで弓がぶれてしまいます。

 

軽く握って、5本の指が引き分けで押しているときに「必要以上に力まないこと」を意識してください。もし、小指、薬指、中指が完全にそろっていなくても、ある程度指先がそろっていれば問題ありません。

 

軽くにぎってなるべく中指、薬指の根元の部分に弓を当てない
次に、軽く握った拳を引き分けで、押し、弓の復元力を最大限に伝え、弓が素直に返るようにするため、弓と拳の接触する場所を決めます。

 

ポイントは二つあります。それは、人差し指と親指の間の部分はしっかり引き分けで当たること、もう一つは薬指と中指の根本が弓になるべく触れないようにします。

 

この部分を弓から離して、押すことができれば、弓返りは冴えた弓返りになり、狙ったところに矢がしっかり飛ぶようになります。

 

天文筋に弓の左側木に当てる
自分の拳の手首から中指までとると、ちょうどその間にまっすぐ垂直に落ちた筋があります。弓道ではこの筋を「天文筋」と呼びます(下図の黒線で囲った部分)。

 

 

引き分けのときに弓の左側木がこの天文筋に当たるようにします。この部分に弓の左側を当てることで、押し方が安定します。

 

手の内の段階で弓の左側木に当ててもよいし、引き分けで押しているときに押し手が負けてしまう人は、天文筋より少し小指側に離して弓を当てても構いません。拳が大きい人は天文筋より少し手首側に寄せて整えても大丈夫です。

 

なぜ、天文筋に弓の右側木を当てるのか、それは、天文筋は掌の丁度真ん中に当たる部分です。引き分けのときに、左側木に拳の中心が当たると、小指の根本から3〜5cm程度離れた部分が弓を押すときに使われます。この部位を弓道の世界では「掌根(しょうこん)」と呼ばれています。

 

掌根で押すと弓を押す動作で好都合に働きます。掌根に弓が当たると自然と小指が曲がります。小指が曲がると小指側の腕の筋肉が働きます。これを解剖学の世界では「下筋」と呼ばれます。

 

「下筋」が働くと、手首が曲がりにくい構造となります。すると、上押しで手首が下に曲がったり、べた押しで手首が負けたりすることがありません。最も押し手が安定する「中押し」を実現させることができます。

 

 

手の内で押すときはこの「中押し」が理想です。手の内を整え、引き分けで押しているとき、掌根で押すようにすれば、キレイな手の内は完成されます

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