取り懸けでの指の位置を間違うと、早気やゆるみ離れになる

多くの人は弓道の射癖はみな、自分の心のもんだいであって、厳しい修行をしないと、直らないと考えがちです。しかし、いくら自分が心の中で思っていても、構え方を間違えると、射癖は出てしまいます。

 

特に取り懸けの仕方は注意が必要です。たかが指の整え方で射癖が出ることがないと多くの人は思うでしょう。しかし、実際は指の位置を少しでも間違えると、早気やゆるみ離れになりやすくなります。

 

ここでは、取り懸けの指の位置の不正によって生じる早気やゆるみ離れの原因と対策を解説していきます。
 
 指先近くで取り懸けると早気やゆるみ離れになりやすい
多くの人は「早気」「ゆるみ離れ」が出ると、引き分けや大三の中に原因があると考えます。しかし、いくら、引き方を変えても取り懸けが変わらなければ、早気やゆるみ離れは直すことができなくなります。

 

取り懸けの仕方を間違えると、弦の力が指先や手首にかかってしまうからです。では、早気やゆるみ離れになりやすい取り懸けとはどういうものでしょうか?

 

それは、第一関節付近で取り懸ける取り懸けです。つまり、指先近くで取り懸けると早気やゆるみ離れにつながります。

 

理由は指の第一関節で取り懸けると指先に負荷がかかりすぎるからです。第一関節で取り懸けると引き分けで弦の力、荷重が指先に集中します。

 

そうすると、その力みが手首に伝わり、手首に無駄な力みが出てきます。中指先で親指を抑え込むようにすると、さらに手首周りも緊張します。この無駄な力みによって、手首は曲がってたぐりになります。

 

指先には多くの神経が集まっています。熱い、寒い、そういった感覚を感じ取りやすいのも指先です。つまり、指先はそれだけ敏感です。ここに負荷をかけると、手首にも力が集中し、肘や腕の裏側の筋肉を感じることができなくなります。

 

すると、引き分けが小さくなり、押手も妻手も安定した位置まで引きこむことができません。このため、早気やゆるみ離れになってしまいます。
 
 本当に指先近くで取り懸けると離しやすいのか?
ただ、そうはいっても、取り懸けはなるべく浅くするように指導する人もいます。この理由、第一関節付近で取り懸けたほうが拳を弦から離しやすいからです。

 

浅く取り懸けると、懸け帽子と中指の接触面が少なくなります。この接触面がなくなれば、弦は懸け溝から取れて放すことができます。この接触面が少ないほど、引っ掛かりなく離れを出すことができます。

 

極端な例でいうと、指三本を懸け帽子に当てるのと、指一本を懸け帽子に当てるのでは、指一本の方が懸け帽子との接触面積が小さく、それを離せば弦が飛びます。つまり、三本に比べて離れは出しやすくなります。

 

しかし、逆に言うと、接触面積が小さくなるということはそれだけ、接触している部分にかかる圧力が大きくなるということです。指先と懸け帽子で握ると、接触面積は小さくなりますが、その分当たっている部分で弓の荷重を受けなくてはいけません。

 

つまり、それだけ力みやすくなるということも理解しなければいけません。引き分けで力みやすく、離れが出しやすくなるため、より引き分けで早く出したくなります。つまり、会の時間が短くなってしまうのです。

 

指先に力がかかり、手首がたぐると引き分けのときに肘が後方に回りずらくなり、引きも小さくなってしまいます。そして、それが引きの小ささを生み出し、前離れなどの合併癖を及ぼします。

 

単純に離れを良くしたいと考え、取懸けを浅くする人がたくさんいます。ただ、射法は全体で考えないといけません。離れをよくしようと浅く取懸けると、指先に負荷がかかりやすくなり、別の射癖が出やすくなります。

 

このように、指先近くで浅く取り懸けると力みやすくなり、早気やゆるみ離れにつながります。浅い方が弦を出しやすいといっても、それだけ指先に圧力が集中することを理解する必要があります。

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