引き取り〜引き取りにおいて注意すること〜

取り懸け、手の内、物見を入れて、打ち起こしが完了したら、次に引き取り(現代でいう引き分け)に移ります。

 

・引き取りの語源
引き取りという言葉は封建時代以前に使われていた言葉であり、意味合いは一方から他方へ物を移動させる意味があります。

 

引き分けは動作としては左右均等に力が配分されて、左と右とに分けられることで、一方的な移動ではありません。

 

引き取りは打ち起こしから会に至るまでの動作、つまり矢束いっぱいに引き収めるための両拳の移動です。本多流ではこれを第一段階と第二段階に分けています。

 

尾州竹林では「打ち起こし」の位置が本多流でいうところの大三の終わった位置になります。本多流ではこの引き取りの動作を引き取りの第一段階終了のところで残したため、少し名前の順序が違います。

 

尾州竹林では、胴づくりの次に引き取り、打ち起こし、会の順序できます。一方本多流では打ち起こし、引き取り、会の順序にして説明しています。

 

引き取りの動作を分けて説明すると
1、打ち起こしの位置から左手を左斜めに動かし、左肘の上辺に的を見る所まで持っていきます。

 

右手は肘から先だけを動かし、右肘が直角くらいに曲がり、肘の位置が打ち起こしのときより高くなって頭になって頭にちかづけ、拳は眉毛より下がらないようにして、左右の拳をほぼ平らにします。これを大三(中力)と言います。

 

2、このときの矢束は引く矢束の三分の一、すなわち自分の矢束の約半分に落ち着きます。

 

3、左手は弓を押し、右手は肘をうしろに回し、身体が弓と弦との間に割り込むようにして、矢束を十分に引くことです。

 
打ち起こしから中力へ
打ち起こしでは右手を主導性を持たせましたが、大三以降は左拳に主導性を持たせます。左手が動くことで、右手が従属的に働くように心がけ、動作を進めていきます。

 

左斜めに動かした左手は、手の内で弓を回転させながら、ちょうど左肘の上で的を見通す位置に止めます。右手は肘から先を折られるようにし、右肘の位置は少し高め、右拳の位置は額から約10pの間隔で止めます。

 

 中力(大三)をとる意味とは
大三というのは「押大目引三分一(おしだいもくひきさんぶいち)」という略語の略称です。この熟語は押引く両拳の関係から考えられらもので、「押大目」と「引三分一」の二つに分けられます。

 

大目はまた「オオメ」と書き、一般にいう「オオメに測る」のオオメと同じで、左手を大目(おおめ)に押すという意味です。「引三分一」は右手の引く働きを言ったもので、引く方は押す左手に対して、三分の一の力を用いよという教えです。

 

注意するべきことは、左手は右手に比べて左利き(ひだりきき)で無い限り、一般に左は弱く、その上押す力と引く力とを比べると押す力は引く力より弱いことです。左は押し、右は引く動作をするので、押し引きのバランスをとるには、押す力に多少意識をかけないとバランスがとれません。

 

これを戒めるための教えが「押大目引三分一」の伝、教えです。

 

大三の動作は見た目は静止状態にありますが、身体の縦軸を以て、これから増大していく弓力の全体を支えて、押引という反対方向の横軸の動作を両手で委縮しないように一時持ちこたえている最後の姿です。

 

そのため、ここで、心も身体も調和を図っておく必要があります。

 

 大三のときの手の内
斜面打ち起こしのときは手の内は弓構えで整いますが、打ち起こしし、大三を取ってから引き取る場合は手の平の接触面が変化します。

 

弓構えで軽く握っておき、打ち起こしから大三に移るとき、左手指で握り方を変えるのではなく、握ったまま、拇指と人差し指との股の皮が、弓の握り革にからみつくように、静かに回し、拇指の付根(基関節)のところが、内竹の右角に接するようにします。

 

そのとき、中指以下の三指をしっかり押さえ、固定すれば手の内は定まります。このとき、掌の大筋は弓の左側木にピッタリはまるようになります。

 

 大三のときの矢束
「引く矢束の三分の一」とは、張顔(はりがお)の弓と弦との間隔を矢く十四センチとすれば、全体の矢束から約半分になります。自分の矢束が90センチの場合、中力では約45pほど引き分ければよいです。

 

もしもこれ以上引きすぎると力が右手の方に移って、押す力とのバランスが崩れてきます。

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