射法八節の説明「打ち起こし〜残身」
打ち起こし〜弓倒しまでの射法八節の内容をまとめます。
打ち起こし
打ち起こしには正面打ち起こしと斜面打ち起こしがあります。正面打ち起こしは弓構えの位置から両拳を同じ高さにして弓を持ち上げます。
拳の高さは頭より高く、弓懐の形をを崩さないで上げます。要するに弓と体が平行になって上がります。
弓はその弦が体の正面から見て、垂直であるようにします。こうするには、右手を主として弓に持ち上げるとよいです。弓を上げるとき、肩根を後ろに落とさないようにすると良いです。
引き分け
打ち起こした弓を左右に引き分ける動作です。現代弓道では間に大三という動作があります。
左手で弓を圧し開き、右手はその弓弦の力で腕関節の所で左方へ降り曲がり、矢束の三分の位置ぐらい弓が引きひらかれます。
やや、間をとって左手は人差し指と親指との間で弓の握りを押すとともに右手は肘の力でひっぱり、左右対称に残り三分の二を引き分けます。
引き分けのとき、矢筈の方よりもい矢尻の方が低いのを水流れ、これに反して矢尻の方が高いのを鳥差しといいます。
矢をかけるところを中仕掛けといい、これより上部を上弦(うわづる)、下部を下弦(したづる)と言います。
弓を引き分けていく道筋を弦道(つるみち)といい、練習によって、この弦道が同じ道を通るようになるように努力することが大切です。
会(かい)
仏教用語の会者定離(えしゃじょうり「あうものはかならずはなれる意味、会うは短く、離れは長い」)から転用された言葉です。
この会が充実したとき、離れが生じます。
離(はなれ)
会の結果にくるものが離れです。矢飛びが真っ直ぐではなく。矢が泳いだり筈が振って飛んだりするのを矢色と言います。
角見(つのみ)は左親指根が弓の内竹右角に接するところを言います。角見がきかないと前矢が出やすいです。前矢とは向かって的より右手に矢が飛ぶことです。
残身(心)・・矢が放れ終わった後の射手の姿であり、心です。少なくとも姿の精整の度合いによってその射全体の判別がなされるほど重要です。
残身においては矢所を見定めるとともに充実した気息をもって目を的に注いだまま弓倒しをし。息を吐きつつ物見をおもむろに脇上面に戻し、右足より半歩ずつ閉じます。
以上で一射を行じ終わったこととなります。
残心(身)、弓倒し
左右に開いた両腕(残身の姿)をそのままの位置で2〜3秒伸びたままにして(残心)、その後、関節を折り曲げ、両拳を腰に執る。この腰に於ける位置は最初の執り弓(とりゆみ)のときの場所であります。