打ち起こしで肩を下げようとすると射の構造が壊れる

打ち起こしを高くすると、弓と体と近くなって大三、引き分けがしやすくなります。そのため、打ち起こしを高くすることは大切です。

 

しかし、ある程度稽古している人は高い打ち起こしには短所があると考えます。それは、打ち起こしを高くすると、肩関節も一緒に上がってしまうことです。肩関節が上がると、肩が力んでしまいます。それによって、引き分けで肩が詰まり、離れに影響が出ます。そのため、多くの人は打ち起こしは引くい方が良いのではと考えます。

 

ただ、肩関節は上がることは別に悪いことではありません。むしろ、肩関節を下げようと考えると思わぬ失を犯す可能性が
あります。ここでは、打ち起こしで肩を下げることによって与える射への悪い影響を解説していきます。

 

 打ち起こしで肩が上がってもよい理由
大部分の人は打ち起こしを高く上げて肩関節が上がるのを嫌います。練習のときに、肩が上がっているのを後ろから「肩を下げて」と言って両肩を上かた抑えるように指導する人がいます。

 

ただ、打ち起こしが高ければ、別に肩が上がることは問題ありません。なぜなら、打ち起こしで上がった肩は、引き分けで下がってくるからです。見た目はどうであれ、むしろ体の中は背中、脇周り、腕の裏側といった重要な筋肉を働かせることができます。

 

打ち起こしを高く上げることに慣れていない人は最初は肩も一緒にあがってしまうかもしれませんが、何回もやって慣れてくれば肩が上がらなくなってきます。そのため、稽古が大切です。最初から肩が上がるからと言って、打ち起こしを低くしていてはいつまでも引き分けにくい状態で引き分けや射を考えないといけません。

 

高い打ち起こしを何回も続けて慣れてきたら、肩は自然と落ちてきます。その間だけ、肩が上がっていることを気にしなければいけませんが、時間がたつにつれて肩が上がらなくなってきます。

 

 打ち起こしで肩を下げすぎると引き分けが小さくなる。
ただ、そうはいっても、見た目肩が上がっていると「力んでいる」ように見えます。そのため、指導者はその姿で引いている姿が見苦しく感じて、「肩上がっているよ」と注意します。

 

なぜ、肩を下げさせるのでしょうか。それは肩関節が上がると肩が力んで手先で引こうとしてしまうためです。そのため、多くの人は

 

 肩関節が上がる=力んでいるから手先で引こうとする。だから良くない。
 肩関節が下がる=力んでいないから、手先に力が入らない、だから良い。

 

と考えます。

 

あまりに肩が上がりすぎているのを平生の位置に戻させるのは良いかもしれませんが、平生の位置からそこまで変わらないのにそこからさらに下げさせる行為は次の動作に悪影響を及ぼすことが多いです。

 

具体的には、打ち起こしで肩を下げすぎると、引き分けが小さくなりすぎたり、おさまりにくくなります。

 

なぜか、打ち起こしで肩を下げすぎると、肩甲骨が後ろに落ち、肺が後ろから圧迫されるからです。
 

この圧迫により、鎖骨周りの関節、肩関節も固定され、動きにくくなります。これにより、肩関節の自由な回転機能が失われてしまいます。これにより、引き分けが小さくなり、右肘を収めにくくなります。結果的に手先で引くようになり、投げ入れ離れを起こします。

 

弓構えで肩関節を下げることは大切です。なぜなら、肩を下げることで脇の下の筋肉を働かせることができるからです。しかし、打ち起こしで肩関節を下げようとすると、体の中の器官に負担がかかり、手先でしか引けなくなります。

 

また、打ち起こしで左肩を下げることは一理あります。左肩は右肩に比べて上がりやすく、左肩を下げることで、左腕の力こぶの裏側にある上腕三頭筋(下筋ということもある)を押しに活かすことができるからです。しかし、右肩は普段の位置より下げてしまうと、右肘を後方に回す運動を阻害してしまいます。

 

このように、打ち起こしで肩が上がることは別に悪いことばかりではありません。むしろ、何も考えずに下げることを良しを思っていると、かえって自分の射を壊す可能性があります。

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