外形と心を整える胴づくりでの骨盤の立て方を理解する

教本に載っている範士の先生方は、胴づくりで、「背骨」と「項」の使い方を説明したり、足踏みと関連づけて説明したりします。教本第一巻に「脊柱、項を真っ直ぐ伸ばし」という文章にあるように、二か所を意識することは重要なことです。

 

ただ、先生によっては、これら上半身に位置する部位ではなく、骨盤に意識を向けて胴づくりを説明している人がいます。それが、祝部範士です。

 

ここでは、祝部範士の言葉から、胴づくりの姿勢を整える骨盤の立て方を解説していきます。
 
 上半身がしっかり骨盤の上にのる「ひさこ腹」の姿勢
教本第三巻の祝部範士の説明に、「ひさこ腹」という言葉があります。これは、胴づくりにおける骨盤の立て方を説明したものです。

 

最初に、足踏みで膝関節を少し柔らかくするように、ピンと張らないように立ちます。次に胴づくりで上半身の無駄な力みをとって、少し背骨を丸くする気持ちで楽にし、おへそを上に向けるようにします。

 

イメージとして、前傾している骨盤を背骨を丸くして立てるようにします。太りすぎている人は丸くすると、骨盤が後ろに傾きすぎることがあります。

 

これにより、胸周りが楽になった姿勢になります。この状態で、ヘソ下に手を当てて、お腹が膨らんでいるとひさこ腹の姿勢が完了します。

 

 

 
全体重を足の爪先に寄せ、掛り身になって腰骨を引きつめ、両膝頭を上に上げて全身を緊張そのものにし、いわゆる臍の下向く姿勢たれと主張するもの。
 
これと全然反対に胸を落とし、軽き猫背を成すことを認め、へそより上三センチのところに腹をたくね両足に力を入れず、膝の関節は柔らかく上部臍を上向けにした、いわゆる「ひさこ腹」を形成せよというのがある〜祝部範士〜

 
言葉は違いますが、ひさこ腹を実践していた射手として、阿波研造に師事されていた、神永範士がいます。
 
腰骨の前側面をちょっと上に向けるようにして肛門を閉じ、股の付根を張る。水月(みぞおち)を軟らかにし、余り凹まぬように伸ばす。kのとき鼻と臍が対し、両耳と両肩が相対するようになる。〜神永範士〜

 

  お腹に体重が乗ると、精神が安定する
ひさこ腹の姿勢を取ると、胸周りの筋肉の緊張がほぐれます。人によっては胸がスッキリする感覚を手に入れることができます。その状態は体の中にある内臓器官が負担なく体の中に収まっている状態です。

 

人は緊張したり、疲れて姿勢が屈んだりすると、ろっ骨の中にある内臓器官が前方に出すぎてしまいます。すると、重力や肩、首といった器官の重みがかかってしまい、内臓器官が圧迫されます。

 

胃袋の血流が悪くなると、消化能力がなくなってイライラしやすくなるように、内臓の機能低下により、人の感情が揺れやすくなります。

 

最も顕著に表れるのが「お腹」です。近年、生理学の研究が進んで、お腹周りは人の心身を安定をはかる自律神経を活性化させる経路があることがわかっています。

 

武道の世界で落ち着いている人、堂々としている人はよく「どっしりした姿勢」をしているといわれています。これは、上半身に無駄の力みのなく、お腹周りにしっかり乗っている様を表しています。

 

また、「腹が据わった人」ともいいます。これは、腹に力みがあるわけではなく、骨盤が土台に、腹周りがしっかりしている様子を表しています。これらは、おなか周りに体重が乗り、腸がしっかり働いた状態をさしています。

 

腸は人の体で、最も血液の循環が多い場所であり、神経や心の起伏を調節する役割を持っています。お腹周りにしっかり体重が乗って腸がしっかり働くと、心が落ち着いた姿勢を取ることができます。

 

ひさこ腹の姿勢は、外形だけではなく心の安定を手に入れるための意識の仕方といえます。射において引き分けで腕がふるえやすい人や会で気持ちが焦ってしまう人がいます。そうした人に心を落ち着けるに効果的な体の使い方といえます。

 

 やせ形の人には効果的に働く
この姿勢は、特に「やせ形」の人に効果的に働きます。やせ形の人は普通の人と比べて背骨が反りやすく、胸が前に出やすいです。膝を固く伸ばさず、へそを上に立てるようにすると、今まで気づかなかった胸の緊張や肩の緊張に気づくことができます。

 

私自身も、数年前から、この姿勢を意識するようになり、的中率も矢数も向上しました。それまで、自分が胸を緊張させて引いていることすら気づきませんでした。運動部経験者で、力で引いている人はこの姿勢を取ることで気持ちを楽に弓を引くことができます。

 

このように、ひさこ腹は外形だけでなく、心も整えられる胴づくりです。そのために、膝関節を柔らかく、固く伸ばさないようにして、へそを上に向けるようにします。すると、骨盤が垂直にたち、お腹が膨らんだ姿勢になります。

//

お客様からの声

無料メールマガジン:理論弓道

Facebookもチェック
var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0]; if (d.getElementById(id)) return; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "//connect.facebook.net/ja_JP/sdk.js#xfbml=1&version=v2.0"; fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs); }(document, 'script', 'facebook-jssdk'));

書籍案内

 


HOME 運営者情報 お客様の声 メルマガ登録 コミュニティ案内 お問い合わせ