引き分けで胸の力みやわらげる「逆腹式呼吸」を理解する

引き分けの射法の説明を見ると「心気を丹田におさめる」という言葉が良く多用されています。

 

「引き分け」の三分の二くらいまでは平生の息合で、後の三分の一のところで静かに気息を丹田におさめる〜宇野範士〜

 

呼吸には「吸う・吐く」の二種類があるように、吐き方にも二通りあります。範士の先生の言葉から、引き分けで実践している吐き方が
 
 胸の空気をなくして、おなか周りを膨らませる「逆複式呼吸」を理解する
引き分け動作中、息を吐くことで引き分けた方が筋力が発揮されるため、「吐く息」で動作を行うと説明している人が多いです。確かにこのこと自体は間違っていませんが、ふつうの呼吸をしている人にとっては「吐く」「心気を丹田に収める」といわれると何か疑問に思ったかもしれません。

 

なぜなら、呼吸は息を吸うとお腹が膨らみます。そして、息を吐くとおなかの中の空気がなくなるため、おなかはへこみます。これでは、心気、さらに気息が丹田に収まるという言葉の理解に苦しむと思います。

 

ただ、人の息の吐き方には二通りあります。ひとつはお腹をへこまして息を吐くこと、これは私たちが日常でよく行う呼吸です。もう一つは胸をへこますことで息を吐く吐き方です。

 

これは「逆複式呼吸」とも呼ばれます。腹式呼吸はおなかをへこますように息を吐きますが、逆複式呼吸では、胸をへこますように吐きます。このように吐くとむしろおなか周りは膨らむようになります。

 

このように呼吸を行うことは射においていくつか有効な働き方をします。その中の一つに胸周りが張りにくくなることです。
胸が張ると肩の上部が力みやすかったり姿勢が反りやすくなったりします。逆複式呼吸はこのような姿勢の崩れ、肩のずれを起こしにくい呼吸であると言えます。

 

さらに、おなか周りについている腹横筋がゆるむことです。この筋肉は関節とつながっていないため、緊張をほぐすことは難しいとされています、しかし、胸をへこますように息を吐き、おなかを膨らますことです。吐いている最中におなか周りの筋肉をほぐすことができます。

 

つまり、胸周り、おなか周りと上半身の前側の緊張を取り除く有効な呼吸法です。大射道教の教えを受けた安沢範士はこの呼吸法を詳しく解説しています。
 
吐く息が正しい呼吸であって、決して力んだり丹田にことさら堅くするのではない。全身の調和の正しい息でなければならぬ。すなわち上部の息を吐いて、胸が虚になることに依って横隔膜が下がり、丹田の力が益々充実し、運行が豊となるからである。〜安沢範士〜

 

胸が虚になるとは、吐くことで胸に息がなくなり、筋肉の緊張や心のとらわれをなくすことです。胸の筋肉の緊張がとれるkとで、横につながる鎖骨、腕に固さがなくなり、また上部についている頸椎にも固さがなくなります。これによって、頸椎を通して首の関節を伸ばします。すると、引き分けの最中に縦方向の軸を感じながら、動作を運行することができます。

 

打ち起こしは、丹田を通して息気を吐きつつ無限に伸び、三十三天を貫通し、大三に移るや呼び息気になり、〜安沢範士〜

 

引き分けのときに、胸周りを楽にする呼吸として逆複式呼吸があります。胸周りを楽にすることで、頸椎が伸び、縦方向の軸が整った引き分けを行うことができます。

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