第6、7条、剛弱のこと、恰好のこと

第六条剛弱のこと

剛弱なり、因果所と称うること、また射形にも剛弱あること

弓の形(なり)の名所に上に「柔剛強弱と形傷(なりば)」があるがこれを略して剛弱といい、弓を引くときは剛が手の内にこたえるもので、この剛を押す気分でないと矢は真っすぐに飛びません。

剛を押すと言って上押しを聞かせねばならないのです。九部の力で剛を押し、残る一部の力を離れ時にになおこれに加えて押せば調子よく伸びえます。

射手にも剛弱があり、射形の良い、中る射手を剛、これに反するものを弱といいます。

上押しを効かせる射法は日置独特の射法です。現代の自然体を目指す弓道では、上押しではなく「中押し」を重視させます。

第七条恰好のこと

鉾に相応の矢束、部に合して矢の軽重あり。印西は貫目を以て之を知ること

「恰好」とは弓矢のつり合いを言います。「鉾」とは弓のことで、弓の長さに対しての矢の長さは一定の関係のもとに限られたものです。

弓といえども一種の弾性体であり、戦前において、現浜松工第の福原達三教授が研究された「弓の力学的研究」の中の現実の弓に対する実験報告があります。

弓幹に作用する曲げモーメント(実験結果4)文中、矢束に対する曲げモーメントを測定した結果です。

約2メートル21センチ(七尺三寸)の弓においては約83、3センチ(二尺七寸五分)の矢束までは反発力が矢を引いた長さに比例して増しますが、約83.3センチ(二尺七寸)を過ぎると引いたほど増さないという結果が出ています。

第七条の教えでは2メートル27センチ(七尺五寸)の弓に矢束約90センチ(三尺)、約2メートル21センチ(七尺三寸)に約83,3センチ(二尺七寸五分)、約2メートル15センチに約75.8センチ(二尺五寸)の矢束が相応と言われています。

もし、この割合を失して引いたら、弓の竹切れなどの生じやすいと言われています。あるいは、この割合以下で引くときは矢飛び悪い恐れがあります。

「分に合わせて矢の軽重あり」とは6部の弓に約22、5グラム、七部の弓に約26.3グラムの重さの矢を使うことで、日置流では離れの軽く、鋭いことを修行のため軽い矢を用います。

離よきことのため矢飛び早くするために、いたずらに軽い矢を使えば角見が効かずに中りません。中りを求めれば軽い矢を使われず矢飛びが悪いのです。

「印西は貫目を持ってこれを知ること」とは弓に適した法を印西先生が定めたので、その法とは平素射慣れた弓を矢束だけ錘りを定めておき、矢束を10等分して、その一つが上がるか下がるかで、矢の目方を一定の目安で増減させます。

つまるところ、たくさん引けば、矢飛びが良いかというとそういう話ではないことが分かります。まして、弓が強ければ矢飛びが早いと、そういう話でもないです。

矢飛びを増減させるには離れを鋭くさせるには、たくさん引く意識と「方向性」が大切になってきます。これは、六部の弓を引くときにも同じで、押し開く意識と、会のときに「どう伸びるか」という感覚を自分でつかむ必要があります。

日置流の射法では「会の時の拳の位置より一つ拳分よったところを押すように」と表現しているし、小笠原では「肩と胸が詰まるように」と説明しています。

私なりのすべてを読んで、意識していることは会で押し開くは「真横に開く」と考えています。会に入ると、肘先が下に落ちる人が多く、肘が下に落ちると、離れのときに、離れの方向と押し開く方向が一致しません。

この意識と、方向性が各人の矢束を決めてくれます。引き方を知るのではなく、理解するためには、たくさん引くこと+αを行う必要がでてきます。

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