打ち起こしの意義と条件

足踏み、胴づくり、弓構えという、行射に移る前の三つの準備が完了したら、「打ち起こし」に入ります。ここでは、本多流を学んだ師範の先生の説明を例に、打ち起こしの動作でおさえるべきポイントを解説していきます。
 
 打ち起こしの二つの条件
打ち起こしの動作として二つ条件があります。
 
 約45度に打ち起こすこと
 両肩は上がらぬようにして、精神を落ち着け、臍下丹田に気を収めること

 
 打ち起こしは高く遠く上げる
45とは打ち起こしが終わったときの両腕の位置を角度に表したものです。両肩の位置は両拳の位置からいうと45度前方の高さにあります。

 

横顔は矢の下で弓と弦との間にはまった形となります。本多流を習った射手の話によると、修学時代、先生に高く、遠く上げよと教えられていたそうです。

 

上げ方は無風の風に煙が立ち上るように静かに立ち上るように無理なくゆっくり打ち起こすと小笠原流の教歌では歌われています。

 

風となく空に煙の立ち上る心のごとくうちあげよかし

 

打ち起こしのときに注意すべきことは左右の拳は高低や出入りのなく、水平でないといけません。これを矢先が上に向いたり、下にむいたり、外方向に向くことなく、体と平行にとります。

 

矢先が上に向いたり、下に向いているのは取り懸け、手の内の整え方に問題があったり、円相をとるときの両肩の状態によります。

 

もしも、打ち起こしのとき、左手に力が入りすぎると、左手で押し上げるような気持で打ち起こしをすれば、弓が照ってしまいます。こうなると、弓を引くとき、胸や両腕に頼った引き方になり、軽い弓しか引けない射形になります。

 

なので、弓を打ち上げるときは左手よりもむしろ右手に気をつけ、重々しく弦を持ち上げる気持ちが良いです。打ち起こしのときは、重い物を持った手より、軽いものを持った右手に主導性をおきます。

 

これにより、矢が水平、平行に弓は垂直になります。弓が体と平行になれば、手の内をいれるときの支障が少ないです。

 
 打ち起こしの弓懐
弓構えで弓懐ということを述べましたが、打ち起こしでも弓懐を注意しなければいけません。つまり、両肩、両肘、両拳の位置関係です。

 

弓懐とは物を落とさぬように、かつ締め付けないような抱きかかえた感じです。これを打ち起こしでも両腕に力が入りすぎて両肘、両腕に力が入りすぎて両肘関節が伸びすぎてもいけないし、両肘関節を曲げすぎてたるんだ感じになってもいけません。

 

これらの、両腕の力のかかりがゆるやかになるかどうかは高さで決まります。低く、遠い打ち起こしだとどうしたって両腕は伸びきって腕は力が入った構造になります。

 
 頭持ち、両眼の位置
頭持ちとは物見のことで、的に対する顔の向け方です。これが他の動作をやっているときに動きやすいです。打ち起こしの動作をしているときに気をつける必要があります。

 

日置流では人間の首はそこまで回すのは生理的に難しいと感じ、物見は小笠原流と比べて浅くしてあります。

 

しかし、本多流ではこの向け方であると少し浅い感じがあるので、本多流ではできるだけ顎を引いて左方に向け、顎が左肩まで重なる辺りまで持っていき右側の頸筋をピンと張るように教えています。そうすると、両眼が上がり下がりにならないように水平線上になります。

 
 打ち起こしと重心
2の条件の意味は打ち起こしの動作に移ると、とかく両肩がつらげられ、腹部が浮く感じになるのを防ぐために、両肩が上がらないようにし、気持ちを落ち着けて、気息を臍下丹田、腹中の重心位に収めるようにします。

 

胴づくりで整えた重心はまず、打ち起こしで崩れる可能性が出てきます。左右の手の運動により、意識が働き、重心位が軽くなったり移動するからです。ここで、全体が不安定になってしまいます。

 

臍下丹田に気息を充実させて、両拳は天を衝き、下体は両脚を通して地底に達するような気持ちで天地に伸びるような心持ちで弓を打ち上げます。

 

以上のポイントをおさえることで適切な打ち起こし動作を行うことができます。

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