段をとると弓道人生が縮む〜昇段経験者しかわからない昇段イップス〜

段を取ると弓道の知識がつきます。作法が身に付きます。段が上がっていくといろんな人に「うまい人なんだ」という目で見られます。

 

こういう風に言うと段をとることはいいことづくめのような気がします。しかし、弓道の段は欠点があります。

 

それは、昇段をすると自分の弓の人生が短くなる可能性が高いのです。

 

これを表す意味は「段」というのはそれだけ「難しい試験、合格したらすごいもの」というイメージがあります。すると、合格したら自分はそれだけ弓の実力がある人だと勘違いしてしまいます。

 

難しい試験を合格し、俺はある程度やったという箔がつくから、もうやらなくてもいいやと思ってしまうのです。

 

特に三段、四段の方にこの症状がよく表れます。このレベルの昇段審査は普段の実力があまりなくてもその場の運で合格しちゃうときがあります。

 

そうすると、そのときは良かったですが、普段の稽古ではその実力が出ずに、普段の稽古の実力と段のイメージがかけ離れてしまいます。

 

弓道はどれだけ参段レベルに稽古しても二週間くらい全く練習しなかったら、実力がガクンと下がります。

 

もしここで、自分が無指定ならば、もう少しうまくなるまでやりたいと思うでしょう。しかし、これが三、四段になると「あぁ、もういいや」と思ってしまうのです。

 

つまり、実力ダウンの状態から段をすでに持っていると気が続かなくなります。これを「昇段イップス」と名付けます。

 

これはさらに高段になるほどその状況にさらされます。段という箔がつくと、さらに実力を上げよう、上のレベルに行こうと言う気持ちが下がってしまいます。「ここで、いいか、参〜五段はそこそこすごい段位」と思ってしまうのです。

 

また、高段になると、いくらその人の射癖が悪くても周りの人がわかってても言えないものです。「自分より段が上の人に指摘するのは恐れ多くて・・」と思います。

 

こうして、段をとると、射癖が出ても直そうと思う機会が減ります。その結果、弓道の人生が短くなります。

 

例え、参段だろうが、五段だろうが、段を目指して稽古してきた射型はもろく、ちょっとしたキッカケで崩れます。そこを修正する合理的な考えと行動を続けなければいけないのですが、審査ではそういった部分は見られません。

 

さらに30代、40代になると仕事が忙しく、時間がとれません。するとますます射型の崩れる可能性があがります。直し方を自分で自覚しなければ、なかなか直すことができません。こうして、実力が下がって稽古に来る日にちがさらに少なくなっていきます。

 

弓は社会人になってやりたいと思う習い事ランキングでトップクラスに入るものです。しかし、その反面、参〜五段をとると稽古を辞めてしまう人も多いのも事実です。

 

実際私も参段審査に合格したとき、辞めそうになりました。

 

学生時代で参段を取り、今までの稽古が報われた気分でそのときはうれしく思いました。しかし、その後、大学の研究生活が忙しくなり、なかなか道場に行くことができなくなりました。

 

土日に道場に行くのですが、練習量が減ったので、引きが小さくなってしまい、離れも弱くなってしまいました。長年やっていたので、体配はキレイと言われていましたが、射形は崩れてしまいました。

 

そして、研究がさらに忙しくなり、二か月間ずっと行けなくなり、弓道が「たまに行く楽しみ」程度になってしまいました。

 

無指定や初、二段のときはどんなに勉強が忙しくても、道場に行く時間は作っていました。しかし、参段をとったら、「ちょっと落ち着いてからやろう」なんて心の余裕ができてしまったのでしょう。

 

弓道が好きでたまらない人ならとにかく、弓を引くという動作には必ず「飽き」が来ます。最初は「段」をとって稽古する目的にするのですが、それを手にしたとたん、意欲がなくなります。

 

結局最後の学生生活一年はほとんど弓に行かなくなってしまいました。たまに行っても射形は汚く、数多く引ける体力もなくなりました。それでさらに道場に行くのが億劫になり、弓道の情熱が小さくなってしまいました。

 

それだけ段というのは取った安心感は稽古の情熱をなくすマイナス要素もあります。。

 

そして、実力は下がっているのに、段があるので、知識だけがたくさんあって、それを低段者にさも自分もできているかのように話します。こんな風になってしまったら、もう弓道の人生はあってないようなものです。

 

あらゆる弓道の情報はHPに載っています。しかし、決してこれを活かして合格をとることが目的ではありません。しっかり勉強して段をとることで、段に相応する実力を落とさないようにすることが大切です。

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