ゆっくりと動作を行うことにとらわれるとかえって会が悪くなる

会において、弓の抵抗力に応分して両腕は押し続けられます。そして、上体はまっすぐに保つことで、縦の軸が一貫し、離れにおいて左右対称に力を働かせることができます。

 

左右対称に押し続ける際、筋肉や関節を適切に収めたとしても、その状態で筋肉がゆるんだり力んだりしては次の離れで拳がぶれる可能性があります。これは、会における息合いが整っていないことがひとつの原因と考えられます。そのため、会において行き会いが整っている状態を理解しなければいけません。

 

ここでは範士の先生の言葉を引用して、会で気持ちを落ち着かせる息合いの状態を解説していきます。

 

 動作が遅すぎるとかえって筋肉がゆるむ可能性がある
弓を引く動作において、遅く動作を行おうとする人がいます。これは、動作に間をもたせようと意識し、心を落ち着かせようとするためです。弓道教本でも「動作には間が大切」と書かれており、せかせかと動作を行うより、ひとつひとつの動作をゆっくり一呼吸おいて行うことが良い考えられています。

 

しかし、こうして遅い動作は気疲れを起こし、かえって筋肉をゆるませる可能性があります。ひとつひとつの動作を確認しながら行えますが、押し動作をする際に筋肉に力が入らなくなる可能性があります。

 

弓は物理的道具です。したがって、弓の加重が一番両こぶしにかかり、しんどくなるタイミングがあります。これらのタイミングはどんな引き方をしてもかならず通る道です。そこで、ゆっくり行うとかえって姿勢が崩れる可能性があります。

 

そのため、動作は早からず遅からず、スムーズに行うことで筋肉に負担をかけずにすみます。これらのスピードは各人によって異なりますが、自分の中で遅いかなと思ったら少しスピードを上げるようにすることが大切です。教本第二巻の浦上範士は弓構えまで残身まで各動作が2,3秒程度で収まると説明しています。

 

射全体を要する時間を参考までに述べて見ると、「弓構え」動作から「残身」まで一射に要する時間は大体二十秒位が適当であろう。

弓構え動作ー二秒
打ち起こし動作ー二秒
打ち起こし止まってー二秒
引き分けー二秒
三分の二止まってー二秒
三分の二から会までー二秒
会(詰め合い、伸び合い、離れの瞬間)ー六秒

時間的に言えばかように区分して考えられるが、この間の動作は気息の充満と相和して行われ、会において最も全精力を集注すべきであるから、その前後は滑らかに停滞しないように運ぶのである。〜浦上範士〜

 

実際に行うとわかりますが、この時間間隔はかなり短いです。得に大三から引き分けに入り始めがもっとも弓の負担が拳にかかります。ここで、停滞時間が長いと左腕に無用な力みが増幅します。そのため、あまり弓矢の操作や射形にとらわれず、動作をスムーズに行う必要があります。
 
会の間は呼吸は静止しているが、身体内の新陳代謝は一瞬時も休むことなく行われているから余り長い間持つと疲労をきたし、能率は低下する。普通の人では長くとも五ー六秒位までかと思われる。
 
呼吸は中力(大三以後)残身までは静止しているから、この間普通人では十秒内外でなければ能率は低下することになる。疲労と能率の問題は個人によって異なるので、無理をしないように注意することが必要である。〜高木範士〜

 

 
そのため、会において10秒も20秒も持っても意味がない場合があります。これは長く保ってもそこから体の中の背中から脇回りにかけての緊張感が出てこない場合です。つまり、引き収めたら力の方向づけを行わずただ単純にその場の姿勢を保っている場合です。

 

こうしたクセにかかると、そこから離れの動作を円滑に行えなくなり、離れがゆるむ可能性があります。そのため、矢束一杯引いてきたらその方向に最後まで押し続けるように心がけます。そうして、ゆっくりの会だろうが早い会だろうが矢束一杯引き、押す力が左右対称に働く状態が実現できなければ、会の意味がなくなってしまいます。

 

新の矢束を引き得て、全身の気力、骨力の働きが整備され、外界、的と調和するのに要する時間は人、鍛錬の度合いによっても異なるから、一秒〜三秒でも良いのであるが、整備、調和されなければたとえ十秒待っても無駄なことである。〜高木範士〜

 

このように、会での息合いを整えることで中の筋肉にゆるみ、力みがなくなって左右対称に押し続けることができます。

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